今さら聞けない『 10の姿 』って何?2018年に幼児教育に関する指針の改正があり、『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』= 10の姿 が保育・幼児教育においての共通指針として示されました。今回はこの『 10の姿 』について簡単解説します。
1. 10の姿 について簡単解説!
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今回のテーマは『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿= 10の姿 』について。
2018年に「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園 教育・保育要領」が改訂され、
保育・幼児教育に関する共通の目標として、
『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』( 10の姿 )が示されました。
これは、それぞれの施設において3歳以降は同じ幼児教育としての機能があることから、
小学校生活にスムーズに移行できるよう共通の認識を持って保育するためのものです。
2.幼児期の終わりまでに育ってほしい姿とは?
『 10の姿 』は、5領域のねらいや内容をもとに、
幼児期の終わりまでに育みたい具体的な姿として示したもの。
位置付けとしては、
あくまでも幼児期の終わり(就学前)までの『育ちの目安』であり、
子ども全員が絶対に身に付けなければならない訳ではありません。
『 10の姿 』を視野に入れながら保育の方向性を考え、組み立ていくと良いでしょう。
幼児期の終わりまでに育ってほしい 10の姿 の具体例を簡単にまとめました。
【健康な心と体】
こんな姿!
・生活の中で意欲的に活動する
・生活の中で充実感を味わう
・見通しをもって行動しようとする
子どもが安心してのびのび過ごせる環境を作ることが大切です。
基本的生活習慣や自ら考えて行動する力を身につけていけると、子どもの自信となります。
【自立心】
こんな姿!
・やるべきことを理解して自ら取り組もうとする
・困ったときは解決方法を考える
・諦めない心や自信を持って取組もうとする
自分でやろうとする姿を十分認めると共に、
子どもが自分で考える機会を多く作っていきましょう。
保育士の『見守る姿勢』が大切になります。
【協同性】
こんな姿!
・相手の考えや思いを受け止める
・お互いに協力して目標を達成しようとする
生活の中でお互いの考えを聞く機会を多く作ったり、
みんなで一つのものを作り上げるような活動を取り入れたりすると良いでしょう。
【道徳性・規範意識の芽生え】
こんな姿!
・決まり事や善悪を理解して守ろうとする
・お互いの思いを伝え合い折り合いをつけようとする
社会的に必要な生活のルールは、生活の中で繰り返し丁寧に伝えていきましょう。
遊びを組み立てる上で、子ども達自身で話し合ってルール決めをする経験も大切です。
【社会生活との関わり】
こんな姿!
・身近な人との関わりを通して親しみをもつ
・園内外の経験や体験を生活や遊びに取り入れようとする
子ども達にとっての身近な世界は家庭や園生活にありますが、
それ以外の社会との関わりも子どもの成長には重要です。
園外保育で地域社会と関わる機会をもうけたり、ルールやマナーも伝えていきましょう。
【思考力の芽生え】
こんな姿!
・物事の性質や仕組みに興味を持つ
・考えて工夫したり展開を予想したりすることを楽しむ
身の回りの物事に対して「面白い!」と感じたり、
「なぜ?」という疑問をもったりすることが思考力につながっていきます。
一緒になって「なんでかな?」と探求していく姿勢が大切です。
【自然との関わり・生命尊重】
こんな姿!
・自然の不思議を発見したり疑問を持ったりする
・植物や動物との関わりを通して命の大切さを感じる
実際に見たり触れたりすることでしか感じられない感動や発見があります。
保育の中で自然や動植物に触れる機会を作っていきましょう。
【数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚】
こんな姿!
・数、量、形や文字などに興味持ち生活や遊びの中で使おうとする
生活や遊びの中で数を数えたり色々な形に触れたりすることで、
子ども達は自然と覚えていくと思います。
楽しみながら知識を深めていけることが大切です。
【言葉による伝え合い】
こんな姿!
・絵本やお話に親しみをもつ
・色々な言葉や言い回しを覚え周りの人と会話を楽しむ
身近な絵本やお話を通して様々な言葉に触れる機会を作りましょう。
会話の中では必要に応じて保育士が代弁しながら、
子どもが自らの思いを言葉で表現できるよう援助することが大切です。
【豊かな感性と表現】
こんな姿!
・音楽や劇、美術などの芸術に触れ興味を持つ
・経験や体験をもとに自分なりに考えたり想像したりして表現する
保育の中で色々な芸術に触れる機会を作り、
子ども達の想像力や表現力を伸ばしていきましょう。
ままごとなど子どもが表現遊びを楽しめるような環境作りも大切です。
参考:文部科学省HP 幼稚園教育パンフレット(※幼児期の終わりまでに育ってほしい姿)
3. 10の姿 は日頃の保育の中で育つ
いかがでしたか?
今回は『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿= 10の姿 』を簡単にまとめました。
10の姿 は、特別な保育をしなくては身に付かない訳ではありません。
今までもやってきた保育の延長線上に 10の姿 はあり、
多くの子ども達は生活の中で自然と身につけていっていると思います。
最初に解説した通り、これはあくまでも育ちの目安を具体的に表したもの。
子ども一人ひとりの姿を捉える時に 10の姿 を振り返りつつ、
援助の方向性を決めていけると良いと思います。
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