保育士を目指す皆さんは、 母子生活支援施設 がどのような施設か知っていますか。詳しい仕事内容や保育所との違いが上手く説明できない…という人も多いのでは?そこで今回は、 母子生活支援施設 の役割や特徴、働く上でのやりがいなどをご紹介します♪
1. 母子生活支援施設 ってどんな所?
保育士を目指している皆さんこんにちは!
突然ですが、保育学生の皆さんは 母子生活支援施設 がどのような施設か知っていますか?
なんとなく施設の名前は聞いたことはあっても、
詳しい仕事内容や 母子生活支援施設 で働く上で大変なこと・やりがいなどはよくわからないという人も多いかもしれません。
そこで今回は、
母子生活支援施設 についてその役割や特徴、働く上でのやりがいなどをご紹介します。
まず 母子生活支援施設 の特徴について見ていきます。
【対象の子ども】
さまざまな理由で保護が必要なシングルマザーとその子ども(18歳未満)
または何らかの事情で離婚の届出ができない母親と子どもが対象です。
※必要に応じて20歳未満の子どもも入所可能です。
さまざまな入所理由
・障害
・家庭内暴力
・離婚
・死別
・経済的困難など
入所理由の50.7%は配偶者からの暴力です。
また、精神障害や知的障害のある母親や、発達障害など障害のある子どもも増加しています。
【主な役割】
母子生活支援施設 は、母子が一緒に生活しつつ、共に支援を受けることができる唯一の児童福祉施設です。
母子の保護と自立支援、退所した後の相談その他の援助を行うことを目的としています。
住居の提供として、母親と子どもが一緒に生活できるように、世帯ごとに個々の居住空間が用意されています。
配偶者から身体的もしくは精神的暴力を受けた母子の精神的ケアも行います。
また母親の就労支援や、その間の乳幼児の保育や子どもの学習サポートも行いますよ。
2.保育園との仕事内容の違い
母子生活支援施設 には、保育所とはまた異なる、保育士以外の職員の配置基準が定められています。
・母子支援員
・嘱託医
・少年を指導する職員
・調理員
・保育士(保育所に準ずる設備のある場合)
・心理療法担当職員(心理療法が必要な母子10人以上がいる場合)
・個別対応職員(配偶者からの暴力などで個別に特別な支援が必要な母子がいる場合)
母子生活支援施設 で保育士が働くには、2つのパターンがあります。
一つ目は、保育士として保護者に代わり、 母子生活支援施設 にある保育スペースで乳幼児を保育します。
この場合は、一般的な保育園とも勤務形態や仕事内容に大きな差はないようです。
二つ目は、保育士資格があれば、母子支援員として働くことができます。
母子支援員は、生活・子育て・仕事・健康・困りごとについて、
母子とどうやったら再び自立した社会生活を送ることができるかを一緒に考え、解決していきます。
そのためには施設内外の職員と連携することも必要です。
また子どもも18歳未満と幅広い年齢の支援にあたるのも保育所との違いですね。
各世帯に住居の提供があるため、決められた日課などはありません。
母親は施設から仕事に通ったり、子どもは学校へ通学したりします。
ですが母子支援員は放課後の小学生以上の子どもの学習サポートや進路相談、
母親に代わって送り迎えをすることもあり、仕事内容は多岐にわたります。
365日体制なので、夜勤や土日勤務があることもあります。
3. 母子生活支援施設 で働くやりがいとは
母子生活支援施設 の設置数は、全国に221か所(2020年度)です。
全国に37,652か所(2020年度)以上ある保育所に比べると、とても少ない印象ですね。
母子生活支援施設 の仕事は、さまざまな背景を抱えた母子の支援です。
家庭内暴力などで心に傷を負ったり、男性に対してトラウマを抱えている母子も少なくありません。
トラウマの克服や精神的ケアは、決して簡単なものではありません。
ですがそんな辛い状況の時に、保育士としてもしくは、母子支援員として、
親身に話を聞いて相談に乗ることで1年未満で自立し、退所していく母子が全体の33.2%いるのも事実です。
親身に支援した母子が退所する時は、保育所では味わうことのできない達成感ややりがいを感じることができそうですね。
保育学生の皆さんは、施設実習などで実際に働いてみると学べることがたくさんあるはずですよ。
将来の選択肢として、 母子生活支援施設 の存在もぜひ覚えておいてくださいね。
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