秋は、りんごやなし、ぶどう、柿など、おいしい果物が旬を迎える季節です。色や形、香り、味など果物には子どもたちが楽しみながら食に興味をもつきっかけが多く、食育にぴったりの食材です。今回は、給食やおやつの時間にも取り入れやすい、秋の果物を使った簡単な食育アイデアをご紹介します。
1.秋の果物は食育にぴったり!
秋といえば「食欲の秋」ですね。
保育園でも、旬の果物を取り入れることで、子どもたちが楽しみながら食べ物に興味を持つきっかけをつくれます。
秋の果物は、色や形、香り、手触り、味や食感など、それぞれに違いがあります。
たとえば、
・「りんごは何色かな?」
・「なしは皮がザラザラしているね」
・「ぶどうはどんなにおいがする?」
・「かきはやわらかい?かたい?」
など、子どもたちと会話を楽しみながら観察してみましょう。
「食べる」だけでなく、食べる前の体験も大切な食育です。
2.秋の果物4つを栄養士が解説
◆りんご|食物繊維やカリウムを含む
➀旬・特徴
りんごは、秋から冬にかけておいしい季節を迎える果物です。赤色だけでなく、黄色や緑色のりんごもあります。
②主な栄養素
りんごには、おなかの調子を整える食物繊維や、体の中の余計なものを外に出すのを助けるカリウムなどが含まれています。
③子どもに伝えられる豆知識
「りんごは赤い」というイメージがありますが、黄色や緑色の品種もあります。甘さや酸味、シャキシャキとした食感も、品種によってさまざまです。
◆なし|シャキシャキとした食感が特徴
➀旬・特徴
なしは、夏の終わりから秋にかけて旬を迎える果物です。みずみずしく、シャキシャキとした食感が大きな特徴です。
②主な栄養素
なしには、おなかの調子を整える食物繊維や、体の調子を整えるのに役立つカリウムなどが含まれています。また、水分も多く含んでいます。
③子どもに伝えられる豆知識
なしには「日本なし」や「西洋なし」などがあります。日本なしはシャキシャキとした食感、西洋なしは熟すとやわらかく、とろりとした食感になるなど、それぞれ特徴があります。
◆ぶどう|色や品種が豊富な果物
➀旬・特徴
ぶどうは、夏から秋にかけて旬を迎える果物です。粒の大きさや色、甘み、香りなどが異なるさまざまな品種があります。
②主な栄養素
ぶどうには、体を動かすためのエネルギーになる糖質や、体の調子を整えるのに役立つカリウムなどが含まれています。
③子どもに伝えられる豆知識
ぶどうには、紫色だけでなく、緑色や赤色のものもあります。皮ごと食べられるものや、種の有無など、品種によってさまざまな特徴があります。
◆かき|秋を代表する果物
➀旬・特徴
かきは、秋に旬を迎える日本を代表する果物の一つです。甘がきや渋がきなどさまざまな種類があります。
②主な栄養素
かきには、体の調子を整えるのに役立つビタミンCや体の中の余分なものを外に出すのを助けるカリウム、おなかの調子を整える食物繊維などが含まれています。
③子どもに伝えられる豆知識
かきには、甘いものだけでなく渋みのある種類もあります。同じ「かき」でも種類によって味が違うのがおもしろいところです。
3.見て・触って・味わう!簡単食育アイデア
◆「どんな色・かたち?」観察してみよう
まずは、果物をよく見てみましょう。
「何色かな?」「丸い?細長い?」「大きいね、小さいね」など子どもたちと一緒に観察します。
りんごやなし、かきなど、同じ果物でも色や形は少しずつ違います。
実物をじっくり見ることで、普段何気なく食べている果物にも興味を持つきっかけになります。
「どこが同じかな?」「どこが違うかな?」と問いかけながら、子どもたちの発見を引き出しましょう。
◆「どんな手ざわり?」触って比べてみよう
次は、実際に果物を触ってみましょう。
「りんごはつるつるしているね」「なしはザラザラしているね」「ぶどうはどんな感じかな?」など、触ったときの感触を言葉にしてみます。
大きさや重さ、皮の硬さなども果物によって違います。
実際に触れて比べることで、果物のさまざまな特徴に気づくことができます。
◆「どんなにおい?」香りを感じてみよう
次は、果物の香りを感じてみましょう。
皮をむく前とむいた後で香りを比べてみるのもおすすめです。
「甘い匂いがする!」「いい匂いだね」「こっちはどんな匂いかな?」など、子どもたちが感じたことを自由に話してもらいましょう。
香りを意識することで、食べる前から果物への興味を引き出すことができます。
◆「どんな味・食感?」食べてみよう
触ったり香りを感じた後は、実際に味わってみましょう。
「甘い」「酸っぱい」「シャキシャキしている」「やわらかい」など味や食感について感じたことを言葉にします。
「りんごとなしどっちが硬いかな?」など2種類の果物を比べてみるのも楽しいですね。
4.安心して秋の果物を楽しむためのポイント
果物は身近な食材ですが、形や硬さによっては誤嚥・窒息につながることがあります。
子どもの発達に合わせて、安全に提供しましょう。
➀年齢・発達に合わせた形や大きさで提供する
年齢だけで判断せず、子どもの噛む・飲み込む力などに合わせて、形や大きさを調整しましょう。
特にぶどうは、丸くつるっとしていて窒息につながる可能性があります。
こども家庭庁では、教育・保育施設で提供する際は4等分して形や大きさを変え、口内に残る皮も取り除くなどの工夫が示されています。
また、りんごやなしも、硬さや切り方によっては詰まりやすいため、子どもの発達に合わせて提供方法を工夫しましょう。
②種・皮・硬さなどを確認する
提供前に、種や皮が残っていないか、子どもが無理なく噛める硬さかを確認しましょう。
子どもの発達に合わせて安全な形態で提供しましょう
③アレルギーや衛生面にも配慮する
子どものアレルギーの有無や対応方法を確認したうえで提供しましょう。
また、果物に痛み や変色がないかを確認し、調理・配膳時の衛生管理にも注意します。
「あわてて食べない・ゆとりをもつ」食べることを急かさないようにしましょう
5.身近な果物から秋の食育を楽しもう
食育というと特別な準備が必要に思えますが、給食やおやつに出てくる果物を活用すれば、気軽に取り組むことができます。
「今日の果物な何かな?」と観察することから始めて、触ったり、香りを感じたり、味わったりと五感を使った体験は、子どもたちの「食べてみたい」「もっと知りたい」という気持ちにもつながります。
秋ならではの果物を身近な教材として取り入れ、子どもたちと一緒に季節の味覚を楽しんでみてください。