保育園での保育実習が始まると、毎日ついてくるのが“実習日誌”。「何を書けばいいの?」「気づきや反省が思いつかない…」と不安になる方も多いですよね。この記事では、はじめて保育園実習に行く保育学生さんや、実習日誌に悩む方に向けて、項目別・年齢別・場面別に書き方のポイントをまとめました。
1.保育の”実習日誌”とは?保育園実習での役割
「実習日誌、何を書けばいいかわからない…」
保育実習に行くと、多くの保育学生がこんな不安を感じますよね。
保育の実習日誌は、実習での学びを記録し、あとから振り返るための大切なツール。
子どもの姿や保育者の援助を観察し、自分が気づいたことを言葉にすることで、少しずつ保育の専門性を身につけていけるんです。
実習日誌を書く目的は、大きく次の3つです。
実習日誌を書く3つの目的
- 実習での学びを整理し、理解を深めるため
- 指導者からのアドバイスを受け取る材料になるため
- 就職後も振り返れる成長の記録として残すため
実習日誌は、担任の先生だけでなく、園長先生など複数の方が目を通すこともあります。
だからこそ、誰が読んでも状況が伝わるよう、丁寧でわかりやすく書くことを意識したいですね。
最初は「書き方がわからない」「時間がかかる」と感じても大丈夫。
ポイントをおさえれば、少しずつ迷わず書けるようになりますよ。
2.保育実習日誌の項目別の書き方|保育園で何を記録する?
実習日誌の主な項目は、次のとおりです。
実習日誌の主な項目
- 基本情報(日付・天気・クラス・担任名)
- ねらい・目標
- 時間・活動内容
- 環境構成
- 子どもの様子
- 保育者の動き
- 実習生の気づき
- 反省・考察
基本は、すべての欄をできるだけ埋めることです。
ただし、文字数を増やすことが目的ではありません。
「何が起きたか」「何に気づいたか」が伝わるよう、具体的に書くことを意識しましょう。
ここからは、各項目の書き方を一つずつ解説していきますね。
・基本情報|日付・クラス・担任名の書き方
基本情報は、日誌の冒頭に記入する項目です。
日付、天気、○歳児クラス、在籍人数、欠席人数、担任の先生の名前を書きます。
実習初日に、担任の先生へ確認しておくと安心です。
毎日の出欠は朝の会で把握できますが、迷ったときは遠慮せず質問しましょう。
担任の先生の名前は、必ず正しい漢字で書いてくださいね。
NG例
- 担任名をひらがなで書く
- 欠席人数を空欄のまま提出する
・ねらい、目標|クラスの目標と自分の学びを書く
「ねらい」は、クラス全体として大切にしている保育目標です。
担任の先生が設定したものを、そのまま記入します。
保育室に「今月のねらい」として掲示されていることが多いのでチェックしてみてくださいね。
「目標」は、実習生自身がその日に意識したい学びです。
何を学びたいか、どのように関わりたいかを具体的に書きましょう。
初日は「子どもの名前を覚える」「積極的に声をかける」などで十分です。
実習が進むと、「子どもの気持ちに寄り添った言葉がけを意識する」など、
より具体的な目標が立てられるようになりますよ。
NG例
「三歳児の発達を学ぶ」など、範囲が広すぎて行動が見えない目標
・時間、活動内容|一日の流れの記録方法
時間の欄には、各活動の開始時刻と終了時刻を記入します。
登園から降園まで、一日の流れに沿って書くのが基本です。
活動内容は、「何をしたか」がわかるよう簡潔にまとめましょう。
たとえば
「戸外遊び(鬼ごっこ・砂場遊び)」「製作活動(折り紙でチューリップ)」
のように書くと伝わりやすくなります。
時刻を正確に書くため、腕時計をこまめに確認する習慣をつけてくださいね。
NG例
「外遊び」「自由遊び」だけで、活動内容がわからない記述
・環境構成|図で保育室の配置を記録する
環境構成では、保育室や園庭の配置、教材・遊具の位置、保育者の立ち位置を記録します。
文章だけでなく、簡単な図を使うと状況が伝わりやすくなります。
給食時のテーブル配置や、製作活動での机の並び方などを図で表してみましょう。
定規を使って丁寧に描くことも大切なポイント。
保育者が子どもの動線や安全性を考えて配置していることを意識して観察すると、学びが深まります。
NG例
- 文章だけで位置関係がわからない
- 保育者と子どもの距離感が伝わらない
・子どもの様子|具体的なエピソードで記録
子どもの様子は、活動中の姿を具体的に記録する項目です。
全体の様子と、一人ひとりの姿の両方を書くことを意識しましょう。
「元気に外遊びをしていた」だけでは、様子が伝わりません。
「Aちゃんは友だちを誘って鬼ごっこをはじめ、笑顔で走り回っていた。Bくんは砂場で一人黙々とトンネル作りをしていた」
のように、行動や表情を具体的に書いてくださいね。
子ども同士のやりとりや、トラブル時の様子も大切な記録になります。
記録に入れたい具体的な要素
- 子どもの表情(笑顔・真剣な顔・困った様子など)
- 子どもの言葉(「先生見て!」「貸して」など)
- 友だちとの関わり方(一緒に遊ぶ・一人で集中するなど)
- 遊びの工夫や展開(砂場でトンネルを掘る→水を流す、など)
NG例
「元気に遊んでいた」など、情景が浮かばない表現
・保育者の動き|援助や配慮の観察ポイント
保育者の動きでは、担任の先生の援助や配慮を記録します。
たとえば、泣いている子に声をかける際、目線を合わせてしゃがみ、背中をさすりながら落ち着くのを待つ姿などです。
こうした関わり方を具体的に書きましょう。
導入時の言葉がけ、危険を予測した立ち位置、個別への配慮も重要な観察ポイントです。
「なぜその関わりをしたのか」を考えながら見ることで、学びがより深まりますよ。
観察したい保育者の援助例
- 子どもの目線に合わせてしゃがんで話す
- 「〜しなさい」ではなく、「〜しようか」と誘いかける
- トラブル時、すぐに介入せず様子を見守る
- 一人ひとりの発達に合わせて援助の度合いを変える
NG例
「見守った」「声をかけた」だけで、援助の意図がわからない
なお、「保育者の動き」を観察していて
「これってどういう意図なんだろう?」
「今の声かけ、理由を聞いてみたい…」
と思ったときは、質問できると学びが一気に深まります。
質問が思いつかないときは、実習でそのまま使える例文をまとめた記事も参考にしてみてくださいね。
・実習生の気づき|自分の行動を振り返る
実習生の気づきでは、自分がどのように行動したかを振り返ります。
子どもへの声かけ、遊びへの参加、保育者の手伝いなどを具体的に書きましょう。
初日は指示を受けて動く場面が多くても問題ありません。
「絵本棚を整理した」「子どもと一緒にブロック遊びをした」
など、小さな行動も立派な記録です。
失敗したことも、正直に書いて大丈夫。
その気づきが、必ず次の成長につながりますよ。
NG例
「とくになし」「楽しかった」だけで終わっている記述
・反省、考察の書き方|実習日誌で評価につながるポイント
反省・考察では、一日の実習を振り返りながら、学びや課題を整理していきます。
反省では、うまくいかなかった点や改善したい点を具体的に書きましょう。
考察では、
「なぜそうなったのか」「どうすればよかったのか」
を考えます。
「事前準備が整っていたから活動がスムーズだった。準備の大切さを学んだ」
のように、学びを言葉にしてくださいね。
最後に明日の目標を添えると、成長の流れが見えやすくなります。
NG例
「もっと頑張る」など、改善策がわからない反省
「実習日誌がどうしても苦手」「毎日同じ内容になってしまう…」
と感じている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
3.実習日誌を書くときの基本ルール|言葉づかいと表現
「書いた内容は合っているはずなのに、注意されてしまった…」
そんな経験をする保育学生は少なくありません。
実習日誌は、指導者や園長先生が読むもの。
内容だけでなく、読みやすさや言葉づかいも大切なポイントになります。
書き方の基本ルール
- 黒ボールペンで記入(消えるペンは不可)
- 文字は丁寧に、読みやすく書く
- 「です・ます調」で統一する
- 誤字脱字は必ず見なおす
- 修正液は使わず、二重線で訂正する
避けたい表現
- 「〜だと思う」など、あいまいな表現
- 「元気よく」だけの抽象的な表現
- 話し言葉(「すごい」「〜だよね」など)
最初から完璧に書けなくても大丈夫です。
毎日書き続けることで、自然とコツがつかめてきます。
・保育用語への言い換え一覧|トイレ→排泄など
実習日誌では、日常会話の表現をそのまま使わず、保育用語に言い換えます。
最初は難しく感じますが、よく使う言葉から覚えていけば大丈夫ですよ。
基本的な言い換え
- トイレ → 排泄
- 昼寝 → 午睡
- おやつ → 午後食
- 褒める → 認める・励ます
- 叱る → 伝える・知らせる
- 〜させる → 〜を促す
NG表現と適切な表現
- NG:出席を取る → OK:出席確認をする
- NG:並ばせる → OK:整列を促す
- NG:元気よく遊ぶ → OK:笑顔で友だちと関わりながら遊ぶ
「〜を促す」は便利ですが、多用すると不自然になります。
状況に合わせて、さまざまな表現を使い分けてみましょう。
・よくある間違い|主語の混同・語尾の統一
主語の混同に注意
NG:出席を取る
→保育者の行動になっているため
OK:出席確認を受ける
→子ども側の行動として適切
「子どもの活動」欄には子ども側の行動を、
「保育者の動き」欄には保育者側の行動を書くよう意識しましょう。
4.実習日誌を早く書くコツ|メモと時間管理
実習日誌は毎日書くものだからこそ、無理なく続けられる書き方を身につけることが大切です。
ここでは、日誌を早く書くためのコツを2つに分けて紹介しますね。
・メモ禁止の園での記録方法|時間の覚え方
園によっては、実習中のメモが禁止されている場合もあります。
その場合は、時刻や出来事の流れだけでも意識して覚えておくことがポイントです。
書くことを意識して実習に臨む
- 実習中から「これは日誌に書けそうだな」と意識して関わる
- 保育者の言葉がけや援助のしかたに注目して見る
- 子どもの印象的な表情や行動を頭の中で整理しておく
- 休憩時間や帰宅後に思い出しやすくするための準備として考える
メモ禁止の園での工夫
- 腕時計で時刻をこまめに確認する
- 子どもの名前を呼びながら関わり、印象を残す
- 休憩時間に、許可された範囲でメモを残す
- 思い出せない部分は、担任の先生に確認する
・休憩時間に午前中の分を書く|当日中に終わらせる工夫
実習日誌は、できるだけ当日中に書き終えるのが理想です。
時間が空くほど、細かい場面を思い出しにくくなりますよね。
休憩時間をうまく使うコツ
- お昼休憩や午睡中に、午前中の分だけでも書いておく
- 基本情報・時間・活動内容は先に埋めておく
- 帰宅後は「考察・振り返り」だけにすると負担が減る
書きやすい順番の例
- ① 基本情報
- ② 時間・活動内容
- ③ 環境構成
- ④ 子どもの様子
書けるところから埋めていくことで、日誌全体がスムーズに仕上がります。
5.年齢別・場面別の記録ポイント|0歳児から幼児まで
実習日誌の書き方は、子どもの年齢や活動場面によって少しずつ変わります。
最初は「どこを見ればいいの?」と迷いやすいですが、ポイントをおさえれば大丈夫!
年齢ごとの発達や、その場面ならではの視点を意識して記録していきましょう。
0~2歳児(乳児)の記録ポイント
一人ひとりの発達段階の差が大きい時期です。
排泄・食事・午睡など、生活場面での個別の様子を丁寧に観察しましょう。
あわせて、安全面や衛生面での保育者の配慮にも注目すると学びが深まります。
3~5歳児(幼児)の記録ポイント
友だちとの関わりや集団での活動が増える時期です。
子ども同士のやりとり、ルールのある遊び、当番活動など、社会性の育ちに目を向けて記録しましょう。
年齢ごとの発達の特徴を意識すると、観察の視点が広がり、日誌も書きやすくなりますよ。
とくに0~2歳児クラスの記録では、「何を見ればいいのかわからない」と迷う保育学生さんも多いですよね。
そんなときは、乳児期ならではの発達や関わりのポイントをあらかじめ知っておくと、観察の視点がはっきりします。
0歳児保育で大切にされている考え方や、担任が意識しているポイントを知りたい人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
・自由遊び、戸外遊びの記録
自由遊びや戸外遊びでは、子どもが自分で遊びを選び、主体的に関わる姿が見られます。
記入のポイント
- どの子が何の遊びを選んだか(ブロック・ままごと・砂場など)
- 一人で遊ぶ子、友だちと関わる子の様子
- 遊びの広がりや展開(「トンネルを作り、電車を走らせていた」など)
- 保育者の見守り方や援助のタイミング
戸外遊びでは、保育者の立ち位置や、子ども同士のトラブルへの対応にも注目してみましょう。
記録に活かせる具体例
- 「Cちゃんは滑り台の順番待ちで、前の子に『次、わたし!』と声をかけていた」
- 「Dくんは砂場でトンネルを掘り、友だちが『すごいね』と声をかけると嬉しそうに笑っていた」
- 「保育者は子どもたちが見渡せる位置に立ち、危ないときだけ近づいて声をかけていた」
自由遊びや戸外遊びを観察していると、活動と活動の間に生まれる「ちょっとしたスキマ時間」に戸惑うこともありますよね。
そんな場面での保育者の関わり方や、子どもとの自然なつなぎ方を知っておくと、観察の視点も広がります。
実習中に役立つ「つなぎ遊び」や声かけのアイデアを知りたい人は、こちらの記事も参考になります!
・給食、午睡の記録|生活場面の観察ポイント
給食や午睡は、生活習慣や一人ひとりへの配慮がよく表れる場面です。
給食の記入ポイント
- 配膳の様子や食事の援助の仕方
- 好き嫌いへの対応や声かけ
- スプーン・箸の使い方への関わり
午睡の記入ポイント
- 布団の配置や保育者の見守り位置
- 寝つきにくい子への対応
- 午睡時の見守り(呼吸・体勢などの確認)
こうした生活場面では、保育者の細やかな配慮や安全への意識がよく表れています。
記録に活かせる具体例
- 「Eちゃんは野菜が苦手だが、保育者が『一口だけ食べてみようか』と優しく声をかけると、少し食べられた」
- 「保育者は一人ひとりの布団の近くを回りながら、呼吸や体勢を確認していた」
・設定保育、製作活動の記録
設定保育や製作活動では、保育者の意図的な援助や関わりが多く見られます。
記入のポイント
- 活動のねらい
- 導入での興味の引き方(絵本・歌・実物提示など)
- 製作の手順説明や見本の示し方
- 一人ひとりへの個別の援助(「ここを押さえてごらん」など)
- 完成後の共有や振り返りの様子
子どもが意欲的に取り組めるよう、保育者がどんな言葉がけや環境設定をしているかにも目を向けてみましょう。
記録に活かせる具体例
- 「保育者は『今日は何を作るでしょう?』とクイズ形式で導入し、子どもたちは目を輝かせて答えていた」
- 「Fくんがのりの使い方に迷っていると、保育者は『この線まで塗るといいよ』と見本を見せながら伝えていた」
6.実習日誌のよくある悩み|メモ・遅れ・失敗の書き方
実習日誌については、実習中や帰宅後にさまざまな悩みが出てきますよね。
ここでは、保育学生からとくに多い質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. 実習日誌のメモは実習中に取ってもいい?
A1. 園の方針によります。
メモを禁止している園もあるため、実習初日のオリエンテーションで必ず確認しましょう。
メモができない場合は、時刻や印象的な出来事だけを頭に残し、休憩時間や帰宅後にまとめると書きやすくなります。
Q2. 実習日誌を書く時間がなくて提出が遅れそう…
A2. 早めに担任の先生へ正直に相談しましょう。
「今日中に提出できず申し訳ありません。明日の朝までに提出します」など、期限をはっきり伝えることが大切です。
黙って遅れるより、相談したほうが誠実な印象につながりますよ。
Q3. 失敗したことも実習日誌に書いていい?
A3. むしろ書いたほうが評価につながります。
失敗そのものより、「そこから何を学んだか」「次にどう活かしたいか」を書くことが大切です。
正直な振り返りは、成長しようとする姿勢として受け取られます。
Q4. 実習日誌が反省ばかりになってしまう…
A4. 「できたこと」や「気づいたこと」も必ず入れましょう。
反省だけで終わらせず、「次はこうしたい」と改善策を一文添えると、前向きな日誌になります。
小さな気づきでも、立派な学びです。
7.保育園の実習日誌は成長の記録|就活にも活きる財産
実習日誌は、その日一日を提出して終わるものではありません。
あとから何度も振り返れる、あなただけの成長の記録です。
実習日誌が「将来の力」になる理由
- 子どもへの関わり方を振り返るヒントになる
- 保育者の援助や配慮を言語化できるようになる
- 就活の面接で「実習で学んだこと」を具体例で話せる
保育士になったあと、「あのとき、どんなことを学んだんだろう」と迷ったとき。
実習日誌を見返すことで、子どもへの関わり方や環境づくりのヒントが見つかることがあります。
また、就職活動の面接では「実習で学んだこと」を聞かれることがとても多いです。
日誌を丁寧に書いてきた人ほど、具体的なエピソードを自分の言葉で話せるようになります。
実習は正直、大変なこともたくさんありますよね。
それでも、毎日向き合って書いた日誌は、確実にあなたの力になっています。
うまく書けなかった日があっても大丈夫。少しずつ積み重ねていきましょう。
実習が終わったら、次は就職活動がはじまります。
ほいコレナビでは、実習先の園を含めた求人情報を探せます。
「この園で働きたい」と感じたら、ぜひチェックしてみてくださいね。