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子どもにフッ化物を使うのは本当に危険?新人保育士向けに看護師が解説|子どものリアルな声も!

フッ化物
新人保育士の皆さん。今回は子どものフッ化物の使用について看護師の私から解説します。「フッ化物は危険」「フッ化物は毒」と情報がある中で本当に安全なの?と不安になりますよね。フッ化物は使い方と量を守れば安全です。しっかりと正しい知識を身に付けましょうね。
index

1.保育士必見!フッ化物って何?
2.フッ化物は危険?使い方を守れば虫歯予防になる
3.子どもへのフッ素塗布はいつから?具体的な使用法を解説
・フッ素塗布は歯が生え始めたら可能
・保育園でフッ化物洗口するときは?
4.フッ化物に不安をもつ保護者へ、保育士ができるアドバイス
・濃度や使用方法を守れば安全で歯を強くすることを伝えよう
・苦そうでイヤだ…子どもの不安にも寄り添おう

1.保育士必見!フッ化物って何?

新人保育士の皆さん「フッ化物」にどのようなイメージがありますか?
ほとんどの人は、虫歯を予防するイメージをもっていると思います。
しかし、インターネット上では「フッ化物は危険」という情報も流れていて、子どもに本当に使って大丈夫なの?と不安になりますよね。
まずは、フッ化物とは何かをおさえておきましょう!

フッ素は化学的に合成されたものではなく、自然界に広く分布している元素です。土壌中に280ppm、海水中に1.3ppm含まれています。地球上のすべての動・植物にも、毎日飲む水や食べる海産物・肉・野菜・果物・お茶などほとんどの食品に微量ながら含まれています。私たちの身体(歯や骨、血液中や軟組織)にも存在しています。

フッ素元素の陰イオン(F-)の状態にあるものをフッ化物イオンまたはフッ化物といいます。厳密には、フッ化物イオンが含まれる化合物をフッ化物と呼びます。むし歯予防に用いられるフッ化ナトリウムもフッ化物で、水の中で薄い濃度で溶解している状態ではフッ化物イオンとして存在しています。

簡単に言えば、フッ素と他の物質がくっついて安定した形に変化したものがフッ化物です。
虫歯予防に使用するのは、フッ素とナトリウムが結合した「フッ化物ナトリウム」で、安全性が高い成分。
正しい方法で量を守れば虫歯予防に大きな効果があります。
しかし、必要よりも多く使ってしまったり誤って飲み込んだりしてしまうと体に害が出る危険性もあるので注意しましょう。
次にフッ素入り歯磨き粉の使用量の目安を、年齢別にお伝えします。
年齢別歯磨き粉の目安
・歯が生えてから2歳頃…米粒程度(1~2mm程度)
・3~5歳…グリーンピース程度(5mm程度)
・6~成人…歯ブラシ全体(1.5~2cm)
一度に大量のフッ化物を飲み込んでしまったとき、フッ素中毒を引き起こすことがあります。
症状としては、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。
しかし普段歯磨きのときに少量飲み込む程度でなることは無いので、過剰に心配しなくて大丈夫!
磨き終わったらしっかりうがいをして、口の中に歯磨き粉が残らないようにしましょう。

2.フッ化物は危険?使い方を守れば虫歯予防になる

実際には「フッ化物が危険」は誤解で、適切な量と使用方法を守れば安全です。
ちなみに元素のフッ素単体は猛毒とされています。
さきほどもお伝えした通り、フッ素とフッ化物は性質が違うもの。
実際に医療現場でも早めのフッ化物塗布をすすめています。
乳歯はエナメル質がやわらかく、虫歯になりやすいです。
早めにフッ素塗布を始めることで、歯を強くし虫歯を予防できますよ。
また、3歳児健診でフッ素塗布をする自治体もあります。
わが家の子どもたちも3歳のとき、はじめて歯医者でフッ素塗布しました。
嫌がって暴れるかな…と心配でしたが、意外にすんなり終わってほっとした記憶があります。

3.子どもへのフッ素塗布はいつから?具体的な使用法を解説

・フッ素塗布は歯が生え始めたら可能

フッ化物塗布は、乳歯が生え始める1歳頃から推奨されています。
目安は上下の前歯が4本ずつ生えた頃が効果的。
奥歯はとくに虫歯のリスクが高いので、奥歯が生え始める2歳頃に始めるのもOK。
フッ化物塗布の頻度は3~4ヶ月に1度が理想的です。
歯医者でのフッ化物塗布だけでなく、日常的にフッ化物を含んだ歯磨き粉で歯磨きをすることも大切です。
「フッ素入り」と書いてある歯磨き粉で磨いて大丈夫?と心配になるかも知れませんが、強い薬ではありません。
子ども用の歯磨き粉なら、さらにやさしいのでおすすめです。

・保育園でフッ化物洗口するときは?

フッ化物洗口をしている保育園もあります。
ブクブクうがいができるようになる4歳から始めます。
保育士さんは具体的な方法と注意点をおさえておきましょうね。
フッ化物洗口の方法
1.コップに5~10ml程度の洗口液を入れる
2.「お口の中にお薬を入れて、1分ブクブクするよ」と声をかけて1分間口の中でブクブクする「ゴックンしないように気を付けてね」と注意する
3.1分経ったら「コップの中にぺってしてね」と吐き出す
注意点
・フッ化物洗口が終わったあと30分は飲食ができないため、喉が渇いている子どもがいたら実施前に水分補給させる
・1分間のうがいが難しい場合は、無理せず30秒でもOK!音楽をかけて行うと子どもたちも楽しくできる
理想は1分間しっかりブクブクできるといいですが、口の中にずっと洗口液を入れていると息がうまくできない子どももいると思います。
30秒以上で効果が出始めるので、無理のない時間で行いましょう。
家でも水で1分間ブクブクする練習してもらうとスムーズに行えるので、保護者にも協力してもらえるといいですね。

4.フッ化物に不安をもつ保護者へ、保育士ができるアドバイス

・濃度や使用法を守れば安全で歯を強くすることを伝えよう

子どもに使って大丈夫なの?と不安を抱く保護者もいると思います。
保育士さんは、保護者の不安に寄り添ってアドバイスしましょう。
看護師視点でのアドバイスのポイントをお伝えしますね。
虫歯予防をしよう
アドバイスのポイント
・「いろいろな情報があるから不安になりますよね」と共感したうえで「フッ化物は濃度と使用方法を守れば安全ですよ」と伝える
・「毎日の歯磨きと一緒に行うことで歯を強くしてくれますよ」とフッ化物の効果について伝える
・「歯医者さんで相談して決めるのが一番安心ですね」と歯科受診をすすめる
無理にフッ化物をすすめるのではなく、まずは保護者の不安に寄り添うことが大事。
それでもフッ化物をやらせたくない保護者もいるので、そのときは一度歯医者で相談してもらいましょう。

・苦そうでイヤ…子どもの不安にも寄り添おう

実際にフッ化物塗布や洗口をするとき、「苦そうでイヤだ!」不安を感じる子どももいるでしょう。
保育園でフッ化物洗口をする場合、どんな味がするのか、どのくらいブクブクするのかを事前に伝えましょう。
たとえば「ほんの少し苦いけど、青リンゴの味がするよ」と子どもの不安を解消できるような声掛けをしましょう。
小3の息子も週に1回、学校でフッ化物洗口しています。
フッ化物洗口ってどんな感じ?小3息子にインタビュー
Q.フッ化物洗口ってどんな味?
A.甘いけど、ほんのり苦いから苦手…何回かやれば慣れるから大丈夫。
Q.1分間のうがいはつらい?
A.そんなにつらくないけど、鼻が詰まっているときは息がうまくできなくて結構つらい。
Q.フッ化物洗口する園児の皆にアドバイス
A.ピーマンと比べると全然苦くないから、大丈夫。歯を強くしてくれるから頑張ってね。
フッ化物は量と方法をしっかり守れば安全で、子どもの歯を守ってくれるものです。
保育士さんもこれを理解して、保護者や子どもたちの不安に寄り添ってもらえたらと思います。

執筆者:瀬川知子(看護師)

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