HSC(ひといちばい敏感な子)の特徴とは?保育園・幼稚園で見られる姿や保育中の配慮、保護者との連携のポイントを解説します。子ども一人ひとりに寄り添う保育のヒントの参考になりますように。
「ちょっとした音やにおいを嫌がるみたい」「初めての活動になると、とても不安そう…」
保育をしていると、周りの子より刺激を受けやすく、繊細な様子が見られる子がいます。
こうした特徴を持つ子どもの中には、、HSC(ひといちばい敏感な子)と呼ばれる子どももいます。
この記事では、ひといちばい敏感な子の特徴や、保育中に大切にしたい配慮・保護者との連携のポイントも紹介します。
1. HSC(ひといちばい敏感な子)の特徴とは?
こんな子どもと出会ったことはありませんか?
・初めての活動に慣れるまで時間がかかる
・大きな音がこわい
・キツイにおいが苦手
・ささいなお友達の言葉を気にして落ち込んでしまう
・すぐ泣いてしまう
こうした特徴を持つ子どもの中には、HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれる子どももいます。
HSCは病気や発達障害ではなく、生まれつきの特徴の一つと考えられています。
そのため「治していくもの」ではありません。
保育士は一人ひとりの感じ方や受け止め方を理解し、
その子に合った関わり方を考えていくことが大切になってきます。
すべての子に同じ特徴が見られるわけではありませんが、一つの考え方として知っておくと、
きっと日々の保育に役立ちますよ。
・HSCによく見られる4つの特徴
HSCには、「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴があるといわれています。
「DOES」は心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した考え方で、HSCの特徴を理解するための大切なヒントです。
D:物事をじっくり考える
O:音や光、人混みなどの刺激を受けやすい
E:感情が豊かで、人の気持ちに共感しやすい
S:小さな変化にもよく気付く
参考:The Highly Sensitive Person
『FAQ:どうしたら正確に、自分がHSPか、あるいは自分の子供がHSCかを知ることができますか?』
エレイン・アーロン
読んでいるとわかりますが
この特徴は「困りごと」だけではなく、人の気持ちがわかる・観察力がある・物事を丁寧に取り組めるといった、
その子の長所にもつながる特徴です。
2. 保育園・幼稚園で見られやすいHSCの姿
HSCの特徴は、一人ひとり違います。
また、ここで紹介する特徴が見られるからといって、必ずしもHSCというわけではありません。
一つの目安として参考にしてくださいね。
・初めての活動や環境の変化が苦手
新しい遊びや行事、クラス替えなど、初めてのことには特に慎重になる子もいます。
「楽しそうだし、やってみたい気持ちはあるけれど、不安の方が大きい」という気持ちのため、周りより一歩踏み出すまで時間がかかることがあります。
・音や光、においなど刺激に敏感
運動会のダンスの音楽や避難訓練の非常ベルの大きな音に驚いてしまう子もいます。
給食のにおいや洋服のタグが気になるなど、周りの子がそこまで気にならない刺激でも気になってしまうことがあります。
・人の気持ちや言葉に影響を受けやすい
お友だちに間違いを指摘されただけでも落ち込んでしまったり、
誰かが先生に怒られている姿を見て悲しい気持ちになったりすることがあります。
相手の表情や雰囲気の変化にもよく気付き、人の気持ちを自分のことのように受け止めてしまう子もHSCの要素の一つです。
・失敗すると落ち込みやすい
「できなかった」「間違えた」ということがショックで、なかなか気持ちを切り替えられないことがあります。
失敗したくない気持ちから、新しいことに挑戦するのを怖がることもよくある姿です。
・人の気持ちがわかる、優しい性質
HSCの特徴は、困りごとばかりではありません。
友達がこまっていることにいち早く気付いたり、「大丈夫?」と自然に声をかけたりするなど、
相手の気持ちがわかる場面も多く見られます。
また、小さな変化にもよく気付くため、周りが見落としてしまうようなことに気付けることも、その子の素敵な長所の一つです。
3.ひといちばい敏感な子への保育中の5つの配慮
HSCは特別な保育が必要というわけではありません。
一人ひとりの気持ちに寄り添い、その子が安心して過ごせる環境を整えることが何よりも大切です。
①安心できる環境をつくる
刺激を受けやすい子どもは、大きな音や人の多い場所が苦手なことがあります。
1人で、もしくは信頼できる先生と一緒に落ち着いて過ごせる場所を用意したり、
気持ちを切り替えられる時間をつくったりすることで、安心して過ごしやすくなります。
②活動の見通しを伝える
「次は○○をするよ」「終わったらお部屋に戻ろうね」など、これからの流れを事前に伝えておくと、安心につながります。
特に初めての活動や行事では、写真や絵本などを使ってイメージできるようにするのもおすすめです。
③無理に参加を促さない
みんなと同じように活動へ参加することが難しい日もあります。
そんなときは、少し離れた場所から見学させてあげて、その子のペースで参加できるように見守ることも大切です。
④小さな成功体験を積み重ねる
「できたね」「やってみようとしたんだね」など、結果だけではなく過程も認めることで、
その子の自信につながります。
小さな成功体験を積み重ねることが、「やってみよう」という気持ちを育てていきます。
⑤子どもの気持ちを受け止める
「嫌だったね」「びっくりしたね」など、まずは子どもの気持ちを受け止めることからはじめてみてください。
「大丈夫だよ!」と励ましても解決しないこともあります。
まずは「分かってもらえた」という安心感が、その子の心の支えになります。
4. 保護者との連携で大切にしたいこと
刺激に敏感な子どもは、園と家庭で違う姿を見せることもあります。
保護者と日頃から子どもの様子を共有し、一緒に成長を見守っていきたいですね。
・園での様子を具体的に伝える
連絡帳や送迎時には、「最初は近くで様子をみていましたが、先生と一緒に最後まで参加できました」など、
具体的なエピソードを入れて伝えましょう。
園での子どもの姿が伝わりやすくなり、保護者も安心できます。
・小さな「できた!」や良い姿も伝える
気になる様子だけでなく、小さな成長や頑張った姿も積極的に伝えるようにしましょう。
あなたがその子の良さを理解していることを伝えれば、保護者も前向きな気持ちで子どもの成長を見守ることができますよ。
・家庭での様子にも耳を傾ける
その子に合った関わり方を一緒に考えていくために「おうちではどんな様子ですか?」と家庭での様子も丁寧に聞いてみましょう。
保育に「これが正解」という関わり方がないように、
HSCへの関わりにも決まった正解はありません。

一人ひとり感じ方やペースは違うからこそ、その子の気持ちに寄り添い、小さな「できた!」を一緒に喜んでいきたいですね。
あなたの温かな関わりが、子どもの安心と自信につながっていくはずですよ☆