運動会練習で子どもが疲れているサインとは?疲れによる子どもたちのメンタルの変化やケガのリスク、運動会練習のねらいを看護師視点で解説します。新人保育士さんがすぐに使える観察項目や対応法、保護者への上手な伝え方も看護師の私からご紹介します。
1.運動会練習の時期に子どもが「すごく疲れてしまう」理由
秋の楽しみといえば「運動会」。
保護者の前で日々の練習の成果や、子どもたちの成長を見せる大切な行事です。
しかし運動会練習の時期は、子どもだけでなく家庭でも疲れが出やすくなります。
練習が始まると、保育園の雰囲気がすこしピリッとしますよね。
「何だか元気がない」「いつもより甘えて来る」など子どもの行動にも変化が見られるのは「疲れ」が原因かもしれません。
運動会練習で疲れる原因
◇肉体的な負荷:ダンスやかけっこの練習などで普段の保育とは違う筋肉を使うため、子どもたちの体には想像以上の疲労がたまる。
◆精神的なプレッシャー:「怒られたらどうしよう」「うまくできるかな」と無意識のうちに子どもたちは緊張して精神的な疲れを抱える。
「子どもは体力があるから大丈夫」と疲れに気づかずにいると、登園しぶりや体調不良、ケガにもつながるので、保育士さんは十分注意して子どもの様子を見てあげましょう。
わが子も運動会練習の時期はかなり疲れて帰ってきたことを覚えてます。
家に帰ってきて、気付いたらソファーで眠っていたり食欲があまりなかったりと、親が思っている以上に疲れているんだなと感じました。
2.新人保育士必見!運動会練習のねらいとは?
「みんなと一緒に上手に踊らせないと」「完璧に仕上げなきゃ」と保育士さん自身がプレッシャーに感じていませんか?
運動会練習のねらいは、楽しみながら身体機能を高める・社会性を身につける・自己肯定感を高める・子どもの成長を保護者と共有することです。
だからこそ無理をさせすぎないことが大事。
子どもたちが楽しんで運動会練習するために、保育士さんが楽しむ姿を見せてあげましょう。
保育士さんが常にピリピリモードでいると、子どもたちに伝わり運動会練習が苦痛になることも…
すこし肩の力を抜いて、子どもたちと楽しんでくださいね。
3.見逃さないで。運動会練習で見せる「疲れのサイン」5つ
次に子どもからのSOSサインを具体的にお伝えします。
保護者への上手な伝え方も一緒にご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
◇急に泣き出す・甘える
普段は自分でしっかりと支度ができたり、頑張っている子でも疲れが溜まると急に泣き出したり、甘えたりしてきます。
これは心がいっぱいいっぱいになっているサイン。
「お兄ちゃんなんだから!」と突き放すのはNG。
対処法
・「○○くん、いっぱい頑張っているね」と子どもの頑張りを認め、寄り添う
・子どもを膝にのせたり、ハグなどのスキンシップを増やし安心感を与える
・「ちょっと休憩しようか」と声掛けし、少し練習から距離を置く
保護者への上手な伝え方
「今日は運動会練習をいっぱい頑張ってくれたので、すこし甘えん坊になっている姿が見られました、お家でもたくさん褒めてあげてください」
◆友達とのトラブルが増える
大人でも疲れが溜まっているとイライラしたり、強い口調になることがありますよね。
子どもも同じ。疲れや緊張が続くことで感情をコントロールしにくくなります。
そのため友達とのトラブルが起きやすくなるので、保育士さんは十分注意しましょう。
対処法
・厳しく叱る前に「二人とも少し休もうか」とクールダウンさせる時間を設ける
・「思い通りにいかなくてつらくなっちゃったね」と心の中を代弁する
保護者への上手な伝え方
「練習で気が張っていて、すこしイライラのエネルギーが溜まっているみたいです。お家でもトゲトゲしてしまうかもしれませんが、たくさんスキンシップを取ってあげてくださいね」
◇急にボーっとする
運動会練習や保育中にボーっとして急に動きが止まったり、保育士さんの指示が通らないことはありませんか?
一見「やる気がないのかな」と思うかもしれませんが、これも疲れのサイン。
疲れで体が「省エネモード」になっているんです。
これは体の防衛反応なので、ここで強く叱ったりするのは逆効果。
対処法
・やさしく肩に触れて「疲れちゃったかな?」と声掛けし子どもに寄り添う
・運動会練習から一時的に離して、水分補給しながら休ませる
・無理に練習に参加させず、応援に回すなどプレッシャーにならない役割を与える
保護者への上手な伝え方
「保育中お疲れモードでしたが、運動会練習を頑張ってくれている証拠ですね。今日は早めに休めるといいですね」
◆保育園で腹痛や頭痛が増える
「お腹が痛い」「頭が痛い」と登園前後に訴える子どもが増えていませんか?
発熱や目立った症状がない場合は、運動会練習による「ストレス性の不調」かもしれません。
「仮病なんじゃないの」と疑ったり、無理に頑張らせるのはNGです。
また、腹痛や頭痛をストレスのせいと決めつけるのは危険。
訴えがあったら、まず検温や子どもの様子の観察、家での様子をしっかり把握したうえで判断するのが大切です。
対処法
・「痛いね」「つらいね」と声掛けし、静かな場所で休ませる
・「運動会練習お休みしようか」と運動会から意識を離す
保護者への上手な伝え方
「登園後にお腹が痛いと訴えがあったので、運動会練習はお休みにしました。他に症状はなく落ち着いていますが、家でもゆっくり休ませてあげてくださいね」
◇給食が進まない・昼寝が浅い
食欲や睡眠の変化も、見逃せない疲れのサインです。
運動会練習でずっと緊張状態にあると、胃腸の働きが低下したり、脳が興奮して深く眠れなかったりします。
「残さず食べなさい!」「早く寝なさい!」とプレッシャーを掛けるのは悪循環になるのでやめましょう。
対処法
・「全部食べなくて大丈夫だよ」「これだけ食べてみようか」とハードルを下げる
・「ゴロンして目をつむるだけでも休めるよ」とやさしく声掛けし、背中をトントンして安心感を与える
保護者への上手な伝え方
「練習での疲れが出ているのか、最近食欲が落ちているようなので、消化のいいものを食べさせてあげてください」
「練習のことで頭がいっぱいなのか、昼寝のときうまく寝付けなかったので、夜は早めに休ませてあげてくださいね」
4.保育士の細やかな「観察力」が子どもの心身を守る
子どもたちは自分の不調をうまく言葉にできません。
「いつもと違うな」と小さな違和感に気付き、そのサインを見逃さないことが大事。
これが体調不良の悪化や、思わぬケガを未然に防ぎます。
そして、こうした子どもの変化は、保育園だけでなく家庭との情報共有が必要不可欠。
保護者と協力しながら、子どもの心身のサポートをしっかりしていきましょうね。
運動会本番に向けて、とくに新人保育士さんは焦ってしまうと思います。
焦る気持ちがあるときこそ、子どもの様子に目を向けて「大丈夫?」「一息つこうか」と子どもたちに寄り添ってあげてくださいね。