部分実習で必ず必要になる”指導案”。授業で習ったけれど、実際にどう書けばいいか不安ではありませんか?この記事では、指導案の書き方のポイントを、3・4・5歳児別の見本付きで解説します。”ねらい”・”環境構成”の書き方から、よくある失敗例と修正のコツまで、今すぐ使える実践的な内容をお届けします。
この記事でわかること
- 部分実習の指導案が書けない原因がわかり、自分で書き進められるようになる
- 5ステップの書き方に沿って、迷わず指導案を完成できる
- 3歳児・4歳児・5歳児の見本をもとに、自分の実習に合った指導案が作れる
- 提出前のチェックポイントでミスやズレに気づき、安心して提出できる
1.部分実習の指導案、「書けない」のはあなただけじゃない
「指導案が書けなくて、前日の夜まで書き直した…もう嫌だ」
そう感じたことがある方は多いと思います。
書けない理由は、能力の問題ではなく「手順と型を知らないだけ」であることがほとんど。
手順さえ知れば、必ず書けるようになりますよ。
まずは指導案がなぜ必要か、どう使われるかを整理してから、書き方の本題に入りましょう。
・部分実習の指導案は「保育の設計図」
指導案は「保育の設計図」に例えられます。
建築で設計図がなければ家が建たないように、保育も計画がなければ子どもに適切な活動を提供できません。
必要な4つの要素
- ねらい(何を育てたいか)
- 内容(どんな活動か)
- 環境構成(どう準備するか)
- 援助(どう関わるか)
これらを言語化することで、自分の頭の中が整理されて担当保育士にも伝わりやすくなります。
「わかっている」を「言葉にする」練習が指導案を書くということです。
・指導案は「将来の自分」にも役立つスキル
実は保育士になると、指導案作成は日常業務の一つ。
行事・季節の活動・クラス運営のすべてで指導案を書く場面があります。
将来に役立つ理由
① 現場でもそのまま使える
実習での指導案作成の経験は、保育士として働き始めたときにそのまま活かせるスキルです。
② 就職後に「書けない」と焦らなくてすむ
今のうちに型を身につけておけば、就職後に指導案で慌てる心配が減ります。
③ 実習の評価にもつながる
丁寧に作られた指導案は、担当保育士からの信頼にもつながりますよ。
「将来の自分への投資」と考えれば、少し前向きに取り組めます。
完璧を目指さず、一歩ずつ丁寧に書いていきましょう。
2.部分実習の指導案、書き方の5ステップ
指導案を書く手順を5ステップで整理します。
いきなり「ねらい」から書き始めると、子どもの実態とズレた内容になりやすいです。
「観察→相談→作成→修正→副案」の順番で進めましょう。
| 手順 |
やること |
ポイント |
| ① |
実習先のフォーマットを確認 |
学校と違う場合は実習先の形式を優先 |
| ② |
クラスと子どもの様子を観察 |
今の子どもの興味・発達段階を把握する |
| ③ |
担当保育士に相談しながら作成 |
独断で進めずこまめに確認する |
| ④ |
修正・再考して完成度を上げる |
フィードバックをもとに改善を繰り返す |
| ⑤ |
副案(予備プラン)を用意 |
時間調整やトラブル時にも対応できるようにする |
やりがちなNG行動
- フォーマット確認をせず、学校で使っていたものをそのまま使う
- 子どもの様子を観察せず、テキスト通りの活動を選ぶ
- 担当保育士への相談なしに完成品を提出する
この5ステップを踏むことで、実習先の子どもに合った指導案が作れます。
担当保育士とのコミュニケーションも円滑になり、実習全体の評価にもつながりますよ。
・【手順①】実習先の規則とフォーマットを確認
実習先から配布される指導案フォーマットを確認しましょう。
学校で使っていたものと項目の順番・記入欄の広さが異なる場合があります。
確認を怠ると困ること
- 実習直前で「書き方がわからない」と焦ることになる
- 記入欄が足りず、書き直しが発生する
- 提出先のフォーマットと合わずに指摘される
まず実習先のフォーマットを印刷し、項目を一つずつ読んで「何を書くか」をイメージしておきましょう。
不明な項目があれば実習初日に担当保育士に質問するのが一番確実です。
確認のおすすめ方法
- 印刷して鉛筆で「ここにはこれを書く」とメモしながら確認する
- 疑問点をリストにして、初日に担当保育士に質問する
早めに確認しておくだけで、直前の焦りが大幅に減ります。
・【手順②】クラスと子どもの様子を観察
実習初日から、子どもの遊び・興味・発達段階をよく観察します。
担任保育士のねらいにもとづく保育内容・季節の遊び・自然発生的な流行りを把握したうえで、
「今の子どもたちが楽しめる活動」を考えます。
・【手順③】担当保育士に相談しながら作成
下書きができたら必ず相談を。
「〇〇の活動を考えていますが、今のクラスに合っていますか?」
と聞くことで、クラスの方針とのズレを防げます。
遠慮せずに質問する姿勢が大切です。
・【手順④】修正・再考して完成度を上げる
フィードバックをもとに修正を繰り返して完成度を上げます。
「修正を繰り返す」のは決して失敗ではありません。
担当保育士も実習生の成長を応援しています。
わからないことは積極的に質問しながら進めていきましょう。
・【手順⑤】副案(予備プラン)を用意
副案(予備プラン)も用意しておくと、当日慌てずに対応できて柔軟な保育ができる実習生として評価されます。
副案まで準備できたら、次は担当保育士への相談・質問を整理しておきましょう。
「何を聞けばいいかわからない」と感じたら、まずはこちらを読んでみてください。
3.部分実習の指導案、各項目の書き方のコツ
各項目はバラバラに書くのではなく、「ねらい→内容→環境→援助」が一本の線でつながるように書くことが大切ですよ。
指導案の各項目一覧
- ねらい(何を育てたいか)
- 活動内容(何をするか)
- 環境構成(どう準備するか)
- 予想される子どもの姿・実習生の動き(どう関わるか)
では各項目の書き方を確認していきましょう。
・「ねらい」の書き方|子どもの育ちを具体的に
「ねらい」は「この活動を通して、子どもにどんな力を育てたいか」を示す項目です。
抽象的な表現ではなく、具体的に書くことがポイントですよ。
NG例→OK例の比較
- NG:楽しく遊ぶ
→ OK:友だちと一緒にルールを守りながら、鬼ごっこを楽しむ
- NG:協力する
→ OK:製作活動で友だちと材料を分け合い、協力して作品を完成させる
- NG:上手に作る
→ OK:折り紙で動物を作る工程を通して、指先の巧緻性を高める
5領域別・ねらいの例文
- 健康:全身を使って鬼ごっこを楽しみ、体を動かす心地よさを味わう
- 人間関係:友だちと一緒にルールを守りながら、集団遊びを楽しむ
- 環境:秋の落ち葉を拾い集め、自然物に興味をもつ
- 言葉:絵本の物語を楽しみ、登場人物の気持ちを想像する
- 表現:クレヨンで自由に絵を描き、表現する楽しさを味わう
ねらいが明確だと、活動内容や援助も自然と具体的になります。
「〇〇を通して、△△の力を育てる」という形を意識して書いてみましょう。
・「活動内容」の書き方|具体的に・簡潔に
「活動内容」は「どんな活動をするか」を具体的に書く項目です。
ねらいと一致した活動を選ぶことが大切です。
活動内容のNG例→OK例
- NG例:「製作をする」(何をするか不明)
- OK例:「折り紙でチューリップを作り、画用紙に貼って飾りを作る」(手順が具体的)
・「環境構成」の書き方|準備物を具体的に
「環境構成」は活動に必要な準備物・配置・安全配慮を書く項目です。
環境構成のNG例→OK例
- NG例:「必要なものを用意する」(何が必要か不明)
- OK例:「画用紙20枚、クレヨン20箱、テーブル5台を教室中央に配置」(数と名称を明記)
・「予想される子どもの姿」と「実習生の動き」
「予想される子どもの姿」と「実習生の動き」はセットで考えましょう。
予想される姿と援助の例
- 子どもの姿:「折り方がわからず、手が止まる子がいる」
- 実習生の動き:「『一緒にやってみよう』と声をかけ、手を添えてサポートする」
子どもの反応を予測し、それに対する援助を事前に考えておくことで当日慌てずに対応できます。
観察で得た情報をもとに、リアルな予測を立てましょう。
担当保育士への質問がうまくできると、指導案の精度がグッと上がります。
すぐに使える質問5選を確認しておきましょう。
4.【年齢別】部分実習の指導案見本|3・4・5歳児
ここからは3歳児・4歳児・5歳児それぞれの指導案見本を掲載します。
年齢によって発達段階が異なるため、ねらい・活動内容・援助の仕方も変わります。
見本は「製作遊び」「ゲーム遊び」「絵本読み聞かせ」の3パターンです。
自分の実習先の年齢・活動に近いものを参考にしてアレンジしてください。
見本を使うときの注意点
- 見本を「そのまま使う」のではなく、「書き方を真似する」ことが大切
- 実習先の子どもの様子に合わせて内容をアレンジする
- 担当保育士に相談して確認を取ることを忘れずに
見本から「この書き方が参考になる」「この表現を使おう」と吸収する視点で読みましょう。
・部分実習 指導案 3歳児|見本(例文)簡単な製作遊び
3歳児は「自分でやってみたい!」という気持ちが強い時期です。
指先を使う遊びと、季節感のある題材が喜ばれます。
3歳児 指導案見本
活動名:折り紙でチューリップを作ろう
ねらい:折り紙を折る工程を通して、指先の巧緻性を高める/春の花に興味をもち、季節を感じる
活動内容:折り紙を1回折ってチューリップの形を作り、完成したチューリップを画用紙に貼ってクレヨンで茎と葉を描く
環境構成:折り紙(赤・黄・ピンク)各10枚、画用紙20枚、のり20本、クレヨン20箱を用意する
予想される子どもの姿:折り方がわからず手が止まる子がいる
実習生の動き:「一緒にやってみよう」と声をかけ、手を添えてサポートする
この活動は、雨天時の室内活動や落ち着いて取り組む午前の製作時間に活用できます。
折り方が簡単なので、全員が達成感を持てる設計にしています。
・部分実習 指導案 4歳児|見本(例文)ルールのある遊び
4歳児はルール遊びが楽しめる時期です。
友だちとかかわりながら楽しめる活動を選びましょう。
4歳児 指導案見本
活動名:フルーツバスケット
ねらい:友だちと一緒にルールを守りながら集団遊びを楽しむ/素早く判断して動く力を育てる
活動内容:椅子を円形に並べ、鬼以外は座る。
鬼が「リンゴ!」と言ったらリンゴ役の子が席を移動。
「フルーツバスケット!」で全員移動。
環境構成:椅子19脚を円形に配置、フルーツカード20枚
予想される子どもの姿:ルールを忘れて動けない子がいる
実習生の動き:「リンゴさん、立ってね」と優しく声をかける
4歳児のフルーツバスケットは戸外に出られない日の室内運動遊びとしても活用できます。
・部分実習 指導案 5歳児|見本(例文)絵本読み聞かせ
5歳児は物語の世界を深く楽しめる時期です。
想像力を育てる活動が喜ばれます。
5歳児 指導案見本
活動名:絵本「はらぺこあおむし」の読み聞かせ
ねらい:物語の展開を楽しみ想像力を育てる/絵本を通して、生き物の成長に興味をもつ
活動内容:絵本を読み聞かせ、途中でクイズを出して参加型にする。読み終わったら「どの食べ物が好きだった?」と質問。
環境構成:絵本1冊、子どもたちは床に座る
予想される子どもの姿:集中が切れておしゃべりする子がいる
実習生の動き:声のトーンを変えて興味を引き、視線を絵本に戻す
5歳児の読み聞かせは主活動前の導入や、給食前後の落ち着いた時間にも向いています。
5.部分実習の指導案、提出前のチェックリスト
指導案が完成したら、提出前に必ず最終チェックを行いましょう。
細かなミスが残っていると、内容がどれだけよくても評価を下げてしまう原因になりますよ。
提出前チェックリスト
- □ 活動のねらいが、年齢(○歳児)に合った表現になっている
- □ 「楽しく」「がんばる」など曖昧な言葉だけで終わっていない
- □ 活動内容とねらいがつながっている
- □ 実施時間(○分)が明記されている
□にチェックを入れながら確認することで、見落としを防ぎやすくなります。
声に出しながら読み返すと、目で読むだけでは気づかなかったミスを発見しやすくなります。
「完璧じゃなくていい」と思いながら確認すると、プレッシャーが軽くなります。
ここまで来たら自信を持って提出しましょう!
・記入ミス・誤字脱字を徹底チェック
誤字脱字は指導案の内容以前に、信頼性を下げてしまう原因になりますよ。
誤字脱字チェックのコツ
① 声に出して読む
目で読むだけでは見落としやすい誤字も、声に出すと気づけます。
② クラス名・子どもの名前の確認
基本情報の間違いはとくに注意が必要です。
③ 文字の大きさと清書
読み手への配慮として、丁寧に書かれているかも確認しておきましょうね。
一晩置いてから読み直すと、より客観的に確認できます。
「もう一回読み直す時間」を確保できるよう、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切ですよ。
・内容の整合性を確認
指導案では「ねらい・活動内容・環境構成・実習生の動き」が同じ方向を向いているかが重要です。
整合性チェックの例
よくあるズレの例
「協力する力を育てる」がねらいなのに、活動が個人作業だけになっている
確認方法
ねらいを読んだ後に活動内容を読んで「これでそのねらいが達成できそうか?」と問いかけてみる
チェックリストの活用
上記のチェックリストを使って全体を見直すと、ズレに気づきやすくなります
「全体を通して読み返し、流れに違和感がないか確認する」習慣を身につけることで、指導案の質が格段に上がります。
6.部分実習の指導案、よくある失敗例と対処法
「指導案は完璧だったのに、当日うまくいかなかった」
「担当保育士に指摘されて、前日に全部書き直した」
…そんな経験をした実習生は意外と多いです。
失敗例を事前に知っておくことで、同じミスを防ぐことができます。
また、失敗しても「対処法がある」と知っていれば、焦らず冷静に対応できますよ。
・失敗例①|子どもの実態と合わない活動を選んだ
実習生に最も多い失敗は「子どもの実態と活動のミスマッチ」です。
【失敗①】
3歳児に5歳児向けの複雑な製作をしようとした
対処法:実習初日から子どもの様子をよく観察する。
「今のクラスに合った活動は何か」を担当保育士に相談する。
年齢別の発達段階を事前に復習しておく。
「自分がやりたいこと」より「子どもが楽しめること」を優先するのが基本です。
活動は子どもに合わせて選ぶ、ということを常に意識しましょう。
・失敗例②|ねらいが曖昧で、保育士に指摘された
ねらいが曖昧だと、活動内容も「何をしているのかわからない」指導案になってしまいます。
【失敗②】
「楽しく遊ぶ」と書いて担当保育士に指摘された
対処法:ねらいは「〇〇を通して、△△の力を育てる」の形で書く。
5領域を意識して具体例(本記事のOK例参照)を参考にする。
ねらいが明確だと、活動内容も自然と具体的になる。
・失敗例③|時間配分を間違えて、時間が余った
時間配分のミスは、当日の実習を大きく乱す原因になります。
【失敗③】
30分の部分実習が15分で終わってしまった
対処法:活動を友だちと練習し、所要時間を事前に測る。
時間が余ったときの「予備活動(手遊び・絵本など)」を副案として用意する。
担当保育士に「このくらいの時間で終わりますか?」と確認する。
副案を用意しておけば、当日の予定外の状況にも落ち着いて対応できます。
「何かあっても大丈夫」という安心感が、実習当日の余裕につながりますよ。
7.指導案が完成したら、自信をもって部分実習へ!
指導案は「保育の設計図」です。丁寧に作成することで部分実習の成功率は高まりますよ。
でも、完璧を目指しすぎなくて大丈夫です。
指導案は一度で完成させるものではなく、修正を重ねながら質を高めていくもの。
「相談→修正→相談」のサイクルを繰り返すことが、よい指導案への近道ですよ。
【この記事のまとめ】
- 書けない原因は「手順と型を知らないから」
- 5ステップの手順を踏めば必ず書ける
- ねらいは「〇〇を通して、△△の力を育てる」の型で、5領域を意識して具体的に書く
- 環境構成は準備物の数と名称・配置を明記。予想される姿と援助はセットで考える
- 3・4・5歳児それぞれの見本を参考に、実習先の子どもに合わせてアレンジする
- 失敗例(活動のミスマッチ・曖昧なねらい・時間配分のミス)を知って、同じミスを防ごう
部分実習を通して得た経験は、将来保育士として働く際の大きな財産になります。
「今日はこれを学んだ」という小さな気づきを大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
実習後は、自分に合った園を具体的に探してみましょう。
「ほいコレナビ」を活用すれば、就職先の選択肢を広げることができますよ。