保育士を目指している学生さんは、就職先は「保育園」と思っている人も多いですよね。しかし子どもと関わりながら共に成長できる職場は保育園に限りません。今回は、「 学童 」についてその位置づけや、保育士が働くには?といったポイントをご紹介していきます。
1. 学童 ってどんな所?
保育士になるにあたって、まず就職先として思い浮かべるのは「保育園」という人が多いかもしれませんね。
ですが、保育士の就職先には保育園以外にもまだまだ選択肢があります。
そこで今回は、おそらく皆さん一度は聞いたことがある「 学童 」についてご紹介します。
なんとなく放課後に児童を預かるということは、知っている人も多いかもしれません。
ですが、 学童 は「どういう位置づけ」で、「どんな資格の人が働いているのか?」などよくわからない人も多いのでは?
保育学生さんに知ってほしい情報をわかりやすく説明していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
① 学童 の位置づけ
学童 とは、正式名称を「放課後児童健全育成事業」と言います。
「事業」なので、保育園のような児童福祉施設の一つではありません。
(学童クラブや児童クラブと呼ばれる所もあります。)
この事業の大きな目的は、小学生の(放課後などの)生活を継続的に保障することを通し、親の仕事と子育ての両立を支援すること。
厚生労働省が管轄しており、児童福祉法と社会福祉法により規定・運営されています。
大きく分けると自治体が運営する公立学童と、NPOや企業が運営する民間学童があります。
民間学童は英語に特化したものなど、企業独自のコンセプトがある所も。公立学童に比べると割高ですが、開所時間も長く塾や習い事代わりに利用する子どももいるようです。(施設により多少異なりますが、公立学童の開所時間は14:30〜18:00)
②対象の子ども
2012年8月に子ども子育て支援法が成立し、児童福祉法が改定されるまではおおむね小学校3年生の10歳までの子どもが対象でした。
しかしこの改正により2015年からは小学校6年生までに拡大。
今では、放課後に保護者が仕事などで家にいない小学生すべてが利用できるようになりました。
※民間学童では、保護者の就労状況に条件のない 学童 もあります
※放課後だけでなく、土曜日や夏休みなどの長期休みは一日
③主な役割&サービス内容
放課後保護者が仕事などで留守の間、「子どもが心身ともにリラックスできる生活を保障すること」が、 学童 の基本的な役割です。
学童で当たり前にできること
・おやつ
・宿題
・昼寝
・大人との会話
・遊び(地域に出かけての遊びも含む)
・通院、塾通い
学童 で働く人はこれらのことを子ども達がスムーズに行えるよう、保護者も含めサポートするのが仕事です。
ポイント
・学童のはじまりは子どもの「ただいま!」と職員の「おかえり!」
・子ども同士も「昼間のきょうだい」のような濃密な関係がある
このように 学童 は一時的な預かり場としてではなく「生活の場」であり、子どもにとって第二の家庭のような存在です。
2.保育士が 学童 で働くには
それでは、 学童 ではどんな人が働いているのでしょうか?
前述の2015年の法改正まで、 学童 で働く人はすべて学童指導員と呼ばれていました。この学童指導員に特別な要件はありませんでした。
しかし現在は改正により 学童 で働く人は、
放課後児童支援員という資格を持った人と、
資格を持たない補助員に区別されるになりました。
※求人広告などでは、現在も放課後児童支援員の資格の有無に問わず 学童 で働く人のことをすべて学童指導員と呼ぶケースもあります
学童 で働くために、放課後児童支援員の資格が必須ということはありません。
業務内容も補助員と大きく異なることもありませんが、正規雇用で働く人は資格がある人が多いようです。
それでは、保育士が放課後児童支援員になるにはどうしたらいいでしょうか?
放課後児童支援員になるには、都道府県が実施する研修を修了する必要があります。
保育士や社会福祉士、幼稚園や小学校などの教員免許を持っている人は実務経験を問わず研修を受けることができます。
受講料は原則無料です。(ただし、交通費や教材費などは自己負担。)
合計24時間の講義や演習で構成された研修ですが、保育士資格を持っていると一部免除される科目もあります◎
3.将来、就職の選択肢にも
いかがでしたか?
今回は 学童 について、その位置づけや保育士が働くには?というポイントを見てきました。
保育士の資格があれば、比較的早く研修を修了し放課後児童支援員の資格を取ることができそうですね。資格を持っておくと、将来就職の選択肢も広がりそうです◎
学童 は小学校に通う子ども達と信頼関係をつくり、生活の場で共に成長することができる貴重な職場。
子ども達も小学生なので、保育園児よりも自分のことをある程度自分でできます。
しかし、保育園児にはない心の悩みなど難しいサポートが必要になることも。元気いっぱいの小学生と遊ぶには体力ももちろん必要で、決して楽な仕事とは言えません。
それでも 学童 で働くことは、保育士として何倍も成長できる機会になることは間違いないはず。
将来、就職の選択肢としてもぜひ覚えておいてくださいね。
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