子どもの登園しぶりへの対応に困っていませんか? 登園を嫌がっている子どもやその保護者への対応、難しいですよね。 この記事では、登園しぶりをしている子どもだけでなく、その保護者への対応も併せて記載していきます。 ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.私自身の登園しぶりへの対応 体験談を紹介!
私自身、保育士と保護者両方の立場で登園しぶりの対応の経験があります。
ここでは、両方の立場での登園しぶりの体験談を紹介していきますね。
保育士としての体験談
3歳児の担任をしているときに途中入園児で登園しぶりのひどい子がいました。
保護者も不安を強く感じている様子でしたが、保護者と別れて少しすると泣かずに遊べていたので保護者にはその旨を繰り返し伝えていました。
しかし、保護者が子どもの姿を見られるのは登降園時だけです。
そのため、なかなか保護者の不安を軽減することはできませんでした。
保育士として登園しぶりの対応をしているときには、子どもの対応に精一杯になってしまっていました。
「お母さんも心配ですよね」「このまま離れるのつらいですよね」等と共感の言葉を保護者にかけることで、保護者の安心感につながると思います。
また、園の様子を言葉で伝えるだけでなく、写真や動画を用いて伝えればもっと安心感に繋がったと思います。
登園しぶりでは子どもの対応に集中してしまいがちですが、保護者の様子にも気を向けて、対応する必要性を強く感じました。
保護者としての体験談
私自身、娘が入園当初に登園を嫌がり、家で準備をしている段階から泣いている時期がありました。
保育士としての経験があるため「登園時に泣くのは当たり前」と分かっているつもりでも、子どもが泣き叫ぶ中別れるのはとても辛かったです。
また、“登園時は子どもが泣いていてもサッと帰った方がいい”と分かっていました。
しかし、いざ自分の子どもが泣き叫んでいる様子を見るとやはり後ろ髪を引かれるものがありました。
保護者は、登降園時の子どもの様子と、保育士から聞く園での様子からしか子どもの情報を得られません。
そのことを十分に理解した上で、保護者と子ども両方に寄り添った対応が重要なのだと気づけました。
2.登園しぶりの理由 考えられるもの3選
登園しぶりの理由として考えられるものは以下3点です。
①保護者(ママ)と一緒にいたい
②保育園への不安
③友だちとのトラブル
一つずつ詳しく説明していきますね。
①保護者(ママ)と一緒にいたい
登園しぶりの主な理由が「ママと一緒にいたい」だと考えられます。
とくに連休明けや進級時に「ママと一緒にいたい」気持ちから登園しぶりがよく見られます。
子どもの気持ちの背景(休みが楽しかった等)を考え、気持ちに寄り添っていきましょう。
新入園児は新しい環境、友だち、先生とすべてがはじめてのことだらけです。
保育の場面が変わるごとに保育士が付き添い、安心できるように配慮しましょう。
また、はじめはなるべく同じ保育士が関わるようにし、“困った時にはこの人に頼ればいい”と思えるような関係性を構築するのもいいですね。
子どもの安心につながる関わりを心がけていきましょう。
②保育園への不安
とくに新入園児やその保護者は保育園への不安が強いです。
気持ちに寄り添うとともに、保育園での活動に見通しをもてるような工夫が必要です。
保護者が不安そうな雰囲気だと、子どもはその不安を感じ取ります。
まずは保護者に安心してもらえるよう活動内容を丁寧に伝えたり、子どもの様子を共有したりするのも重要ですよ。
新入園児ではなくても、行事前や進級直後は普段の保育とは環境や流れが異なり、不安を感じることもあります。
行事前は、子どもが楽しみにできるように活動の導入や流れの説明を丁寧にしましょう。
③友だちとのトラブル
とくに幼児クラスの子どもに友だちとのトラブルが原因での登園しぶりが見られます。
幼児では、友だちと言葉でのコミュニケーションが主となります。
「強い言葉を使われて怖かった」「一緒に遊びたくないと言われてしまった」等、言葉が原因でのトラブルもあります。
前日に友だちとけんかした等、子ども同士のトラブルがある場合は必要に応じて保育士が介入してトラブルを解消していきましょう。
子どもが何に対して不安を感じて登園しぶりをしているかを丁寧に聞き出すことが重要ですよ。
日中に子ども同士のトラブルがあり、子どもの気持ちに変化がありそうな日には、降園時に保護者に伝えておくことも必要です。
保護者自身も登園しぶりの理由がわかると、安心して対応できますよ。
3.年齢別の登園しぶりへの対応
登園しぶりでは年齢ごとに配慮が異なります。
ここでは登園しぶりへの対応を年齢別に解説していきますね。
①0、1歳児
0、1歳児は人見知りが理由での登園しぶりが多く見られます。
登園時はなるべく同じ保育士が受け入れるようにして、信頼関係を築けるようにしましょう。
登園後は好きな遊びに誘い、気持ちの切り替えを促すのがおすすめですよ。
0、1歳児では、保護者もはじめて子どもを保育園に預けるため、不安があります。
保護者とその子の好きなおもちゃや遊び等の情報を共有し、コミュニケーションをこまめに取るようにしましょうね。
②2歳児
2歳児は自己主張が強くなり、「イヤイヤ期」とも重なる時期です。
気持ちを受け止めて、気持ちを切り替えられるような対応が必要です。
イヤイヤ期は理由がなくても「イヤ」と言いたい時期でもあります。
自分で決めたい気持ちも強いので、「どっちのおもちゃで遊ぶ?」等と選択肢を与えると気持ちの切り替えにつながる場合もありますよ。
③3歳児
3歳児は「自立したい気持ち」と「甘えたい気持ち」が入り混じる時期です。
不安やストレスを登園しぶりの形で表す子もいます。
乳児から幼児に変わり、新入園児だけでなく進級児でも環境の変化に戸惑うことがあります。
可能であれば前年度の担任と少し関わる時間を設ける等して、新しい環境を「安心できる場所」と認識できるようにしましょう。
④4歳児
4歳児になると自立心が芽生え、自分の気持ちを言葉で表現できるようになります。
「何が嫌なのか」を言葉で伝えられるようになるため、子どもの気持ちを聞き出して、不安を軽減できるような対応が重要です。
「先生見てるからね、大丈夫だよ」と見守っていることを伝え、何かあったら先生のところに行けばいいんだ、と安心できるようにしましょう。
登園後すぐの時間はなるべく保育士の側にいられるように「先生のお手伝いしてくれる?」等と簡単な手伝いを依頼するのもおすすめですよ。
⑤5歳児
5歳児は心も体も成長し、集団生活の中での役割を理解しながら過ごせるようになります。
その一方で、卒園、就学に向けて準備が始まると不安感から登園しぶりをする子もいます。
家庭との連携を密にして、子どもの不安感を拭えるようにしましょう。
登園しぶりをしていなくても、卒園、就学と大きく環境が変わることへの不安は少なからずあります。
卒園式や就学に向けての準備が始まる時期でも、普段と同じように遊びを中心にする日を確保するのもおすすめですよ。
子どもの気の休まる日を作り、子どもがストレスを感じすぎないよう気をつけましょう。
4.子どもの気持ちを受け止め、登園しぶりへの対応をしよう!
ここまで登園しぶりの理由や対応について記載してきました。
登園しぶりの対応で一番重要なのは子どもや保護者の気持ちに寄り添うことです。
対応が難しく、一日二日で終わるものでもないため、悩むこともあると思います。
しかし、登園しぶりは一時的なものなので、“いつか終わるもの”と捉えながらポジティブに対応していきましょう!