保育における 多様性 とはいったいどのようなものでしょう。私が実際に副主任として保育をする中で出会った多くの子ども達との経験から、今回は 多様性 の視点で外国人の子どもとの関わりについてお伝えします。
1. 保育における 多様性 とは?
『 多様性 』とはいったい何でしょう?
辞書によると、
『いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと』
と出てきます。
では、保育の現場に置きかえて『 多様性 』について考えてみると…
それは、家庭環境・性別・国籍・宗教・障害など様々な側面から捉えることができます。
なかでも、保育の現場で実際よくある光景のひとつが国籍の違う子どもとの関わり。
国籍が違うということは、言語や食べるもの、生活様式などにおいて
日本人の私たちと異なる部分があるということですね。
では、保育園ではどのように対応しているのか次にお話ししていきます!
2. 私たちはどんな場面で 多様性 と向き合っているのか
国内で仕事をする外国人が多く見られることに伴い、お子さんを保育園に預ける外国人家庭はとても増えています。
保育士においても、外国人対応をする機会が一般的になってきました。
様々な文化の違いの中で、一つひとつの要望にお応えしていくことは、
集団生活ゆえに大変な部分もありますね。
では具体的にどのように 多様性 に対応向き合っていけばよいのか。
ここで実際に経験した、ご家庭からの要望と対応を3つあげたいと思います。
①食事面での対応 その1
1歳児クラスのK君はトルコ人のお父さんと日本人のお母さんを持つハーフのお子さんでした。
こちらのご家庭は宗教の関係で給食について要望があり、
特定の肉や肉のエキスの入ったものは食べられないとのことでした。
保護者を交え、上司や看護師、栄養士とも話し合いをした結果、
・クラスでは誤食などがないように食事の席を固定化
・提供の際に間違えないよう、給食を専用トレーにのせて配膳
・指示のあった特定の食品を使わない食材で給食を提供
という配慮のもと食事の対応にあたりました。
とても食欲のあるお子さんで、配慮後もよく食べていたので保護者も安心されていました。
②食事面での対応 その2
0歳児クラスのR君は両親共にインド人のご家庭でした。
0歳児ということもあり、日本の食材にまだ慣れていない様子でした。
ミルクはたくさん飲みますが離乳食を全く食べられず、新食品も進められない日々が続いていました。
保護者もR君の体重増加のことを心配していました。
話し合いの結果、
・少しでもミルク以外の食事も摂れるように、家庭から本児の食べ慣れた食事(特に主食)を持参してもらう
・家庭でも少しずつ新食品を試してもらい、園の給食で食べられるもののバリエーションを増やす
とてもとても長い道のりでしたが、家庭のご協力もあり
初めてR君が園の給食を食べることが出来たときは担任一同とても喜ばしいものでした。
③言語面での対応
日本語がわからないご家庭や保護者には、
・あらかじめ伝達事項を日本語から翻訳して書いたものを見てもらう
・ジェスチャーも含めてわかりやすく伝える
・お便りなどは特に重要なところを赤字で翻訳して渡す
・同時翻訳機(ポケトークなど)を用いて会話をする
などの対応をしていました。
同時翻訳機は、対応に苦慮した末に購入してくれたのですがとても助かりました!
文化や国籍の違いといった 多様性 も、双方の歩み寄りによって良い結果を生み出していけるものだと思います。
私も他国の言語はほぼ話せませんが、自分自身にとっても貴重な経験となりました。
3. 多様性 に共感する気持ちも大切
私もこれまで『 多様性 』についてあまり深く考えたことがありませんでした。
ある日WEB研修で聞いた
「日本流の押しつけは良くない。日本ではこういう時は○○しているが、どのように進めていくか一緒に考えてみよう。」
という言葉に自身の保育を振り返るきっかけをもらいました。
今回は、外国人との関わりについて具体的な対応を書きましたが、
多様性 に対する根本的な捉え方は『共感』や『歩み寄り』なのではないかと感じます。
これから保育士を目指す学生さんにとっても、
今保育士として頑張っている皆さんにとっても毎日の保育がより充実したものとなりますように。
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