保育に必ず役立つ!子どもがかかる病気について知っておきましょう。今回は『 中耳炎 』について簡単解説します。 中耳炎 はどんな病気か、症状や治療、保育園での対応などを正しく理解しておくことが大切です。ぜひ、参考にしてみてください。
1.『 中耳炎 』とは?
保育現場で必ず役立つ、
『子どもの病気』に関して正しい理解を深めましょう。
今回は、子どもがかかりやすい病気の一つである『 中耳炎 』について簡単解説します。
『 中耳炎 』とは?
耳の中は、鼓膜の外側を『外耳』、
鼓膜の内側で鼻の奥(上咽頭)とつながっている『中耳』、
三半規管などがある『内耳』の3つからなる。
中耳炎 は、中耳が細菌やウィルスに感染して炎症を起こす病気で、
耳の痛みや聞こえにくさ、発熱などの症状が出る。
中耳炎 は、まだ免疫力が低く、耳の機能も十分発達していない子どもに多く、
6歳くらいまでの6~7割程が一度はかかると言われている。
また、何度も繰り返し発症することがある。
中耳炎 にはいくつかの種類があるが、
子どもの場合は、風邪などから発症する『急性中耳炎』や、
鼓膜の内側に水が溜まる『滲出性中耳炎』、
中耳炎 の悪化で鼓膜に穴があいてしまう『慢性中耳炎』にかかるケースが多い。
中耳炎 は、保育現場ではよく耳にする病気の一つです。
風邪をこじらせて 中耳炎 になったり、
何度も繰り返し発症したりする場合もあるので、
症状や治療方法、配慮事項などについてしっかりと理解しておきましょう。
2. 中耳炎 の症状や治療について
それでは、 中耳炎 の症状や治療についてご紹介します。
【症状】
中耳炎 は、そのタイプによって症状に違いがあります。
≪急性中耳炎≫
急性中耳炎は、風邪を引いた後などにかかる 中耳炎 です。
中耳は、耳管という管で鼻とつながっていて、
鼻をすすったりすることが多いと細菌やウィルスが侵入してきやすくなります。
≪滲出性中耳炎≫
痛みや発熱などの症状がないため、気付きにくいタイプの 中耳炎 。
聞き返しが多かったり、呼んでも返事をしなったりする姿が見られた場合は要注意です。
急性中耳炎が治りきっていなかったり、
鼻をすすることが多かったりすることが原因と言われています。
≪慢性中耳炎≫
中耳炎 を何度も繰り返していたり、
治療をしっかりと行わなかったりすると、
症状が悪化して慢性中耳炎となる恐れがあります。
慢性になると痛みは感じなくなってきますが、
鼓膜に穴があくなど、症状によっては手術が必要になってしまいます。
【治療】
中耳炎 の治療は、抗菌薬を内服することが中心です。
急性中耳炎の場合は、治療を開始して1週間程度で治ることが多いでしょう。
また、膿が溜まっている場合は、
鼓膜を切開して膿を出す処置も行うことがあります。
滲出性中耳炎では、鼓膜にチューブを取り付けることで換気できるようするチューブ留置術というものもあります。
3.保育園での 中耳炎 の子どもへの対応
最後に、保育園での 中耳炎 の対応についてご紹介します。
【登園の目安】
中耳炎 は、発熱や耳の痛みなどの症状が治まっていれば、
登園することは可能です。
ただし、子どもは上手く症状を説明できないので、
子どもの様子をよく見て判断してもらいます。
家庭と園とでしっかりと連携を取りながら、
子どもが安心して過ごせるようにしましょう。
【配慮事項】
・鼻をこまめにかむ
・子どもの様子をよく観察する
・プールは治るまで控えてもらう
保育園では、
鼻をこまめにかむよう働きかけましょう。
中耳炎 の原因として、鼻水をすすってしまう癖が挙げられます。
症状が治りかけていても、再発した悪化したりする恐れもあるので、
できるだけ鼻をすすらないようにするのが良いでしょう。
乳児さんは自分の症状を上手く説明することが難しいので、
子どもの様子をいつも以上に観察することも大切です。
耳をよく触っていたり、呼びかけに気付きにくかったり、
理由なく機嫌が悪くなったりする場合は、
検温やその他の健康観察をしっかり行い、家庭にも様子を伝えます。
また、夏の時期のプールは、
基本的に、 中耳炎 が治るまでは控えてもらう方が良いでしょう。
中耳炎 の状態によってはプールが可能な場合もあるので、
医師と相談してもらいます。
いずれにしても、まずは 中耳炎 をしっかりと直すことが大切なので、
保育の中でも子どもの様子に注意しましょう。
いかがでしたか?
今回は、子どもがかかりやすい病気の一つ『 中耳炎 』について簡単解説しました。
中耳炎 は子どもには身近な病気ですが、
悪化すると長期的に治療を行わなければならなくなってしまいます。
まずは 中耳炎 についての正しい知識をもち、
子どもの異変にいち早く気付いたり、
保育の中でも適切な対応がとれるようにしましょう。
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