施設実習で戸惑いやすい「試し行動」。声をかけても無視されたり、わざと反対のことをされたりすると不安になりますよね。試し行動は「嫌われたサイン」ではなく「受け止めてほしい気持ちの表れ」。この記事では、意味や背景、対応、日誌の書き方をやさしく解説します。
施設実習に行くと、「子どもがなかなか心を開いてくれない」「急に叩かれた」
そんな経験をする実習生は少なくありません。
戸惑うその姿は、もしかしたら「試し行動」かもしれません。
試し行動は「イヤだ、嫌い」ではなく、「本当に受け止めてもらえるの?」の気持ちの表れです。
この記事では、試し行動の意味や背景、実習での対応のコツ、日誌に書けるヒントをわかりやすく解説します。
知識をもっているだけで、心に余裕を持って施設実習に参加できます。
安心して、落ち着いた気持ちで実習に臨んでくださいね。
1. 試し行動とは?
試し行動とは、大人の愛情や関心を確かめるために子どもがとる行動です。
「叩く」「無視する」「わざと反対のことをする」などが代表的で、実習中に戸惑う実習生も多いでしょう。
実習で知っておきたい背景
一見すると「嫌われている」と感じやすい姿も、実は「受け止めてほしい」思いの表れです。
とくに愛着形成が不安定な場合に多く見られ、心理学では「愛着障害」の言葉で説明されることもあります。
実習生にとって「なぜこうした行動が起こるのか」を理解しておくことはとても大切です。
背景を知っておくことで、「嫌われた」と思い込まずに落ち着いて関われるようになります。
こうした姿は施設実習だけでなく、保育園など日常の保育現場でも見られます。
試し行動とイヤイヤ期はどうちがう?
2歳・3歳ごろにも見られる試し行動。
「これってイヤイヤ期と同じ?」と思う方もいるかもしれません。
イヤイヤ期は「自分でやりたい」自我の芽生えによる発達の一段階です。
試し行動は大人との関わりの中で、信頼や愛情を確かめるための行動。
どちらも反抗的に見えることがありますが、背景はまったく異なります。
この違いを知っておくと、子どもの姿を落ち着いて受け止めやすくなります。
2. 施設実習でよくみられる試し行動の具体例
施設実習での実習生が戸惑いやすい具体例を紹介します。
試し行動の具体例
・声をかけても無視される
・仲良くなったと思ったら急に突き放す
・わざと反対のことをする
・噛みつく・叩くなどの身体的な行動
・暴言や天邪鬼な反応
こうした行動に直面して驚いたり、不安になるのは自然なことです。
具体例を知っておくだけで「自分だけが戸惑っているわけではない」と安心できます。
実習日誌に書くときは、こうした姿を事実として記録することから始めましょう。
3. 実習で試し行動に出会ったときの対応と心構え
試し行動への向き合い方と心構え
試し行動に出会ったときは、否定や怒りで返さず、一貫した態度で関わることが大切です。
無理に仲良くなろうとせず、距離感を保ちながら「見ているよ」「大切にしているよ」と安心感を伝えましょう。
完璧に対応できなくても大丈夫です。
【体験談】
実習で感じた“試し行動”との向き合い方
私自身も施設実習中に、子どもから天邪鬼な態度をとられて戸惑ったことがありました。
たとえば、声をかけてもわざと反対のことをしたり、こちらを見ながら知らないふりをしたり…。
頭では「試し行動かもしれない」と理解しているつもりでも、「嫌われているのかな」と不安になる日がありました。
どう関わればよいか悩みましたが、笑顔で声をかけ続け、見守る姿勢を大事にしたところ、少しずつ話しかけてくれるようになったのです。
短い実習の中でも「関わりを続けること」が信頼につながるのだと実感した経験です。
関わりを続けることが信頼につながる
対応に正解はありません。
大切なのは「関わりを続ける姿勢」です。
短期間の実習でも、子どもはその姿をしっかり感じ取っています。
焦らず、一つひとつの関わりを大切にしていきましょう。
4. 実習日誌に試し行動を書くときのポイントと例文
実習日誌には「行動の事実」+「自分の気づき」+「次につなげる学び」を書くのがポイントです。
例文
「返事がなかったが、関わりを求める姿かもしれないと感じた」
「突き放す態度にも笑顔で関わることで距離が縮まると学んだ」 など。
日誌は“できなかったこと”ではなく“気づけたこと”を書く場です。
うまく対応できなくても、感じたことを丁寧に残すことが成長につながります。
もし可能であれば、施設の担当者や先生に、気になることを質問してみてもよいでしょう。
子どもの背景などを知ることで、学びがより深まります。
5.実習の試し行動は子どものサイン
試し行動は「嫌われた」のではなく、「受け止めてほしい」気持ちのサインです。
実習で完璧に対応する必要はありません。
知識をもっておくだけで不安が和らぎ、安心して落ち着いた気持ちで実習に臨めます。
実習は戸惑いや不安があって当然です。
大切なのは、その経験を通して「自分なりの学び」をもち帰ること。
試し行動を知識として理解しておけば、不安な場面も前向きな学びへと変えられます。
実習を重ねるなかで、きっと一歩ずつ自信につながっていくでしょう。
うまくいかない日も含めて成長のチャンスです。
試し行動を通して“人と信頼関係を築く力”を学んでいく時間でもあります。
子どもと過ごす一日一日を大切に、自分らしく実習に臨んでくださいね。
応援しています。