保育中、子どもが嘔吐や下痢をしてしまったら…!?今回は、実習生さんや新人保育士さんに知ってもらいたい『子どもの 食中毒 』についてご紹介します。 食中毒 の原因や症状、保育の中で気を付けたいことなど、参考にしてみて下さい。
1.子どもが突然嘔吐・下痢!?
保育中、子どもが突然嘔吐や下痢をしてしまったら…
保育現場で働く保育士さんにとっては珍しくないことですが、
実習生さんや、新人保育士さんにとっては、
どうしよう!?と慌ててしまうような出来事ですよね。
気温が上がっていくこれからの季節は、
『 食中毒 』に注意が必要な時期。
子どもが 食中毒 を起こしてしまうと、
最悪、命に関わる状態になってしまうことも考えられます。
子どもを 食中毒 から守るためには、
食中毒 についての正しい知識を持っておくことが大切。
今回は、子どもの 食中毒 について、
原因や症状、保育の中で気を付けたいことなどをご紹介します。
2.子どもの 食中毒 ~原因・症状~
『 食中毒 』とは…
細菌やウィルスなどの有害な物質がついた食べ物を食べることで、
嘔吐や下痢、発熱などの症状が出る病気。
【 食中毒 の原因】
食中毒 の原因は大きく分けて、
細菌、ウィルス、自然毒、寄生虫、化学物質など様々です。
細菌は気温・湿度が高い時期に活発になるのに対し、
ウィルスは気温・湿度が低い時期に活発になるとされています。
≪腸管出血性大腸菌≫
加熱不足の肉・生野菜・井戸水などが原因。
十分な加熱により予防。
重症化すると死に至ることもある。
≪カンピロバクター≫
加熱不足の鶏肉・井戸水・生野菜などが原因。
十分な加熱により予防。
≪サルモネラ≫
加熱不足の卵・肉・魚などが原因。
十分な加熱により予防。
≪黄色ブドウ球菌≫
皮膚・鼻・口の中などにいる細菌から作られる毒素が原因。
熱に強く、毒素がなくならない。
≪腸炎ビブリオ≫
生の魚介類が原因。
水道水で十分洗浄、加熱により予防。
≪ボツリヌス菌≫
発酵食品・自家製びん詰や缶詰などが原因。
十分な加熱により予防。
1歳未満の子どもは、はちみつによって乳児ボツリヌス症を引き起こす恐れがある。
≪ノロウィルス≫
加熱不足の二枚貝(カキ、アサリなど)・汚染された水などが原因。
十分な加熱により予防。
感染力が非常に強い。
≪E型肝炎ウィルス≫
加熱不足の豚肉などが原因。
十分な加熱により予防。
・自然毒(フグ、貝、キノコなど)
・寄生虫(アニサキス、クドアなど)
・化学物質(ヒスタミン)
【 食中毒 の症状】
原因物質を食べてから、数時間~1週間前後で急性胃腸炎の症状が出るとされています。
原因物質によって、潜伏期間や症状などが違い、
脱水症状や血便なども引き起こす場合があります。
子どもは、特に脱水症状に注意が必要。
嘔吐が続いている時は難しいですが、
落ち着いてきたら水分補給を行うことが大切です。
また、乳児は体調の異変を訴えることが難しいので、
保育士の健康観察が重要となります。
注意したい子どもの様子
顔色がおかしい、元気がない、機嫌が悪い、口をモゴモゴさせているなど
普段と違った様子を感じたら注意が必要。
検温や、食欲・排泄物の様子なども観察しましょう。
3.保育の中で気を付けたいこと
最後は、一番大切な『予防』について。
予防の3原則
「つけない」…十分な洗浄、手洗い
「ふやさない」…適切な食品保存
「やっつける」…加熱調理
子どもにとって 食中毒 は怖い病気。
保育士には正しい知識を持って予防を心掛けることが求められます。
では、保育の中では具体的にどのようなことに気を付けるべきでしょうか?
≪保育の中で気を付けたいこと≫
*原因を作らない
保育園では、細菌検査(検便)を定期的に行っていると思いますが、
日頃から保育士自身で体調管理をしっかりと行いましょう。
また、大前提として『丁寧な手洗い』が基本です。
*いち早く気付く
毎日子ども一人ひとりの様子を確認・把握しておくことで、
体調の変化に気付くことが出来ます。
いち早く変化に気付ければ、
その分対応が早く、家庭との連携もスムーズに行えます。
*感染を広げない
一番注意しなければいけないのが、集団感染です。
感染者が出たとしても、広げないようにすること。
丁寧でこまめな手洗い、毎日の掃除や消毒は欠かせません。
排泄物や嘔吐物の処理には特に注意!
子どもはもちろんですが、保育士が二次感染してしまわないようにしましょう。
今回は、子どもの 食中毒 について、
原因や症状、保育の中で気を付けたいことなどをご紹介しました。
もしもの時に備え、正しい知識を持っておきましょう。
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