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【保育】 O157 (腸管出血性大腸菌)とは?食中毒について知っておこう

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O157 という食中毒について知っていますか?保育園でも、これからの夏に特に気をつけたい食中毒の一つです。O157 (腸管出血性大腸菌)は、大人でも子どもでも感染する恐れがある怖い病気です。保育士として、正しい知識を身につけておきましょう!
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1. 夏場は O157 (腸管出血性大腸菌)の食中毒に注意

保育士を目指している皆さんこんにちは!
今回ご紹介したいのは、 O157 (腸管出血性大腸菌)という有名な食中毒についてです。
 O157 (おーいちごうなな)という言葉は知っていても、その症状や原因などは詳しくはわからないという人も多いはず。
日本では、1990年に埼玉県の幼稚園での集団発生事件から注目され始めました。
井戸水を原因とした O157 で、残念ながらその事件では園児2名が亡くなっています。
その後1996 年に入り日本中で爆発的な増加がみられ、 その主な原因は給食や仕出し弁当です。
1997年以降、集団感染の報告数は減りましたが、患者数はほぼ横ばい状態です。
年間では千数百人が発症しています。
保育園でも高温多湿の6月〜9月は、特に注意したい食中毒の一つです。
 O157 (腸管出血性大腸菌)は、免疫力の弱い子どもなどが感染し重症化すると、後遺症が残ったり、最悪の場合死に至ることもある怖い病気です。
今回は、 O157 (腸管出血性大腸菌)についてその原因や予防法などを一緒に確認していきましょう。
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2. O157 (腸管出血性大腸菌)とはどんな病気?

大腸菌は人の腸内にも存在しているもので、ほとんどのものは無害ですが、いくつかには人に下痢や合併症を引き起こす病原大腸菌というものがあります。
今回ご紹介する O157 も正式名称を腸管出血性大腸菌と言って、病原大腸菌の一つです。
なぜ O157 と呼ばれているのかというと、大腸菌は現在約180種類に細かく分類されています。
O抗原(細胞壁由来)として、157番目に発見されたため O157 と呼ばれています。

【主な症状】

・頻回の水様便
・激しい腹痛
・下痢
・血便
・37度台の発熱
多くの場合、 O157 (腸管出血性大腸菌)に感染すると頻回の水様便で発病します。
その後激しい腹痛と血便になることがあります。
発熱はあっても37度台とさほど高くありません。
 O157 (腸管出血性大腸菌)に感染しても、健康な大人の場合には軽い腹痛や下痢程度で終わってしまう人もいます。
ですが、6〜7%の人が発症から2週間以内に毒力の強いベロ毒素を出す溶血性尿毒症症侯群(HUS)を引き起こし、脳や腎臓に毒が回ることで後遺症が残ったり、最悪の場合死に至ることがあります。
HUSは子どもや高齢者が発症しやすく、致死率も1〜5%です。
潜伏期間(ウイルスに感染してから症状が出るまでの期間)は、一般に3〜5日間です。
診断方法ですが、大腸菌は便の検査によって調べることができます。
便から大腸菌が検出された場合は、更に大腸菌の分類検査やベロ毒素産生能の検査を行い O157 を特定します。

【原因と予防法】

 O157 (腸管出血性大腸菌)は、汚染された食品を食べて感染する経口感染がほとんどです。
非常に少ない菌数でも感染してしまいます。
 O157 は主な原因である生肉に限らず、牛などの家畜やその糞便から二次感染した生野菜、乳製品などあらゆる食品が原因として報告されています。

他の食中毒菌と同じで加熱や消毒薬で確実に死んでしまいます。

そのため食品を十分加熱したり、 調理後の食品はなるべく食べきることが大切です。
最近では、食育として子ども達が調理に参加する場合もありますよね。
生野菜などはしっかり洗えているか?
生肉を触ったあとはこまめに手を洗えているか?
などを保育士がチェックしてあげましょう。
また感染した人の便に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入ることによっても感染します。
日頃からオムツ替えやトイレ掃除の後は、保育士も子どももすぐに手を洗いを徹底してくださいね。

【登園制限】

 O157 (腸管出血性大腸菌)は、学校保健安全法の第3種の感染症に定められています。
そのため、感染後は「感染のおそれがない」と医師に認められるまでは出席停止になります。

参考:保育所における感染症対策ガイドライン (2018 年改訂版) 厚生労働省

食中毒から回復しても、急激な体重の減少などで食欲や元気がなかったりすることもあります。
保育士は回復後の園児の健康観察や心のケアをしてあげてくださいね。

出典:厚生労働省 腸管出血性大腸菌Q&A

3.保育士は正しい病気の知識を身につけよう!

今回はこれからの季節に特に気をつけたい O157 (腸管出血性大腸菌)についてご紹介しました。
国内では、焼肉店などの飲食店や、市販の食肉を生や加熱不足で食べて感染する事例が多くなっています。
 O157 (腸管出血性大腸菌)は、大人も子どもも感染する食中毒なため、大人から子どもに感染させてしまうことがあります。
保育士もプライベートで焼肉店やBBQに参加することがあるかもしれませんが、これからの時期は特に食中毒に注意しましょう。
また保育園でも毎年、複数の集団発生が報告されているため決して他人事ではありません。
正しい予防の知識を身につけて、子ども達と保育士さん自身の健康も守ってくださいね。
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執筆者:ほいコレ 編集部

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