ニュースでもよく目にする子どもへの 虐待 。子どもの 虐待 は早期発見をすることが大切。いつも子ども達のそばにいる保育士さんは、子どもの異変に早く気付くことができます。今回は看護師の私から保育園で 虐待 の早期発見するために観察することをお伝えします。
1. 早期発見のために『 虐待 の種類』を理解する
虐待 は、子どもの成長を妨げるだけではなく、子ども達の心も傷つける行為。
絶対にあってはならないことです。
まずは、子どもへの 虐待 を見逃さないために 虐待 の種類を理解しておきましょう。
虐待 の種類
・身体的虐待
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせるなど。
・性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触るまたは触らせる、ポルノグラフィティの被写体にするなど。
・ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院へ連れて行かないなど。
・心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるうなど。
子どもの体にアザがある、不自然なケガがある場合は早い段階で 虐待 に気付くことができます。
ですが心理的虐待 を受けている場合、子ども達の行動や言動、表情や活気などのちょっとした変化に気を付けることが必要です。
2. 虐待 を見逃さない!保育士が観察するべきところ
保育園で 虐待 の早期発見をするため、保育士さんに観察してほしいことをお伝えします。
【着替えのときの全身状態】
子どもが身体的虐待 を受けている場合、服で隠れているところにアザやケガがある場合が多いです。(肩、背中、お尻、内ももなど)
保育園で子どもが着替えるときや、トイレの補助などの子どもが服を脱ぐタイミングに全身状態をみましょう。
また、暑い日にもかかわらず、長袖の服を着ている場合も注意が必要。
意図的にケガを服で隠している可能性もあるからです。
虐待 を受けている子どもの中には、着替えを極端に嫌がる場合もあります。
その場合も子どもからのSOSだと考えておきましょう。
【子どもの行動・言動】
虐待 を受けている子どもは、親からの愛情を十分に受けることができません。
そのため、保育士さんに極端に反抗したり、甘えたりすることがあります。
保育園での子どもの行動や言動のなかには、子ども達からのSOSが隠れていることが多いです。
虐待 を受けている子どもの特徴
・表情や反応が乏しく無表情なことが多い
・ボーっとすることが多く、活気がない
・おびえた表情をする(泣き方をする)
・食事やおもちゃ、保育士に対して極端に執着をする
・ひどく乱暴
・落ち着きがない
・情緒不安定
保育士さんがひとりで判断をすることはむずかしいので、
必ずほかの先輩や園長と情報を共有しましょう。
【子どもの清潔状態】
特にネグレクトを受けている子どもは清潔が保たれていないことが多いです。
清潔状態の観察
・何日も同じ服を着ている(汚れている)
・髪の毛を洗っておらず、フケが出ている
・お風呂に入れてもらえず、体臭がきつい
・季節にふさわしくない服を着ている
・保護者に指摘をしても、つめが伸びっぱなし
保育園でこのような状態の子どもがいたら、ネグレクトを受けている可能性もあるので、注意をしてください。
また清潔状態と一緒に、子どもの発育も観察をしましょう。
十分に食事ができていない場合、体重が極端に減っていることもあります。
【保護者の様子】
虐待 を受けている子どもからのSOSにはもちろん注意が必要です。
それと同じくらい、保護者の様子や言動も注意して観察しましょう。
保護者の状態
・子どもに無関心
・子どものケガに対して不自然な言い訳をする
・子どもを怒鳴りつけるのが当たり前
・連絡が取れないことが多い、お迎えにこない
・保育士に威圧的で、話をきかない
・情緒不安定
虐待 をしている保護者は孤独を感じていて、育児に悩んでいることが多いです。
保護者の不安や悩みに寄り添うことで、状況がかわることもあります。
新人保育士さんは、保護者とどのように関わったらいいのか分かりませんよね。
そんなときは、
園長や先輩に相談しましょう。
「 虐待 かも…」と感じたら
保育園で 虐待 が疑われる子どもがいたら、まずは一人で抱え込まないことが大切です。
そして、なぜ「 虐待かも…」と感じたのかをくわしく記録しておきましょう。
・日付
・子どもの様子や言動
・ケガをしている場合は、どこのケガをしているのか、ケガの範囲、どのようなケガか
・保護者の様子や言動
などをできるだけ詳しく記録しておきましょう。
児童相談所が介入する際、状況が把握しやすくなります。
虐待 は「不自然さ」や「違和感」を感じたときに発覚することが多いです。
子ども達のそばにいる保育士さんの「あれ?」という感覚が 虐待 の早期発見につながります。
子ども達が「先生は味方なんだ」と安心できるように関わってほしいと思っています。
虐待 を通告するというのは、保育士さんも抵抗がありますよね。
ですが、子どもの命や心を守るために早めに対応することも大切です。
虐待 の早期発見のためにも、気になったことは保育園全体で共有して、子ども達を守っていきましょうね。