今年は1年を通して インフルエンザ が流行しています。学級閉鎖をしていた保育園も多いのではないでしょうか。これからの寒い季節、さらに インフルエンザ にかかる子どもが増えると思います。保育園でできる インフルエンザ の感染拡大の予防法を看護師の私から解説します。
1. インフルエンザ の症状と感染経路
例年では11~12月に流行り始めて、1~3月に感染のピークとなる インフルエンザ 。
2023年は、1年を通してずっと流行していてニュースにもなっていました。
季節外れの インフルエンザ に悩まされる保育園もあったのではないでしょうか。
保育園でも インフルエンザ の感染拡大を予防するために注意していきましょうね。
まずは インフルエンザ の症状と感染経路を理解しておきましょう!
インフルエンザ の症状
・38.0℃以上の発熱
・咳
・鼻水
・のどの痛み
・関節痛
・筋肉痛
・頭痛
・体のだるさ
感染経路
・飛沫感染…咳やくしゃみを吸い込むことによる感染
・接触感染…ツバや鼻水に触れてしまい、鼻や口、目などの粘膜を触れることによる感染
インフルエンザ はウイルスの種類が多いため、一度かかったとしても違うインフルエンザウイルスに感染すれば再度発症します。
保育園でも繰り返し インフルエンザ に感染する子どももいるので、十分注意しましょうね。
2.保育園で インフルエンザ の感染拡大を予防するには?
つぎに具体的に保育園でできる感染拡大の予防法を解説します。
保育園での感染対策に役立ててくださいね。
【視診】
保育中はしっかりと子どもの様子を見ていきましょう。
登園時は元気でも、 インフルエンザ の場合は急に症状が出るのが特徴です。
視診のポイント
・活気
・顔色
・咳や鼻水が出ていないか
・普段と比べて食事量は減っていないか
・下痢などはしていないか
インフルエンザ の早期発見には、保育士さんの「何かいつもと違うな…」という感覚がとても大事です。
元気がないな…
いつもより食欲がないな…
と感じたら、まずは体温測定をしてみましょう。
【保育園内の衛生管理】
インフルエンザ は接触感染でも発症します。
集団生活をする保育園全体を清潔にする必要があります。
インフルエンザ が流行する時期は、保育園の衛生管理をしっかりと行いましょう!
衛生管理のポイント
・常時換気、または30分に一度、5分程度の換気をする
・掃除と消毒
・温度・湿度の調整(冬は室温を20~23℃、湿度を60%にする)
インフルエンザウイルスには塩素系消毒液、70%以上の濃度のアルコールが有効です。
ドアノブや電気のスイッチなども忘れずに消毒をしましょうね。
また、湿度を60%に保つことで、感染しづらくなります。
加湿器などを使用して、湿度も確認していきましょう。
ほかにも、トイレや園庭などの衛生管理をしていきましょうね。
衛生管理をしっかりとすることで、感染拡大を予防することができます。
【手洗い・うがいをする】
インフルエンザウイルスを保育園に持ち込まないことも大切です。
子ども達だけでなく、保育士さんもしっかりと手洗いうがいをしていきましょう!
衛生的な手洗い方法
①流水で手を洗う
②洗浄剤を手に取る
③手のひら、指の腹を洗う
④手の甲、指の背を洗う
⑤指の間、付け根を洗う
⑥親指と親指の付け根を洗う
⑦指先を洗う
⑧手首を洗う
⑨洗浄剤を十分な流水で流す
⑩手を拭き乾燥させる
⑪アルコール消毒
保育園にはたくさんの子ども達がいるので、ていねいに手洗いをさせるのはとても大変だと思いますが、できるだけしっかりと手洗いをしていきましょう。
3.保育園で症状が出たら?
保育園で、発熱して インフルエンザ と疑われる症状が見られた場合の対応をお伝えします。
保育園での対応
・検温をして37.5℃以上あれば保護者に連絡
・発熱以外の症状を確認する
・別室で休ませる
・水分補給をしっかりとさせる
保護者がお迎えに来るまでは、子どもの様子をしっかりと観察しましょう。
インフルエンザは大人にもうつるので、保育士さん自身の感染対策もしてくださいね。
4. インフルエンザ の感染拡大を予防しよう!
今回は、看護師の私から インフルエンザ の感染拡大の予防法をお伝えしました。
インフルエンザ は子ども達はもちろん、保育士さんにもうつる可能性が高い感染症です。
保育園での感染対策はとても大事ですが、保育士さんが インフルエンザ にならないように気を付けることも大切です。
そのためにも、規則正しい生活を意識していきましょうね。
インフルエンザ の感染拡大を最小限におさえて、寒い冬を乗り越えましょうね!