2. 子どもの ケガ の対処法
【頭を打った】
子どもが頭を打って ケガ をしてしまった時は、次のことを確認しましょう。
観察ポイント
・意識はあるか(意識がなければ肩を叩き大きな声で名前を呼んで確認)
・呼吸をしているか、子どもの首元の脈(頸動脈)に手を当て、ドクドクと動いているか
・出血はあるか
・嘔吐、けいれん、顔が青白い
・コブはできているか
・どこで頭をぶつけたのか、強さ、ぶつけた場所の硬さ
・頭のどの部分を打ったのか
子どもの意識がハッキリとしていて、出血がなくコブができてしまっている状態なら、保冷剤で20分ほど冷やして様子を見ましょう。
そのあと念のため小児科か脳神経外科の受診をおすすめします。
次の場合は救急車を呼びます。
救急車を呼ぶ場合
・意識がない(しっかりしていない)
・呼吸、脈拍がない
・嘔吐を繰り返す
・けいれんしている
・顔色が悪い
・出血が止まらない
出血がある場合には清潔なガーゼやタオルで10分ほど圧迫をして止血をします。
頭を打った場合、その時は元気でも時間が経ってから体調が悪くなる時があります。
保育中は頭を打った子どもの顔色や活気をしっかりと観察する必要があります。
保育園で頭を打った場合には、必ず保護者に48時間は様子を見てもらうように伝え、子どもの体調に変化があれば速やかに受診をするようにお願いをしましょう。
【鼻血】
子どもが鼻血を出したら次のように対処しましょう。
対処法
・子どもが血を見てパニックにならないように、「大丈夫だよ」「すぐに止まるからね」など子どもが安心できるような声掛けをする
・座らせて下を向かせる
・小鼻の上を押さえて5分間止血をする
・口の中に溜まった血液は吐き出す
・鼻血が止まっても30分は安静にする
鼻血が出た時に上を向かせてしまうと、喉に鼻血が流れ込んでしまい誤嚥をしてしまうことがあるので、必ず下を向かせるようにしましょう。
ティッシュを鼻に詰める方法は、さらに鼻の中を傷つけてしまうこともあるので、おすすめしません。
【肘が抜けた】
子どもの肘が抜けてしまった場合には次のように対処しましょう。
対処法
・無理に腕を動かさず、子どもが楽な体制をとる
・痛みが強い場合は保冷材などで冷やす
・小児科、または整形外科を受診する
保育園には肘が日常的に抜けやすい「肘内障」の子どももいるかと思います。
保育中に気を付けることは、
・腕を強く引っ張らない
・着替えを手伝うときに無理に力を加えない
など、肘内障の子どもと関わる時には十分な注意が必要です。
むやみに自分で治そうと動かしてしまうと、正しい場所に肘が戻らないこともあるので、必ず受診をして、処置をしてもらいましょう。
【やけど】
子どもがやけどをしてしまった場合は次のように対処しましょう。
対処法
・冷水で10分以上冷やす
・皮膚と衣服がくっついてしまっている場合、衣服は脱がさずに、衣服の上から冷やす
・顔や耳などにやけどを負った場合は、タオルを冷水で濡らして患部を冷やす
・やけどをしている部分の範囲を確認
衣服で隠れている部分がやけどをしてしまった場合には、衣服を脱がせることで皮膚がはがれてしまうため、必ず衣服の上から冷やすようにしましょう。
やけどをした範囲が広範囲の場合は緊急搬送が必要です。
やけどの場合は、「すばやさ」が大事になります。
対応が難しい時は、
先輩や看護師に助けを求めましょう。
3. ケガ の対処法を知って子ども達を守ろう
保育園で起こりやすい子どもの ケガ の対処法について、看護師の私から解説をしました。
子どもの ケガ に慣れない新卒保育士さんは、初めは焦ってしまうと思います。
誰でも最初は焦るし、わからなくて当たり前です。
ですが、いざという時に子どもの ケガ の対処法を知っていれば、子どもの命を守ることにもつながります。
まずは、 ケガ をした子どものそばを離れないこと、助けを呼ぶことを新卒保育士さんには心掛けてもらいたいと思います。
子どもの命を預かっている保育士さんに、 ケガ の対処法の知識をぜひ身に付けてほしいと思います。