保育園で保育士として勤務中、地震が起きたらどうする?東日本大震災(3.11)で保育中に大地震を経験した体験談をもとに、災害時に保育士がすべきことをお伝えします。これから保育士になる皆さんは、地震が起きた時のために心に留めておいてくださいね。
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1. 保育園勤務中に起きた東日本大震災(3.11)保育士の役割とは?
2. 地震発生!避難訓練の通りに子どもと机の下に避難!
3. 続く余震、施設長の支持のもと子どもに不安を見せずに保育
4. 保育中に地震が起きたら、保育士がすべきことは子どもを安心させること
1. 保育園勤務中に起きた東日本大震災(3.11)保育士の役割とは?
最近は地震が多く、「大きな地震がおきたらどうしよう…」不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
特に自分が保育士として勤務している時に地震がおきたら、「子どもたちをどうやって守るの?」と心配になりますよね。
私は保育士として勤務していた時、実際に
東日本大震災(3.11)を経験しました。
今回はその時の経験をもとに、
保育士として地震の時にすべきことをお伝えします。
2. 地震発生!避難訓練の通りに子どもと机の下に避難!
当時私は、一歳児クラスの担当をしていました。子どもたちのお昼寝が終わり、ベットの片付けをしつつ、テーブルや椅子を並べおやつの準備をしていたその時、ガタガタと保育室が揺れ始めました。
「みんな地震だよ」と声をかけると、子どもたちはいっせいにテーブルの下に身を小さくして隠れました。まだベットの上でゴロゴロしていた子どもを抱え私もテーブルの下に入ります。
そこまでは、毎月の避難訓練に加え、時々小さな地震もあったため、大きく動揺することなく行動できました。
しかし怖かったのはそのあと。
大きな揺れがいつまでもおさまらず、棚からドサッと何かが落ちる音も聞こえます。
やっと揺れが落ちつていてくると、
保育園の外は大騒ぎになっていました。
人だかり、救急車や消防車の音…。
3. 続く余震、施設長の支持のもと子どもに不安を見せずに保育
施設長、主任の先生を中心にその後どうするか話し合われました。
その間も余震が続き、子どもたちは不安そう。
子どものそばに残った先生たちで、手分けして泣き出してしまう子を抱きかかえながら「大丈夫、大丈夫」「いつもの避難訓練と同じようにすれば平気だよ」と子どもたちみんなに声をかけました。
施設長の判断は、すぐに避難せず余震がおさまるまで園に残るということでした。
保育園は、耐震強度が高い作りになっていることが大きな理由でした。
また、外は津波の心配があること、液状化や割れたもの、落ちてきたものなどで危険という理由でした。
そのためしばらくは保育室で過ごしました。
室内で、できる遊びをしながらも、何度もくる余震のたびにテーブルの下に避難しました。そんな状況でも、なるべく落ち着いた声で、子どもたちを不安にさせないように努めました。
やっと外が落ち着いた頃になって園外に避難することに。いつもの避難訓練と同じ手順で子どもたちを誘導していきます。
外の広場で全員が避難できたか人数確認をして、迎えにきた保護者の方に引き渡しをしました。
電話も繋がらない状況だったので、子どもが心配で
涙を流してお迎えにくる保護者の方もいました。電車がストップしお迎えに来られなくなってしまった保護者もおり、また園に戻って残った子どもの保育を再開。その日の深夜に最後の1人が降園したそうです。
4. 保育中に地震が起きたら、保育士がすべきことは子どもを安心させること
当時、私の勤めていた保育園はビルの二階にありました。
あの時、慌ててすぐに外に避難していたら、余震で階段から落ちてしまう子がいたかもしれません。外で子どもが危険なものに触れたり、慌てて移動する人にぶつかったりする危険もあったかもしれません。
今回の災害で感じたのは、園の建物の耐震強度の強さや、園内が普段から安全に充分に配慮されていたこと、避難訓練が生かされたということ。そしてそのうえで、的確な施設長の支持、冷静に対応した現場の保育士の行動がらあったからこそ、だれ1人ケガをせずに済んだのだと思います。
また私自身もとても不安でしたが、保育士が動揺していたら子どもも不安になってしまい、落ち着いた行動ができなくなってしまうでしょう。災害の時こそ保育士は冷静になって、子どもを安心させる雰囲気作りをすることが重要だと学んだできごとでした。
地震の際、現場の保育士がすべきコトは
・施設長の指示を待って冷静に従うこと
・落ち着いた声掛けや笑顔で、子どもたちを安心させること
保育士として、災害時に子どもたちを守るために心に留めておいてくださいね。