「幼稚園の先生って給料が安いって聞くけど、本当に食べていけるの?」そんな不安を抱く保育学生さんへ。この記事では幼稚園教諭の"年収"を年代・地域・公立・私立ごとに徹底解説します。この記事を読めば、自分に合った働き方と将来設計がクリアになりますよ。
1.幼稚園教諭の給料は安いって本当?手取り・初任給を実例つきで解説!
「幼稚園の先生は給料が安い」
そんな話を聞いて、不安になっていませんか?
夢はあるけど、生活や奨学金の返済が心配…そんな声をよく耳にします。
でも、実際のところはどうなのでしょうか?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、幼稚園教諭の平均年収は約391万円。
これを月収に換算すると、所定内給与(基本給に近い部分)は約26万7,200円です。
新卒の初任給は15~16万円からスタートすることが多く、手取りにすると額面の75~85%程度。
つまり、初任給16万円なら手取りは12~13.6万円くらいになります。
「やっぱり少ない…」と感じるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください!保育士と比較してみましょう。
| 項目 |
幼稚園教諭 |
保育士 |
| 平均月収(所定内給与) |
約267,200円 |
約264,400円 |
| 年間賞与(目安) |
約60〜80万円 |
約40〜70万円 |
| 年収(総額) |
約370万〜400万円 |
約350万〜390万円 |
実は、幼稚園教諭の方が保育士より年収が高い傾向にあるんです!
さらに、これはあくまで平均値。
公立園で働けば安定した昇給が見込めます。
私立園でも給与アップのための特別な手当である処遇改善加算やキャリアアップで収入を増やすことは十分可能。
参考:e-Stat 政府統計の総合窓口|賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 標本誤差率
参考:総務省:初任給基準関係調査
2.幼稚園教諭は公立と私立で年収はどう違う?
公立園と私立園、どちらを選ぶかで年収は大きく変わってきます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
・公立園の魅力は「安定」
公立園で働く幼稚園教諭は地方公務員。
つまり、公務員としての待遇が受けられるんです!
初任給は18〜20万円と私立園より高めですし、年賞与は約4.4ヶ月分。
さらに注目すべきは、安定した昇給システム。
20代で350万円からスタートし、50代では700万円を超えることも珍しくありません。
退職金も勤続35年で約2,000万円と、老後の安心感も段違いです。
・私立園の魅力は「柔軟性」
一方、私立園は園によって給与体系がさまざま。
初任給は16〜22万円と幅がありますが、優良園なら公立を上回ることも。
年賞与は2〜4ヶ月と園によって差がありますが、処遇改善加算や独自の手当で差別化を図る園が増えています。
| 比較項目 |
公立 |
私立 |
| 初任給 |
18〜20万円 |
16〜22万円 |
| 年賞与 |
約4.4ヶ月 |
2〜4ヶ月 |
| 30代平均年収 |
450〜550万 |
380〜500万 |
公立は安定・私立は園によって差が大きいのが特徴。
あなたはどっち派?
- 安定・将来設計を重視するなら → 公立園
- やりがいや園ごとの個性を大切にしたいなら → 私立園
安定を求めるなら公立、やりがいや独自性を求めるなら私立の選択もありですね。
3.20代幼稚園教諭の年収と一人暮らしの現実
20代の幼稚園教諭が一番気になるのは「実際に一人暮らしできるのか?」とのことではないでしょうか?
具体的なお給料と生活費で見ていきましょう。
・東京一人暮らしのリアル家計簿【手取り15万円】
大手不動産会社によると新卒で手取り15万円の場合、東京での一人暮らしはこんな感じになります。
手取り15万円の内訳
- 家賃:6万円(ワンルーム、駅徒歩10分)
- 食費:3万円(自炊中心)
- 光熱費:1万円
- 通信費:4,000円(格安SIM)
- 日用品・交際費:1.8万円
- 残り:3.8万円
「正直ギリギリかも…」と感じるかもしれません。
でも、多くの園では家賃補助制度があります。
東京都なら最大8.2万円の補助も!
家賃補助2万円があれば、月4万円以上の余裕が生まれます。
・地方都市パターン:家賃4万円なら貯金可能
仙台や福岡など地方都市なら、家賃は4万円程度。
東京と比べて2.5万円も固定費が下がります。
車通勤でもガソリン代月5,000円程度なら十分やりくり可能。
月6万円の黒字も夢じゃありません。
地方は寒冷地手当や通勤手当が手厚い自治体も多く、意外とお得かもしれませんよ。
・実家暮らしで年間60万円貯める
実家暮らしなら、家に生活費3万円を入れても月7万円が自由に使えます。
ボーナスの7割を先取り貯金すれば、1年目から60万円の貯蓄も可能!
実家を拠点に2年間で150万円貯めて、都市部へ転職するキャリアプランもありですね。
参考:こども家庭庁|令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査
4. 奨学金を返済しながら生活は可能?
「幼稚園教諭になりたいけど、奨学金の返済が心配…」そんな声をよく聞きます。
でも安心してください。手取り15万円前後でも、生活を工夫すれば返済は十分可能です。
・モデルケース:第二種奨学金(月8万円×4年)を借りた場合
| 項目 |
内容 |
| 借入総額 |
384万円(8万円×48ヶ月) |
| 返済期間 |
20年(240回) |
| 月々の返済額 |
約16,000円 |
| 初任給(手取り) |
約150,000円 |
| 返済後の手取り |
約134,000円 |
実家暮らしであれば月7万円以上を自由に使え、貯金も可能。
一人暮らしでも家賃補助(例:月2万円)を活用すれば、月10万円前後の生活費が確保できます。
・万が一、返済が厳しくなったら?
「生活がカツカツで、毎月の返済が正直つらい…」そんなときは、一人で抱え込まず、きちんと制度を活用することが大切。
日本学生支援機構では、収入や生活状況に応じて返済額を減らしたり、一時的に返済を止めたりする支援策が用意されています。
主な支援制度
- 減額返還制度:収入が一定以下の場合、返済額を1/2や1/3に減らせる
- 返還期限猶予制度:失業・病気などの理由で、一時的に返済をストップできる
- 保育士修学資金貸付制度:対象エリアで保育士として5年間働けば返済が全額免除
不安に思わず、まずは学校のキャリアセンターや奨学金相談窓口に相談してみましょう。
5. 幼稚園教諭・都道府県別年収ランキングTOP10と穴場エリア
「どこで働くか」も年収に大きく影響します。
都市部=高収入と思いがちですが、実は意外な県が上位にランクインしているんです!
ここでは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに、幼稚園教諭の平均年収が高い都道府県TOP10を紹介します。
| 順位 |
都道府県 |
年収(万円) |
| 1 |
千葉県 |
450.8 |
| 2 |
奈良県 |
443.1 |
| 3 |
岡山県 |
442.1 |
| 4 |
京都府 |
439.9 |
| 5 |
東京都 |
439.6 |
| 6 |
愛媛県 |
437.4 |
| 7 |
愛知県 |
436.7 |
| 8 |
神奈川県 |
433.6 |
| 9 |
北海道 |
432.7 |
| 10 |
兵庫県 |
432.5 |
1位は千葉県。
東京都のベッドタウンとして保育需要が高く、家賃や生活費が比較的抑えられるため、手元に残る金額も多くなります。
2位の奈良県や3位の岡山県は、都市部と比べて物価が低いことに加え、保育士確保のための給与支援や手当が手厚いのが特徴。
「年収以上に生活にゆとりが持てるエリア」として注目されています。
東京(5位)は家賃が高く「生活は大変そう」と感じるかもしれません。
しかし、最大8.2万円の家賃補助制度があるため、実質的な手取り額では全国トップクラスです。
また、地方では「穴場エリア」も存在します。
穴場エリア
- 島根県:UIターン支援金20万円の移住支援制度
- 北海道:寒冷地手当や住宅手当が手厚く、地方都市での暮らしやすさも魅力
このように、年収だけでなく「家賃補助」や「自治体の支援策」もふまえて就職エリアを選ぶと、同じ給与でも生活の満足度がぐっと高まります。
「どの園で働くか」だけでなく「どの地域で働くか」も、就活の戦略として見逃せないポイントですね。
参考:職業情報提供サイト(job tag)|幼稚園教員
6.幼稚園教諭が年収500万円を達成する5つの方法
保育・教育業界では、年収500万円を一つの目標にする人が多いです。
家庭を持っても安心して働けるラインとも言われています。
「年収500万円なんて夢のまた夢…」と思っていませんか?
実は、戦略次第で十分達成可能!
5つの具体的な方法を紹介します。
年収500万円を達成する5つの方法
- 公立管理職で給料アップ!
- 処遇改善加算で給料アップ!
- 認定こども園+W資格で給料アップ!
- インターナショナル園・英語力で給料アップ!
- 副業活用で収入アップ!
・公立管理職で給料アップ!
公立園なら、主任→副園長→園長と昇格することで確実に年収アップ。
管理職手当と地域手当を合わせれば、20年目以降は年収500万円を突破。
園長になれば700万円台も視野に入ります。
必要なのは、7〜10年で主任、その後2〜5年で副園長を目指すキャリアプラン。
昇任試験対策として、マネジメント研修の受講もおすすめです。
・処遇改善加算で給料アップ!
キャリアアップ研修を受講し、リーダー職以上を獲得すると、処遇改善加算を受けられます。
最大で月10万円、年収にして120万円アップも可能!
研修は勤務扱いの園を選べば、働きながら無理なくスキルアップできます。
・認定こども園+W資格で給料アップ!
幼稚園教諭一種免許と保育士資格の「Wライセンス」があれば、保育教諭として活躍できます。
基本給が3万円アップし、複数免許手当も5千〜1万円プラス。
認定こども園は求人倍率が高く、条件交渉もしやすいのが魅力です。
・インターナショナル園・英語力で給料アップ!
TOEICスコアが780点以上あれば、インターナショナル園で月給30万円スタートも!
バイリンガル保育のカリキュラム運営で手当3〜5万円、外資系なら賞与4〜6ヶ月と好待遇です。
・副業活用で収入アップ!
私立園で就業規則が許可していれば、副業も選択肢の一つ。
ベビーシッターなら時給1,800円、週10時間で月7〜8万円の収入アップが見込めます。
ただし、公立園は原則副業禁止なので注意が必要です。
7.よくある質問|幼稚園教諭の年収Q&A
ここでは、Google検索などでよく検索される幼稚園教諭の年収に関する疑問にお答えします。
など、気になる質問を一問一答形式で解決していきましょう!
Q. 幼稚園教諭のボーナスは何ヶ月分もらえる?
A.公立園は年間4.4ヶ月分、私立園は2.0〜4.0ヶ月分が相場です。
最近は私立園でも職員定着のために賞与を充実させる園が増えています。
Q. 幼稚園教諭は結婚・出産後も働き続けられる?
A.公立園は育休・時短勤務の制度が整っており、私立園も大手法人では産休代替職員が配置され安心して復帰できます。
Q. 幼稚園教諭の残業代はどれくらい?
A.公立園では残業代は全額支給され、私立園では固定残業制度を導入している園が多いです。
月10〜15時間が中央値といわれています。
Q. 就活で給料について聞くコツは?
A.「キャリアプランと待遇について教えてください」と質問するのが好印象です。
求人票の昇給・賞与欄も必ずチェックしましょう。
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況

8.幼稚園教諭の年収は努力次第で変えられる
ここまで、幼稚園教諭の年収について詳しく見てきました。
たしかに、平均年収391万円と見ると「やっぱり安い…」と感じるかもしれません。
でも、公立なら安定昇給で50代には700万円、私立でも処遇改善加算や昇進で500万円は十分可能です。
大切なのは、情報収集と自分に合った働き方を考えること。
「どんな園で働きたいか」
「どんなスキルを身につけたいか」
考えながら、自分に合った道を選んでいきましょう。
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きっと、あなたにぴったりの園が見つかるはず。
夢と現実のバランスを取りながら、自分らしい働き方を選んでいきましょう!