夏になると保育園では楽しいプール遊びが始まりますね。とても楽しいプール遊びですが、キケンなことがたくさん。重大な事故をさけるために、今回の記事では看護師から保育士のみなさんへ、 プール遊びのときの 健康観察 と注意点を解説します。
1. プール遊びの前の 健康観察 のポイント
夏の楽しみといえばプール遊び!
そんな楽しいプール遊びですが、たくさんのキケンととなり合わせ。
いつも以上に保育士さんも子ども達をしっかりと見守る必要があります。
まずはプール遊びをする前の子ども達の 健康観察 のポイントをおぼえておきましょう。
健康観察 のポイント
・発熱はないか
・咳や鼻水は出ていないか
・顔色はわるくないか
・下痢や嘔吐の症状はないか
・目の充血、目やにはないか
・発疹や水ぶくれはないか
・元気はあるか
体調が悪いと思わぬ事故につながります。
保護者にも協力をしてもらい、家での様子も聞いておきましょう。
体調がすぐれないときは無理をせず、プール遊びをお休みしましょう。
注意したい皮膚の病気
・とびひ…滲出液や水ぶくれが破れることで、うつります。
プールの水でうつることはありませんが、触れることで悪化したり、ほかの子ども達 にうつることがあるので、治るまでは禁止
・水いぼ…プールの水ではうつらないので入ってもOK
ただし、タオルや浮き輪、ビート板などを介してうつるので共用はさけましょう。
プールから出たらシャワーできれいに流しましょう。
・アタマジラミ…治療を開始していれば、プールに入ってもOK
ただし、タオルやヘアブラシ、水泳帽の貸し借りはやめましょう。
・疥癬(かいせん)…治療を開始していれば、プールに入ってもOK
肌と肌かいせんうつります。まれに衣類、タオル、寝具などでうつることがありますが、プールの水でうつることはありません。
角化型疥癬(かっかがたかいせん)の場合は感染力が高いので、外出を控える必要があります。
※疥癬とはヒゼンダニが皮膚に寄生する病気。
角化型疥癬は多数のヒゼンダニが寄生している状態で感染力が高い。
注意したい目の病気
・咽頭結膜熱(プール熱)
・流行性角結膜炎(はやり目)
子どもの発疹や、目やに、充血がある場合には保護者に受診をしてもらいましょう。
医師にプールに入っても大丈夫かきいてもらうと安心です。
2.プール遊びを安全におこなうために
【準備運動はしっかりと!】
急につめたい水に入ると、心臓に負担がかかり事故にもつながります。
準備運動をすることで、ケガの予防や、心臓への負担をへらします。
子ども達は、はやくプール遊びをしたい!とプールに入ってしまうかもしれません。
それは、とてもキケンです。
まずは、しっかりと準備運動をしましょう!
音楽にあわせて準備運動をするのも、子ども達は楽しいですよ。
【熱中症にも気を付けて!】
プールの水の中に入っていると、暑さを忘れてしまいますよね。
プール遊び中も汗はかきます。
しっかりと子ども達に水分補給をしてもらいましょう。
また、直射日光が頭にあたると熱中症のリスクが高くなります。
日よけをつかって日陰でプール遊びをすることをおすすめします。
【緊急時の対応】
プール遊びで子どもの体調が急に悪くなってしまうこともあります。
緊急時にはまずは救急車を呼ぶ!
救急車を待っているあいだ、適切な処置が必要です。
保育士さんも子どもの心肺蘇生法やAEDの使い方を確認しておきましょう。
子どもの心肺蘇生法
・肩をたたいて大きな声で名前を呼ぶ(意識があるか確認)
・首の動脈に指をあて、脈があるか確認
・呼吸をしているか確認
・あごを少し上げて気道を確保
・心臓マッサージを30回、人工呼吸2回を交互にくり返す
心肺蘇生法のポイント
・圧迫をする場所は両方の乳頭をむすぶ線の少し足側をめやすとする胸の真ん中
・1歳未満の乳児の場合は人差し指と中指の2本で押す
参考:子どもの一次救命処置 日本医師会 救急蘇生法
プール遊びのときはAEDを近くに置いておくようにしましょうね。
保育園でもAEDの日常点検はしっかりとしておきましょう!
【おわったあとの 健康観察 】
プール遊び は思っている以上に体力を消耗します。
朝は元気でもプール遊びがおわったあとに体調がわるくなってしまうことも…
プールからあがったら
・しっかりと体を拭く
・水分をしっかりと摂る
・整理体操をする
ことを心がけましょう。
プール遊びがおわったあとも、子どもの顔色や活気などに注意をして活動をしましょうね。
3. 注意点をおぼえてプール遊びを楽しもう
保育園でのプール遊びは子ども達の楽しみのひとつ。
子ども達におもいっきり楽しんでもらうためには、 健康観察 といざとう時の準備が必要です。
はじめから、すべてを身につけるのはとても大変。
保育士さん同士で協力をして、子ども達をしっかり見守りましょうね!
子ども達の健康観察をしっかりとして、楽しいプール遊びにしてください。