子どもは大きなストレスがかかったとき、言葉や表情、行動でSOSを出します。しっかりと メンタルケア をしていくために、子どものSOSに早く気付いてあげることが大切です。今回は保育従事者ができる子どもの メンタルケア について、看護師の私と一緒に考えていきましょう。
1. 子どものSOSはこんなところに現れる
震災や虐待などを経験し、不安や恐怖で心に深い傷を負った子ども達に対して保育従事者ができることはなにか。
それは、そんな子ども達のSOSに早く気付き、適切な メンタルケア をしていくことだと思っています。
子どもは大きなストレスがかかったとき、言葉や表情、行動でSOSを出します。
そのSOSを見逃さないためにも、どのように子ども達がSOSを出すのか、知っておきましょう。
子どものSOS
・食欲がない
・寝つきが悪い
・下痢・便秘
・突然のおもらし
・チック
・活気がない
・無表情
・すぐに泣く
・怒りっぽい
・ぼんやりしている
・暴力的・反抗的
・極端に甘える
・小さな音に敏感に反応する
・外に出るのを嫌がる
おとなしい子どもや、活発な子、子どもにはそれぞれ個性があるのでSOSなのかを見分けるのは難しいかも知れません。
でも、いつも子どものそばにいる保育従事者であれば子どものちょっとした変化に気付くことができます。
普段と比べて「ちょっと違うな」と感じたら子どもからのSOSだと考えましょう。
2. 保育従事者ができる メンタルケア
子どものSOSに気付いたら、子どもに寄り添い メンタルケア をしていくことが大切です。
保育従事者は子どもにとって身近な存在。
普段から、子どもとの信頼関係をしっかりと築いていきましょうね。
【具体的な メンタルケア 】
小さな子ども達は、まだ自分の気持ちを上手く表現ができません。
子どものSOSに対して、保育従事者ができる メンタルケア をお伝えします。
メンタルケア の方法
・子どもの話を最後まできく
・スキンシップをとる
・笑顔で接する
・さり気なくそばにいる
・意識して話しかける
SOSを出している子どもには意識して話しかけるようにしましょう。
「気にかけてくれる人がいる」と分かるだけでも、子ども達は安心します。
保育従事者は子どもの不安に寄り添い、安心できるような環境を整えることが大事です。
大人が、不安そうにしていたり焦っていると、子どもにも伝わります。
笑顔でそばにいてあげることで子ども達も安心しますよね。
【子どもとの関りで気を付けること】
メンタルケア をしていく中での、子どもとの関り方の注意点をお伝えします。
注意点
・子どもの話を途中で止めたり、さえぎらない
・「泣かないで」「笑って」など、子どもの感情をコントロールするような言葉は言わない
・スキンシップをとる場合は、子どものペースに合わせる
保育従事者は、子どもの素直な感情を受け止めてあげましょう。
子どもの感情をおさえてしまうような言葉は言わずに、「そうだったんだね」「それは辛かったね」と共感してあげてください。
虐待などで、大きなストレスがかかっている子どもは、大人に体をさわられることを嫌うこともあります。
スキンシップは子どもの メンタルケア にはとても有効ですが、慎重になる必要もあるので、子どものペースに合わせてあげましょうね。
【相談窓口の紹介】
大きなストレスを抱えた子どもには、適切な メンタルケア が必要です。
子どもとの関りで悩んだときは、専門家の力も借りていきましょう!
保育従事者は、保護者や専門家と協力し合いながら、子ども達を支えていきましょうね。
3. 子どもの笑顔を守るために
今回は、保育従事者ができる子どもの メンタルケア についてお伝えしました。
小さな子どもからのSOSは、とくに気付きにくいこともあります。
でも、子どもの心の傷が深くなる前に、周りの大人が対処することが必要。
大きなストレスを抱えた子どもとの関わりは、とてもむずかしいと思います。
一人で抱え込まず、保育従事者同士、専門家、保護者などと連携をとって解決していきましょう。
子どもに寄り添い、話をしっかりと聞き向き合っていくことで、子ども達との信頼関係もうまれます。
子ども達の笑顔を守るために、しっかりと見守っていきましょうね。