検索

ほいコレinfo produce by ほいコレナビ

【栄養士が解説】食物アレルギーとは?保育園で知っておきたい基本と対応

アレルギー
保育園では、給食やおやつの時間を中心に食物アレルギーへの適切な対応が求められます。特に新人保育士の中には、不安を感じる方もいるかもしれません。この記事では、食物アレルギーの基礎知識と、食物アレルギーのある子どもを育てる保護者としての経験を交えながら、保育園で知っておきたい対応のポイントを紹介します。
index

1.食物アレルギーはどうして起こるの?

食物アレルギーは、本来は体に害のない食べ物を、体の免疫が「危険なもの」と勘違いして起こる反応です。
原因となる食べ物を食べたり、触ったり、吸い込んだりするとじんましんやかゆみ(体・口腔内・耳の奥・眼など)、腹痛・くしゃみ鼻水などさまざまな症状が現れ、重い場合には呼吸が苦しくなることもあります。
なぜ食物アレルギーになるのかはまだはっきりとわかっていませんが、体質や環境などが関係していると考えられています。

2.子どもに多い食物アレルギーの原因

乳幼児期の食物アレルギーでは、鶏卵・牛乳・小麦が主な原因食材として知られています。
・鶏卵
最も多い原因食材です。卵白に含まれるたんぱく質が原因となることが多く、加熱の程度によって食べられる量や種類が異なる場合があります。
・牛乳
牛乳に含まれるたんぱく質に反応して症状が現れます。乳製品にも含まれるため、食品表示の確認が大切です。
・小麦
パンやうどん・麺類・お菓子などさまざまな食品に使われているため、注意が必要です。
その他、甲殻類やそば・落花生やくるみなどもアレルギー症状を引き起こしやすい食材です。
「特定原材料」・「特定原材料に準ずるもの」は全部で28品目が指定されています(2026年6月現在)。新たな食材が加わることもありますので情報の更新と共有が必要です。

参照:消費者庁「食物アレルギー表示について

3.アナフィラキシーって?

食物アレルギーにおけるアナフィラキシーとは、原因となる食材が体内に入ってから急激に引き起こされる強いアレルギー反応のことをいいます。
じんましんやかゆみだけではなく、腹痛・嘔吐・せき・呼吸が苦しくなるなど、複数の症状が短時間で起こることがあります。
さらに症状が進行すると血圧が下がって意識を失う「アナフィラキシーショック」を起こし、命に関わることもあります。
症状がでると短時間で悪化する場合があるので緊急時は園のマニュアルに沿った対応が必要です。

4.保育園ではどんな対応をしているの?

保育園では、医師の判断に基づき、一人ひとりの食物アレルギーの状況に合わせて対応しています。
必要な場合には原因となる食材を除いた除去食や、栄養面にも配慮した代替食を提供します。
また誤ってアレルギー食材を口にしてしまうことがないよう、名前の確認や専用トレーの使用、複数人での確認など、誤食防止に努めています。
保育士と給食職員や栄養士などが日頃から情報を共有し、安全に食事ができる環境づくりを行っています。
新人保育士の皆さんは、担当クラスに食物アレルギーのある子どもがいる場合、事前にアレルゲンや対応方法を確認しておくことが大切です。
私の実体験
私自身も小麦・卵の食物アレルギーがある子どもの親です。
入園前は、「給食は大丈夫だろうか」「もしもの時に対応してもらえるだろうか」と不安を感じていました。
しかし、実際には献立や食材を事前に確認できる仕組みがあり、食べられないものには代替メニューを用意していただくなど、きめ細かな対応が行われていました。
また、担任の先生だけでなく、給食室を含めた職員の皆さんが情報を共有し、緊急時の対応体制も整えられていたため、安心して子どもを預けることができました。

5.安全な給食のために大切なこと

給食を食べる子ども

◇正しい知識をもつこと

食物アレルギーは好き嫌いではなく、命に関わることもあります。
まずは正しい知識を身につけ、一人ひとりのアレルギーの内容を理解することが大切です。

◆職員間で情報を共有すること

食物アレルギー対応は、一人で行うものではありません。
給食職員や他の職員と情報共有し、子どもの状況や対応方法を共通理解しておくことで、安全な給食につながります。
また、保健所や地域の病院などが主催する食物アレルギーの講座や「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」なども保健所のサイトにありますので職員講習などで活用することもできます。

◇決められたルールを守ること

アレルギー対応では、「いつも大丈夫だから」と自己判断しないことが大切です。
確認方法や配膳手順など、園で決められたルールを一つひとつ丁寧に守ることが、誤食防止につながります。

◆子どもが安心して食事を楽しめる環境をつくること

アレルギーのある子どもが不安や疎外感を感じることなく、友だちと一緒に食事ができるように配慮することも大切です。
誤食を防ぐために友だちと席を離すことは有効な手段ですが、離しすぎると孤立したり、アレルギーの子とは一緒にごはんを食べられない誤解を招く原因にもなります。
「みんなで楽しく食べること」を大切にした環境づくりを心がけましょう。
食物アレルギー対応で最も大切なのは、一人で抱え込まないことです。
わからないことや不安なことがあれば周囲の職員や保護者・保育所の栄養士などに相談しながらチームで子どもの安全を守っていきましょう。

執筆者:重野 まゆこ(栄養士)

頼れる保育士さんになるためのお手伝い