慣らし保育とは何をするのでしょうか?新しい環境に戸惑う子どもが安心して園生活に慣れるための大切な期間です。慣らし保育の目的やスケジュール例、大泣きする子どもへの対応や保育士が気をつけたいポイントを解説します。
4月、本日から新年度が始まりました!
初めての保育園・幼稚園生活で、子どもたちは戸惑いや不安を感じていることと思います。
環境の変化は子どもにとっては大きなストレスで、体調を崩してしまうことも多くあります。
そのため多くの園では、子どもが新しい環境に少しずつ慣れるために行うのが「慣らし保育」。
この記事では、慣らし保育の目的や進め方、保育士が気をつけたいポイントについてわかりやすく解説します。
保育士は一人ひとりの気持ちを受け止めながら、安心して過ごせるよう丁寧にサポートしていきましょうね。
1. 慣らし保育の目的とねらい🌱
慣らし保育とは、新入園児が少しずつ園生活に慣れるために行う保育の期間です。
保護者と離れる不安を和らげながら、園生活のリズムや集団生活に慣れていくことを目的としています。
慣らし保育のねらいと目的
◎母子分離の不安を軽くする
◎園の生活リズムに慣れる
◎集団生活を経験していく
2. 慣らし保育の一般的なスケジュール
【0~2歳児】慣らし保育スケジュール例
・初日:1~2時間程度
保育室や園の雰囲気を感じながらゆっくり過ごす
抱っこや声かけで安心できる関わりを大切にする
・3日目:給食前まで
午前中の活動を経験する
園での生活リズムを少しずつ知る
・5~6日目:給食まで
園で給食を食べる
食事の雰囲気に慣れる
・1週間:午睡まで
午睡の時間まで園で過ごす
保育園の生活リズムに慣れる
※慣らし保育の進め方や期間は、子どもの月齢や性格、家庭の状況によってさまざまです。
慣らし保育は「早く慣れること」が目的ではなく、子どもが安心して園生活を送れるようにするための大切な期間です。
先生の忙しい都合もわかりますが、無理にスケジュール通り進めるのはおすすめしません。
子どもの体調や様子を見ながら少しずつ進めていくのがベストな方法です。
特に0歳・1歳児は、まだ離乳が進んでいない子もいます。
大泣きして水分がとれなくなってしまうこともあるため、
慣らし保育は余裕をもって進められるよう、事前に保護者へ伝えておくことも大切です。
【3~5歳児】慣らし保育スケジュール例
・初日:午前のみ(2時間~)
保護者と離れて園で過ごすことを経験する
保育室や園庭で自由遊びをしながら担任や友達との関わりを少しずつ増やす
・3日目〜4日目:給食まで
朝の会や活動に参加する
友だちとの食事の環境に慣れていく
・5日目〜6日目:午睡まで
午睡の時間まで園で過ごす
園の生活リズムに慣れていく
・1週間目以降:通常保育
午睡後〜降園まで過ごす
1日の流れを経験する
乳児クラスより慣れるのが早いことも多く、1週間ほどで通常保育に移行する園もあります。
しかし、環境の変化による疲れや不安は乳児も幼児も同じです。
最初は嫌がることなく登園していた子も、慣らし保育を急いで進めてしまうと、後から急に「園に行きたくない」と気持ちが強くなることもあります。
一人ひとりの様子を見ながら、無理のないペースで進めていくことが大切です。
3.慣らし保育で保育士が気をつけたいポイント
・子どもの情報を事前に確認する
慣らし保育を始める前に、入園前の面談を行います。
その中で家庭のことや子どものことをしっかり把握しておきましょう。
子どもの生活リズムや性格、好きな遊びなどを事前に確認しておきましょう。
家庭での様子を知っておくことで、子どもが安心できる関わりにつながります。
例えば「抱っこが好き」「お気に入りのぬいぐるみがある」「人見知りをしやすい」など、
ちょっとした情報も慣らし保育でのヒントになります。
・当日の健康状態を確認する
慣らし保育の期間は、子どもにとって環境の変化が大きく、体調を崩しやすい時期でもあります。
登園時には表情や機嫌、体温、食欲などを確認し、その日の体調に合わせて過ごします。
特に乳児クラスでは、睡眠時間や朝食の様子・ミルクの時間など、家庭での状況も大切な情報です。
当日は保護者からの聞き取りを丁寧に行いながら、子どもの様子に合わせた保育を心がけましょう。
・保護者とのコミュニケーション
慣らし保育の期間は、保護者にとっても不安が大きい時期です。
「今日はこんな遊びをしました」「少し泣きましたが、途中から笑顔も見られました」など、
園での様子を丁寧に伝えることで安心につながります。
子どもの小さな成長や頑張りを共有することは、とても大切なこと。
保護者と信頼関係を築きながら、子どもが安心して園生活に慣れていけるようサポートしていきましょうね。
4. 慣らし保育でよくある悩みと対応
慣らし保育の期間は、保育士も「どう関わっていくのがいいのかな…」と悩む場面が出てくると思います。
次は、慣らし保育の中でよく見られる悩みと、その関わり方のポイントを紹介しますね!
・毎日泣いてしまう
慣らし保育では、保護者と離れることが不安で毎日泣いて登園する子もたくさんいます。
保育園・幼稚園という新しい環境の中で、戸惑いや寂しさを感じるのは自然なことです。
無理に泣き止ませようとするのではなく、「寂しいね」「お母さんに会いたいね」と気持ちに寄り添うことが大切。
抱っこをしたり好きな遊びに誘ったりしながら、少しずつ安心できる時間を増やしていきましょうね。
なかには、こっちが心配するほど根気強くずーっと泣いている子もいます。
でも大丈夫。必ず園の楽しさを見出すタイミングが出てきますよ。
point!
子どもの気持ちを切り替えるために、効果アリだった関わりをご紹介します!
・お茶やお水を飲んで一息つく
・保育室の外に出て、園内を一緒に歩いてみる
・好きな歌や手遊び、絵本などで気を引いてみる
また、年齢によって関わり方を少し工夫することも効果的です。
幼児クラスでは「これから何をするのか」を伝えて活動に見通しを持たせると安心しやすくなります。
乳児クラスでは、最初は無理に顔をのぞき込まず抱っこで安心感を伝えたり、おもちゃで気を引いたりしながら、少しずつ様子を見ていきましょう。
・慣れてきた頃に「行きたくない」と言い出す
最初は元気に登園していた子が、数日たってから急に「行きたくない」と言い出すこともあります。
これは、新しい環境で頑張っていた緊張が少しずつとけて表に出てくるためです。
新人保育士さんの中には「昨日は楽しそうだったのに…」と戸惑うこともあると思います。
でも、それは子どもなりに環境に適応しようと頑張っている証でもあります。
焦らず気持ちを受け止めながら、安心して過ごせる関わりを続けていきましょう。
・保護者が不安を感じている
慣らし保育の期間は、子どもだけでなく保護者にとっても不安の大きい時期です。
はじめて誰かに我が子を預ける保護者は、涙を流して預けていくこともあります。
慣らし保育は、保護者にとっても慣らし期間。
子どもの頑張る姿を一緒に見守る気持ちで、
保護者にも寄り添ってコミュニケーションを大切にしていきましょう。
園での様子を丁寧に伝えたり、できたことや笑顔の瞬間を共有したりすることで、
保護者も少しずつ安心していきますよ。

こちらの記事では、大泣きする子どもの心理も解説しています↓
5. 子どもからも保護者からも信頼される保育士になろう
今回は、慣らし保育についてお話しました。
慣らし保育の期間は、子どもにとっても保護者にとっても大きな環境の変化がある時期です。
そんな時こそ、保育士の関わりがとても大切です。
いつもと同じ笑顔で「おはようございます!」と迎えることで、子どもも保護者も少しずつ安心していきます。
「お母さんも心配ですよね。でも大丈夫ですよ。今日の様子はお迎えの時にしっかりお伝えしますね。」と、
保護者の気持ちに寄り添いながら声をかけることも大切な支援のひとつ。
そして、慣らし保育を頑張っている子どもの姿や小さな成長を、保護者に伝えていきましょう。
日々の様子を共有することで、保護者の安心にもつながります。
慣らし保育は、子どもが園生活に慣れていくための時間であると同時に、保護者との信頼関係を築く大切なスタートでもあります。
新しい一年の始まりを、子ども・保護者・保育士みんなで温かく迎えていきたいですね。