保育の中で注意したい『 誤飲 』について取り上げます。 誤飲 とは?どんな事例があるの?注意が必要なポイントは?『 誤飲 』についての基本的な知識や、危険に対する意識をしっかりと持つことで事故防止につながります。ぜひ参考にしてみてください。
1.乳児クラスでは特に注意!『 誤飲 』とは?
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今回のテーマは、乳児クラスで特に注意したい『 誤飲 』について取り上げます。
誤飲 とは
口にしてはいけないものを誤って飲み込んでしまうこと。
保育の中では、子ども(特に乳児)が、
おもちゃや、掃除・消毒などに使用する洗剤や薬品、
小さなシール・スポンジなど身近に使用するものを 誤飲 してしまったり、
しそうになったりする事故が起きています。
飲み込んでしまったことで体調に異変が起きたり、
誤飲物が気管をふさいでしまうことで窒息につながる恐れもある重大な事故です。
まだ、色々なものを口にしてしまうような年齢の子ども達が過ごす保育園では、
誤飲 の可能性をしっかりと考えて、
保育室の環境を整えていかなければなりません。
誤飲 の事故を防ぐため、どのような点に気を付けるべきなのか、
確認しましょう。
2.保育現場での 誤飲 事例から考える注意ポイント
まず、保育現場での事例から、
誤飲 の危険性を考えていきましょう。
【事例① おままごとの食べ物】
1歳児クラスのAちゃんはおままごとが大好き。
普段は保育士がおままごとコーナーに必ず一人はついているのですが、この日はたまたまお迎えの時間の保護者対応や電話対応などが重なってしまい、5分程おままごとコーナーから離れた場所から保育士が見守る形で保育をしていました。
保育士に背を向ける形でキッチンのおもちゃに向かって遊んでいたAちゃん。
しかし、振り返ると口をモゴモゴさせています。
異変に気付いた保育士が駆け寄って確認すると、
おままごとのトマトのおもちゃを口に入れてしまっていました。
この事例では、
おままごとのおもちゃを、遊びの流れで子どもが口に入れてしまいました。
正直、このような事例は保育の中で少なくないと思います。
しかし、もし誤って飲み込んでしまったら窒息の危険がある危険な事例です。
注意ポイント
・丸ごと口に入ってしまうサイズで、のどに詰まりそうな形状のおもちゃは取り除く。
普段おもちゃを口にしない子でも、
不意にいつも違う行動をすることがあります。
丸い形状のもので、そのまま口に入ってしまうサイズのおもちゃは要注意です!
【事例② 手作りおもちゃ】
0歳児クラスでは、手作りマラカスのおもちゃが人気。
この手作りマラカスのおもちゃは、
小さなペットボトルにビーズを入れ、ふたが空かないよう、ふたの周りにカラービニールテープが巻いてあります。
いつもはマラカスを振って遊んでいるBちゃんですが、
この日は珍しくペットボトルの口部分を舐めていました。
保育士が気付いて口から離すと、ペットボトルのふた部分に巻いてあったビニールテープに歯形がついて剥げかけています。
Bちゃんの口を開けてみると、ビニールテープの破片が入っていました。
この事例では、
手作りマラカスの中のビーズの 誤飲 に配慮して巻いたビニールテープを、
子どもが 誤飲 しそうになってしまいました。
注意ポイント
・手作りおもちゃを製作する時は、口に入ることを想定して素材や作り方に配慮する。(事例のマラカスはビニールテープを使わず、ふたを接着剤で固定する。)
・毎日定期的に破損部分はないかおもちゃの確認をする。
0歳児クラスでは、
歯の生える時期に歯茎がかゆくなってものを噛みたがる子もいます。
おもちゃを噛んでいるうちにおもちゃが劣化して壊れることもあるので、
毎日の点検がとても大切ですね。
3.正しい知識と意識で 誤飲 の事故を防ぐ!
誤飲 ・窒息する恐れのあるおもちゃの大きさとして、
直径39㎜(トイレットペーパーの芯を通る大きさ)という基準があります。
このサイズよりも小さなものは、
乳幼児の口に入ってしまうということです。
しかし、ただサイズだけが重要なのではなく、
形状や素材なども大きく関係してきます。
窒息の危険があるものとして一番注意が必要なのは、
円形や楕円形(例:トマトやタマゴのような形)で、
表面がツルツルとしているもの。
例えば、おままごとのタマゴのおもちゃや、
スーパーボール、ビー玉、
食べ物でいうとミニトマトなどです。
また、おもちゃの他にも、
普段保育で使っている洗剤や薬品類を誤って口にしてしまう事故も要注意。
最近は、新型コロナウィルスの影響で、
アルコールなどを使った消毒が身近になっています。
子ども達の手の届く位置に消毒液などがあると、
誤飲 する可能性が高まり、大変危険です!
保育の中で思わぬ瞬間に起こりうる 誤飲 の事故。
子どもの命を預かる保育士として、正しい知識と意識を持ち、
誤飲 の事故を防ぎましょう。
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