最近のニュースでよく耳にする「 マイコプラズマ肺炎 」。子どもに多く見られる肺炎です。保育園でも感染対策をしっかりとする必要があります。今回の記事では、看護師の私から、 マイコプラズマ肺炎 について簡単に解説をします。保育士さんも十分注意しましょう。
1. マイコプラズマ肺炎 とは?
保育士のみなさん、 マイコプラズマ肺炎 を知っていますか?
最近、感染者数が増えてきており、ニュースでよく耳にする病気です。
2024年は、2020~2023年と比較して、 マイコプラズマ肺炎 の発生の増加が報告されています。
マイコプラズマ肺炎 は、子どもや若い人の肺炎の原因として、比較的多いもののひとつ。
患者の80%が14歳以下の子どもです。
感染を拡大させないために、保育園でもしっかりと感染対策をしていきましょうね。
まずは、 マイコプラズマ肺炎 について簡単に解説をします。
マイコプラズマ肺炎 とは?
・「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症
・ マイコプラズマ肺炎 は一年を通して見られ、とくに秋冬に増加する傾向がある
・潜伏期間が2~3週間と長い
主な症状
・発熱
・倦怠感(だるさ)
・頭痛
・咳(少し遅れて出始める)
・鼻水は少ない
・解熱後でも咳が3~4週間続く
・一般的に小児の方が軽症であることが多い
・気管支で済むことが多いが、肺炎になることもある
治療法
・抗菌薬の使用
・重症化してしまった場合は入院が必要
マイコプラズマ肺炎 の特徴は、発熱のあとに咳が出て長引くこと。
そして、咳は痰を伴わない、空咳(乾いた咳)が出ます。
初めは、風邪とよく似た症状なので、区別がつきにくいですが、保育園でずっと乾いた咳をしている子どもがいたら、 マイコプラズマ肺炎 の可能性があるので注意しましょう。
風邪はウイルス感染なのに対し、 マイコプラズマ肺炎 は細菌感染なので、抗菌薬での治療が必要です。
適切な治療をするために、保護者にも協力をしてもらい、小児科を受診してもらいましょう。
2. 保育園での感染対策
つぎに、保育園でできる感染対策について、具体的にお伝えします。
感染拡大を最小限にするために、保育士さんに身に付けてもらいたいと思います。
【手洗い・うがいをする】
感染対策の基本となる、手洗い・うがいをしっかりと行いましょう。
正しい手洗いの方法については、こちらの動画を参考にしてくださいね♪
保育園にはたくさんの子どもがいるので、あまり時間をかけていられないかも知れません。
でも、一人ひとりがていねいに手洗い・うがいをすることで感染のリスクが下がります。
もし時間がなく、うがいがむずかしい時は、こまめに水分補給をしましょう!
口の中が乾燥することで、ウイルスや細菌が侵入するリスクが高まるので、水分補給もとても大事です。
【タオルなどの共用を避ける】
マイコプラズマ肺炎 の感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
個人でタオルやコップを持ってきている保育園がほとんどだと思いますが、子ども達が間違えてお友達のものを使わないように、十分注意をしていきましょう。
ポイント!
・一人ひとり手拭きタオルの場所を決める(収納場所に名前や目印になるマークを付ける)
・「コップを使ったらすぐに片付けようね。」と声掛けをする
また、お昼寝用の寝具も間違えないように、保育士さんは気を付けましょうね。
【保育園の衛生管理をしっかりとする】
保育室、トイレ、手洗い場、園庭の衛生管理をしっかりと行いましょう。
登園前、登園後の掃除に加え、保育室の換気や温度、湿度の管理を行うことで、感染拡大を予防することにつながります。
保育園の衛生管理については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
正しい知識を身に付けて、感染予防をしよう!
今回は看護師の私から、 マイコプラズマ肺炎 についてと、保育園でできる感染対策についてお伝えしました。
マイコプラズマ肺炎 は、子どもに多く見られる病気ですが、大人にも感染します。
保育士さん自身の身を守るためにも、しっかりと感染対策をしていきましょうね。
また、 マイコプラズマ肺炎 は、比較的軽症で済むことが多いですが、まれに中耳炎や、胸膜炎、髄膜炎などのこわい病気につながることもあります。
ずっと咳が止まらない子どもがいたら、保育園での様子をくわしく説明し、保護者に受診をしてもらうようにしましょう。
保育園でできる感染対策をして、元気に楽しく子ども達と過ごしましょうね。