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保育園で流行る夏風邪とは?視診のポイントと感染対策を看護師が徹底解説 

夏風邪
新人保育士のみなさん!保育園で流行る「三大夏風邪」を知っていますか?今回の記事では看護師の私から、夏風邪の視診ポイントと保育園でできる感染対策について、解説していきます。夏は楽しいイベントがたくさん!感染予防をしっかりと行って、楽しい夏を過ごしましょう。
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1.保育園で流行る「三大夏風邪」の視診のポイント

「三大夏風邪」とは、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)を指します。
保育園でも6月から流行りはじめ、7~8月がピークに…夏風邪の感染経路は飛沫感染、接触感染、経口感染です。
保育園でも感染予防するためにしっかりと対策していきましょうね。
まずは新人保育士さんに向けて、三大夏風邪それぞれについて簡単に解説します。

【手足口病とは】

感染してから3~5日後に口の中、足、手を中心に水ぶくれを伴う発疹ができるウイルス感染症。
発熱は1/3にみられ、38℃以下のことが多く高熱が続くことは通常ありません。
3~7日で治ることが多く、喉の痛みや口の中に水ぶくれができることで、食欲が低下し水分を摂ることが難しくなります。
症状の写真は以下のリンクからご覧ください。
〈感染経路〉
・飛沫感染
・接触感染
・糞口感染(便と一緒に排出されたウイルスが口に入って感染すること)
〈治療〉
特定の治療方法は無く、発熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を使うなどの対症療法する。
〈登園目安〉
・熱が下がっていること
・手足に新たな発疹が無いこと
・健康状態が良好で、元気
〈視診のポイント〉
・手や足に水ぶくれが無いか、痛みやかゆみを訴えていないか
・普段と比較して食欲が減っていないか、乳児の場合ミルクの飲み具合が減っていないか
・機嫌が悪くないか

【ヘルパンギーナとは】

感染してから2~4日後に、突然38~40℃の高熱がみられ、1~3日間続きます。
喉の痛みや水疱が現れるのが特徴ですが確認するのは難しいです。
喉が痛くて水分を摂りたがらない、食べられない、頭痛を訴えるなどがあれば注意が必要。
〈感染経路〉
・飛沫感染
・接触感染
・糞口感染(便と一緒に排出されたウイルスが口に入って感染すること)
〈治療〉
特定の治療方法は無く、発熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を使うなどの対症療法する。
〈登園目安〉
・熱が下がっていること
・喉の痛みが無い
・食事が十分とれている
・健康状態が良好で、元気
〈視診のポイント〉
・機嫌が悪くないか
・喉の痛みを訴えてないか
・普段と比較して食欲が減っていないか、乳児の場合ミルクの飲み具合が減っていないか

【プール熱(咽頭結膜熱)とは】

アデノウイルスの感染により38~39℃の発熱、喉の痛み、結膜炎(目のかゆみ、涙目、充血、目やに)が現れます。
一日の間に熱が上がったり、下がったりすることが特徴で、それが4~5日続き、頭痛、腹痛、下痢を伴います。
〈感染経路〉
・飛沫感染
・接触感染
〈治療〉
特定の治療方法は無く、発熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を使うなどの対症療法する。
〈登園目安〉
プール熱は5類感染症であるため、一定期間登園停止となる。次の症状がなくなってから2日経ってからの登園となる。
・熱が下がった
・喉の痛みが無くなった
・目の充血、目やにが無くなった
〈視診のポイント〉
・機嫌が悪くないか
・目が充血していないか
・目やに、目のかゆみなどの訴えがないか
・食欲の低下がないか、ミルクの飲み具合

2.保育園で子どもの夏風邪を予防するには?

【手洗い・うがいを習慣化させる】

保育園での夏風邪を予防するには、手洗い・うがいを子どもたちに身に付けてもらうことがとても大事です。
外遊びのあと、トイレのあと、鼻をかんだあと、給食やおやつの前はていねいに流水と石鹸で手洗いをしましょう。
年少クラス以下の子どもには「バイキンさんが体に入ると、お熱が出たりお腹が痛くなっちゃうから、手を洗ってバイキンさんバイバイしよう!」わかりやすく伝えることが大事。
絵本や紙芝居を使うのも効果的ですよ。
年中、年長クラスには「手に付いたバイキンがお口の中から入ると、どうなるか知ってる?」と質問してみましょう。
子どもたちがなぜ手洗い・うがいが必要なのか考えられるようにすることが大切です。
また接触感染する可能性があるため、タオルの共用は避けましょう。
重要なポイント!
ヘルパンギーナ、手足口病の場合は症状が落ち着いていても、2~4週間は便からウイルスが排出され感染することも。
保育士さんは自分の身を守るためにもオムツ交換、トイレ介助をしたあとはしっかりと手洗いをすることが大切です。
夏風邪が流行っている時期は、マスクの着用もおすすめします。

【保育園内の掃除や消毒をこまめに行う】

登園前、登園後、お昼寝の時間を使って保育室内の掃除、消毒をしましょう。
定期的な換気も効果的です。
くわしくはこちらの記事を参考にしてくださいね♪
ポイント!
夏風邪の原因ウイルスに対しては、アルコール消毒では効果が不十分。
次亜塩素酸ナトリウムを使っておもちゃやドアノブなどの消毒をしましょう。家庭用の漂白剤を薄めたものでOK!

【活動と休息のバランスを整える】

外で元気に体を動かすことで、体温が上昇、筋力アップ、ストレス発散につながります。
またお昼寝をしっかりととることで、体力が回復!
活動と休息のバランスを整えることで免疫力がアップし、夏風邪にかかりにくい体作りになりますよ。
しかしスムーズにお昼寝させるのは難しい…
電気を薄暗くする、オルゴールの音楽を流すなどの環境を整えて、子どもたちがお昼寝の時間を認識できるように配慮していきましょう。
乳児の場合は、お昼寝の回数が多いので、子どものペースに合わせて活動することが大切です。

【ほけんだよりを作成し、保護者にも協力を得る】

保育園で夏風邪を予防するには、保護者の協力が必要不可欠。
定期的にほけんだよりを作成して、保護者にもできるだけ子どもの生活リズムを整えてもらうように伝えましょう。
ほけんだよりに書くこと
・6月から夏風邪が流行りはじめ、7~8月にピークとなること
・夏風邪の種類と症状
・自宅でも手洗い、うがいをしっかりと行う
・発熱や発疹、風邪症状がある場合は無理せずお休みをしてもらう
・夏風邪の症状は出た場合は、早めに受診してもらう
夏風邪は感染力が強いので、家庭での体調管理がとても大事。
夏風邪について保護者にもしっかりと理解してもらい、保育園での感染拡大を予防していきましょうね。

3.夏風邪を予防して楽しい夏を送ろう

今回は、看護師の私から「三大夏風邪」についてと、保育園での感染対策についてご紹介しました。
保育園はたくさんの子どもたちが集まる場所なので、免疫力が低い小さな子どもは夏風邪にかかりやすいです。
夏風邪は、経過が良好なことがほとんどですが、まれに重症化することもあります。
病気の悪化を防ぐためには、保育士さんがしっかりと子どもの健康観察することが大事。
そして夏風邪は大人にも感染します。保育士さんの身を守るためにも、今回ご紹介した感染予防法を行っていきましょう。
夏は保育園でも楽しいイベントがたくさん!
できるだけ子どもたちと楽しく過ごしたいですよね。
保育園でできる感染対策をしっかりと行い、子どもたちと楽しい夏を過ごしてください。

執筆者:瀬川知子(看護師)

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