保育園の「お迎えコール」に苦手意識はありませんか?とくに新人保育士さんは「また呼び出し?」と言われたらどうしよう…と不安に感じていると思います。今回の記事ではそんな悩みを解消すべく、看護師視点で保護者に納得してもらえるお迎えコールの伝え方を伝授します。
1.保護者に納得してもらう「保育園の呼び出し理由」の伝え方
保育園で子どもが発熱…嘔吐…。こんなことは日常茶飯事。
「忙しい保護者にお迎えコールしないといけない」と気が重くなりますよね。
とくに新人保育士さんは、保護者に電話しないといけないと考えるだけで、緊張や不安を抱くと思います。
子どもの体調管理や感染拡大を防ぐために、お迎えコールは必要なこと。
では保護者にどうやって伝えたら納得してもらえるか、一緒に考えてみましょう。
私も幼稚園や学校からの呼び出しは何度か経験していますが、携帯画面に園の名前が表示されるとヒヤッとします。
仕事中の呼び出しも経験がありますが、仕事残っているのにどうしよう…と職場への申し訳なさも感じました。
しかしそのとき、先生が子どもの様子をしっかり見てくれたり、私に連絡をくれるまでにさまざまなケアをしてくれていたことが分かり、とてもありがたいと思った経験があります。
自分の子どもの様子がわかると、保護者としても安心できますよね。
・保育園の呼び出し基準を把握しよう
保育園で子どもが体調を崩したとき「このくらいで電話していいのかな」「もう少し様子を見た方がいいかな」と判断に迷うと思います。
まずは看護師視点で症状別に呼び出し基準についてお伝えします。
新人保育士さんはぜひ参考にしてくださいね。
発熱
・37.5℃以上の発熱が続く
・機嫌が悪くぐったりしている
・食欲が無い
・おしっこの回数や量が減っている
・水分が摂れていない
下痢
・食事や水分を摂るとすぐに下痢をする
・腹痛がある
・水のような便が2回以上続く
嘔吐
・咳を伴わない嘔吐がある
・腹痛や下痢も併発している
・機嫌、顔色が悪い
・水分が摂れず、飲んでも吐いてしまう
咳
・37.5℃以上の発熱がある
・ゼーゼー、ヒューヒューと音があり息苦しさがある
・少し動いただけでも咳が出る
・顔色が悪い
・咳を伴う嘔吐がある
発疹
・登園時よりも発疹が増えている
・発熱と一緒に発疹がでる
・水ぶくれのような発疹があり、発熱やかゆみが伴う
【看護師からのワンポイントアドバイス】
子どもは大人と比べて体温が高く、病的な発熱なのか判断がつきにくいと思います。
37.5℃以上の発熱があった場合は、まず他の症状は無いか・活気・顔色・水分が摂れているか見ましょう。
他の症状がなく、元気な場合は一時的な体温上昇の可能性もあるので、30分に1回程度検温して様子を見て大丈夫。
また、おしっこの回数や量、水分補給の有無は脱水症状に関する大事な観察項目です。
熱が低くても、なんかいつもと違うと感じたら迷わず相談してくださいね。
※保育園によって呼び出し基準は異なるので、お迎えコールする前にかならず先輩や園長に確認しましょう。
・数字と子どもの様子をセットで伝える
保護者に納得してもらえる伝え方について、看護師視点で解説します。
そのポイントは保護者が子どもの様子を想像しやすいように話すことです。
具体例
NG例…「○○ちゃんが発熱したので至急お迎えをお願いします」
OK例…「○○ちゃんがお昼寝のあとから38.5℃まで発熱しています。30分程水分補給して様子をみていましたが、顔色も悪く元気も無いのでお迎えをお願いします」
NG例ではどのくらい発熱しているのか、子どもの様子がどうなのかが分りませんよね。
具体的な数字と子どもの様子を一緒に伝えると、保護者の判断もスムーズになります。
看護師が医師に報告するときも、数値と患者さんの様子をセットで伝えます。
視覚的に得た情報は、数値と同じくらい大事。
新人保育士さんは、自分の判断に自信が持てないこともあると思います。
ですが、いつもと違う感覚は立派な根拠になるので、自信を持って対応してくださいね。
2.新人保育士必見!「お迎えコール」完全ガイド
保護者に納得してもらえる伝え方をマスターしたら、次は実践!
新人保育士さんがそのまま使える「お迎えコール完全ガイド」を看護師視点でシーン別にまとめたので、活用してくださいね。
まず大前提として、保育士さんが焦っていたり、早口だと保護者側も不安になってしまいます。
慣れないお迎えコールで焦ってしまう気持ちはわかりますが、電話の前にゆっくり深呼吸して落ち着いたトーンでゆっくり話すのがポイントです。
・お迎え要請時間をスムーズに伝えるテクニック
「なるべく早く来てください」この言葉、使いたくなりますよね。
ですが、これだと仕事中の保護者にとってはかなりプレッシャーになることがあります。
そして抽象的な表現なので、判断に困ってしまいます。
この場合は、具体的な時間を明示すると親切。
例文
「お仕事の調整もあると思いますが、1時間以内を目安にお迎えをお願いできますか?」
「16時以降職員の数が減ってしまい個別の対応が難しくなってしまうので、それまでに来ていただければ○○ちゃんも安心だと思います」
この言い回しなら、時間を具体的に伝えているので保護者も仕事の調整しやすいですよね。
・「お迎えにすぐに行けない」と言われたときの神対応
「今どうしても抜けられないんです」と言われると、新人保育士さんはどう返したらいいかパニックになると思います。
ここは粘り強くお迎えの交渉するのではなく、まずは「子どもの安全」を伝えましょう。
これができると、保護者との信頼関係も築けますよ。
例文
「そうですよね、お忙しい時間に申し訳ありません。お迎えを待っている間は職員が付き添い、静かな部屋で水分を摂りながらお休みしますね。30分後にもう一度○○ちゃんの様子も含めて連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
このように伝えると保護者は30分の間に仕事の調整もできますし、子どももしっかり見てもらえる安心感を得られます。
・「呼び出しが多すぎ!」と言われたときのフレーズ集
「またですか…」このセリフ、保育士さんにとって一番グサッと来る言葉ですよね…
しかしこの言葉、保育士さんを責めたいのではなく保護者の「焦り」であるのがほとんど。
ここは保護者のやり場の無い焦りに寄り添いつつ、お迎え要請しましょう。
例文
「度重なるご連絡で心苦しいのですが、今日はいつもと少し様子が違うためご連絡しました。普段と比べて元気がなく、顔色も悪い状態です。水分をすすめていますがあまり飲めずおしっこの量も減っているので脱水も心配な状況です。早めに○○ちゃんをゆっくり休ませてあげられるようお迎えをご検討いただけますでしょうか。」
「まだ小さいお子さんは、免疫力が低くて保育園に来ているといろいろな病気にかかりますよね。お母さん(お父さん)もお忙しい中大変かと思いますが、落ち着いた環境で休んだ方が回復も早いと思いますのでお迎えのご協力をお願いいたします。」
3.お迎えコールは保護者との信頼関係を築くチャンス
お迎えコールは保育士さんにとってかなりのプレッシャーになることだと思います。
ですが、これは子どもが早く元気になるための手段で、保護者との情報共有です。
お迎えまでの間に子どもをしっかり看病してくれている、子どもの状況を把握してくれているとわかれば保護者も安心して子どもを預けられますよね。
私も経験がありますが、お迎えコールがきたときの保護者は職場への申し訳なさと罪悪感で心の余裕がなくなるのがほとんど。
保育士さんからの一言が、心の支えになります。
保護者がお迎えに来たとき「お忙しい中お仕事の調整していただきありがとうございます」と労いの言葉を添えてみてください。
保護者との信頼関係がさらに深まると思います。