「保育士は残業代が出ない」「持ち帰り仕事が当たり前」そんな声を見かけて、不安になっていませんか。実際のところ、残業代は法律で支払いが定められています。この記事では、保育士の残業をめぐる決まりと厚生労働省のデータ、そして就職前に労働時間を確認する方法をお伝えします。
この記事でわかること
- 保育士の残業代が「本来どう扱われるか」がわかる
- 保育士の「残業時間の平均」が手に入る
- 就職前に「労働時間を調べる方法」がわかる
1. 保育士の残業代が出ない?結論から解説
残業代は法律で支払いが定められており、本来は保育士も対象。
ただし、労働時間の考え方や給与の仕組みによって、支払われていないように感じる場面があります。
園の状況は、それぞれ異なります。
だからこそ、不安を抱えたままにせず仕組みを知ることが第一歩になりますよ。
・保育士の残業代は本来どう扱われる?労働基準法の決まり
まずは法律の決まりから確認しましょう。
法律の決まり
- 法定労働時間は原則1日8時間・週40時間(労働基準法第32条)
- これを超えて働いた時間には割増賃金の支払いが必要(同第37条)
- 法定時間外労働の割増率は原則25%以上(休日・深夜労働などでは異なる)
保育士も一般の労働者と同じように、この決まりが適用されます。
「保育の仕事だから特別」はありません。
働いた分の残業代が支払われない状態が続いていれば、法律に反する可能性があります。
知っておくだけで、求人票の見え方が変わりますよ。
・保育士はサービス残業が当たり前?残業代が出ないと言われる4つの理由
では、なぜ「出ない」の声が生まれるのでしょうか。
4つの理由
- 固定残業代(みなし残業)が給与に含まれている
- 変形労働時間制が採用され、日や週によって所定労働時間が異なる
- 持ち帰り仕事が労働時間として記録に残りにくい
- 定時後の作業を自主的なものと捉え、申告していない
固定残業代とは、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う仕組みです。
設定された時間を超えて時間外労働をした場合は、超過分の残業代が別途支払われます。
変形労働時間制とは、一定期間を平均して法定労働時間内になるよう、日や週ごとの労働時間を調整する仕組みです。
どちらも法律で認められた仕組みで、支払われていないように見えるだけの場合もあります。
制度を知らないまま働くと、すれ違いが生まれやすくなるわけです。
2. 保育士の残業時間は平均どのくらい?厚生労働省のデータで確認
実際のところ、どのくらい残業しているのか気になりますよね。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、職種ごとの所定内実労働時間と超過実労働時間が掲載されています。
所定内実労働時間は契約で決められた時間のうち実際に働いた時間、超過実労働時間はそれを超えて働いた時間を指します。
もちろん、保育士の数字も確認できます。
次で具体的に見ていきましょう。
・保育士の残業時間の平均と、統計に表れない部分
令和5年の調査では、保育士の所定内実労働時間は月167時間、超過実労働時間は月3時間でした(企業規模計10人以上)。
「思ったより少ない」と感じた人もいるのではないでしょうか。
ここで押さえたいのが、統計に表れない部分。
超過実労働時間は残業代が支払われた分が中心で、持ち帰り仕事や記録に残っていない時間は含まれていない可能性があります。
数字は、全体の傾向をつかむためのもの。
園や時期によって幅があるため、平均は参考にしつつ、求人票や園見学で確かめましょう。
労働時間の全体像を知りたい方は、こちらもご覧ください。
・保育士の残業内容|書類・行事準備・お迎え対応
どんな仕事で残業が生まれるのかも知っておきましょう。
残業が出る場面
- 日誌、指導案、連絡帳などの書類作成
- 行事の準備や製作物づくり
- 延長保育や、お迎えが遅くなったときの対応
- 職員会議や打ち合わせ
行事のあとには、写真の整理やおたよりづくりも重なります。
時期による波もあります。
行事前や年度の変わり目は、どうしても仕事が集中しやすい時期。
一年の流れをイメージしておくと、就職後もあわてずにすみますよ。
忙しい時期の見通しは、こちらの記事で確認できます。
3. 保育士の持ち帰り仕事・サービス残業は当たり前なの?
「当たり前」の言葉だけが、ひとり歩きしている面もあります。
持ち帰り仕事をしている人がいるのは事実。
ただし、それが正しい状態とはいえません。
園の取り組みは年々変わってきており、ICTの導入で書類作成の負担を減らす動きも広がっています。
ICTとは、パソコンやタブレットで記録や連絡を行う仕組みのこと。
ここで、持ち帰り仕事の扱いを整理しておきましょう。
園から指示された場合や、持ち帰らざるを得ない状況だった場合など、使用者の指揮命令下で行ったと判断される仕事は、労働時間に該当する可能性があります。
そのうえで、労働時間が法定の時間を超えていれば、割増賃金の対象になります。
とはいえ、判断に迷う場面もあるはずです。
就職後は一人で抱え込まず、先輩や園に確認する姿勢をもちましょう。
確認する行動そのものが、自分の働き方を守ることにつながります。
4. 保育士の残業時間の調べ方|求人票で確認したいポイント
不安を抱えたままにしなくても、就職前に自分で確かめられることがあります。
園によって状況が異なるからこそ、確認する姿勢が自分を守る力になりますよ。
求人票の確認点
- 所定労働時間と休憩時間の記載
- 固定残業代の有無と、含まれる時間数
- 時間外労働の平均時間の記載があるか
- ICTシステムの導入に触れられているか
園見学や面接では、こんな聞き方ができます。
質問の例
- 「書類はどの時間帯に書くことが多いですか」
- 「行事前は、どのように準備を進めていますか」
園を疑うための質問ではありません。
自分に合う環境かを知るための質問です。
求人票だけでわからないときは、園見学で直接確かめるのが確実です。
働き方を具体的に聞ける学生は、それだけ意欲も伝わりますよ。
5. 正しく知ることが、自分の働き方を守る力になる
ポイントまとめ
- 残業代は法律で支払いが定められ、保育士も対象になる
- 平均は参考にしつつ、園ごとの差は自分で確かめる
- 求人票と園見学で、労働時間を具体的に確認する
「出ないのが当たり前」ではありません。
仕組みを知れば、同じ求人票でも見え方が変わります。
制度を知っておけば、漠然とした不安ではなく具体的な質問として確認できますよ。
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気になることを一つずつ確かめながら、自分に合う園を探してみましょう。