・指定保育士養成施設(大学・短大・専門学校など)を卒業する
1つ目の方法は、指定保育士養成施設を卒業する方法です。
指定保育士養成施設とは、厚生労働省が指定する大学、短期大学、専門学校のこと。卒業後は資格試験なしで保育士の資格を得られます。
また、通信教育や夜間課程も選択可能です。
通信教育や夜間学部を設けている学校なら、社会人の方であれば働きながら学ぶこともできます。
ご自身の環境や目的に合わせて、進路を考えてみてください。
保育士試験に合格すると、先に述べた指定施設を卒業していない人でも保育士資格を取得できます。
大卒・高卒・中卒の方・社会人の方など、保育士になりたいと夢を持つ方の状況はさまざまです。ここでは、それぞれの立場に適した方法をみていきましょう。
一つずつ解説します。
まず前提として、保育士の試験を受けるには基本的に「大学」や「短大」などへの進学が必要です。
最短で保育士を目指すなら、指定保育士養成施設への進学がおすすめでしょう。
大学卒業後の進路として、次の2つの選択肢が一般的です。
ただし、より深い学問と実践力が得たい、という方は4年制大学の指定保育士養成施設が向いています。保育の知識や実践力を高めたい場合は、4年制の大学に進学することも検討してみてください。
社会人の方は、仕事と両立しながら資格取得を目指す方法が現実的です。主に以下の3つの方法があります。
一方で、通学せずに独学で挑戦する方もいます。その場合は計画的な学習が必要です。
働きながら限られた時間で合格を目指すため、試験までの期間を考慮して具体的な勉強計画を立てましょう。
保育士試験は、筆記試験と実技試験の2段階です。年2回、前期と後期に全国で開催されています。ここでは、以下2つについて詳しくみていきましょう。
保育士試験を受験するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
・高校卒業以上の学歴がある
・高等学校卒業程度認定試験に合格し、児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上の実務経験がある
試験事務局による個別の審査が行われるため、条件を満たしているか事前に確認すると受験資格の有無が正確に分かるので、安心です。
保育士試験に合格するためには、保育の知識と技術の両方が必要。つまり筆記試験で知識を問われ、その後実技試験で技術を確認されます。
・ステップ1. 筆記試験に合格する
ここからは各試験について、詳しく解説します。
筆記試験は以下の9科目で構成され、3年以内に全科目合格する必要がありますが合格済み科目は次回試験に持ち越せます。
各科目【満点の6割以上】が合格ですが、一部例外があります。それは、「教育原理」「社会的養護」に関しては、1回の試験で両科目とも満点の6割以上をとる必要がある、ということ。
どちらか一方のみの合格では合格とみなされず、再度2科目受験しなければなりませんので注意が必要です。
筆記試験を全科目合格したら、次は実技試験です。以下3つの分野のうち、2分野を選択します。
ただし、2分野のうちどちらか1分野でも30点未満の場合、不合格となります。つまり筆記・実技とも、合格に向けてしっかり対策しておくことが大切なのです。
ここでは合格のポイントをお伝えします。ポイントは以下の3つです。
順にみていきましょう!
保育士試験に合格するには計画的な勉強と効率的な対策が必須です。
とくに社会人の方は、働きながら無理のないペースで勉強を進めましょう。
筆記試験は、過去問の活用が合格率向上のコツです。過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握しましょう。苦手科目は重点的に勉強時間を充てると効果的に試験対策ができます。
各科目60点以上が必要なため、科目ごとに学習計画を立てたり苦手科目を早めに克服したりなど、バランス良く勉強を進めていきましょう。
実技試験は、とにかく「繰り返し練習する」のみ、といっても過言ではありません。音楽・造形・言語の3分野の抑えるべきコツは以下のとおりです。
実際の現場を意識し、目の前に子どもたちがいることを想像しながら実践することが、最大のコツとも言えるでしょう。
保育の現場では、毎日の朝の会や、保護者が来る発表会などでピアノを弾きます。
独学が難しい場合は、スクールで学んだり簡単な曲で練習から始めたりすることがおすすめですよ。
保育士試験に合格したら、いよいよ実際に保育士として働けます。しかしその前にいくつかの手続きが必要です。ここでは、保育士登録から免許取得までの流れを説明します。
一つずつ解説します。
保育士として働くには、都道府県への登録が必須です。お住まいの都道府県の保育士登録機関「登録事務処理センター(社会福祉法人日本保育協会)」に登録申請を行いましょう。
書類提出の際は、漏れがないか、全て揃っているかを確認しましょう。
”ステップ1. 「保育士登録の手引き」の取り寄せ
ステップ2. 手数料の払い込み(登録1人当たり4,200円)
ステップ3. 申請に必要な書類の用意
ステップ4. 申請書類の提出
ステップ5. 保育士証の交付”
引用:登録事務処理センター「保育士登録申請手続き(新規登録) STEP3 申請に必要な書類の用意」
https://www.nippo.or.jp/hoikushi/regi/regi.html
申請から約1ヶ月で保育士証が交付されます。保育士証の交付を受けてはじめて、正式に保育士として働けます。
保育士証は大切な身分証明書。紛失しないよう、しっかり管理してください。
ここからは、保育士を目指す方からよく寄せられる疑問に、わかりやすくお答えします。ぜひ参考にしてくださいね。
保育士は独学でも取得可能です。
必要な勉強時間は100時間〜180時間を目安として、過去問を繰り返し解いたり、苦手分野を重点的に勉強したりすると効率的です。また、実技試験対策ではスクールに通うことも検討してみてください。
どのような学習の進め方かによって、期間も異なります。
指定施設なら最短2年〜4年、保育士試験を受けるならおよそ6ヶ月〜1年以内も可能です。通信教育の場合は2年〜3年が目安でしょう。
費用は、進路によって大きく異なります。
専門学校も最短2年で卒業となるため、学費は短期大学と同じ程度となることが多いようです。保育士試験を受験する場合は、受験料で13,000円前後、教材費で数万円程度かかります。
現在は保育士が足りておらず、将来性は高いといえるでしょう。背景に、待機児童問題による保育園・保育士の需要の高まりや、保育士の処遇の改善、共働き世帯の増加などがあげられます。
とはいえ、近年ではお休みをきちんと取ったり、連絡帳アプリで作業のシステム化を図ったりなど、保育士の労働環境を良くするために工夫している園も増えてきています。
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執筆者:ひらい まい(保育士)