保育士のみなさん!おむつ交換やトイレの介助をするときに、子どもの うんち を観察していますか? うんち は子どもの健康に大きくかかわっています。今回は看護師の私から、子どもの うんち について解説します。病気の早期発見にもつながるのでぜひ参考にしてくださいね。
1. 保育士必見!子どもの うんち は成長につれて変化する
今回のテーマは「子どもの うんち 」について。
保育園で子どものおむつ交換や、トイレの介助をすることはたくさんありますよね。
まだ慣れていない新人保育士さんは、子どもの介助をするだけで手いっぱいになってしまうかもしれません。
子どもの うんち は、健康のバロメーターと言ってもいい程、子どもの健康に大きく関わっています。
どんな うんち が出たかを確認できると病気の早期発見につながるので、ぜひ見てあげてほしいと思います。
まずは、正常な うんち について理解しておきましょう!
授乳期(生後0か月~1歳頃)の うんち の特徴
・3~6回/日
・水分が多くドロドロ
・母乳の方がミルクよりも消化が良いため、うんちの回数が増える
離乳期(生後5か月~1歳半頃)の うんち の特徴
・1~4回/日
・消化吸収が少しずつ発達し、うんちの水分が減り固まってくる
・離乳食を開始したばかりだと一時的に下痢や便秘をくり返す
トイトレ期(2~3歳頃)の うんち の特徴
・1回/日
・大人と同じような排便状況になる
・ふんばる力が弱く、便秘になることがある
うんち の性状や回数は、授乳の有無、離乳食の進み具合、体質によって個人差があります。あくまでも目安としておさえておきましょう。
授乳期の うんち には、白いつぶつぶが見られることがあります。とくに新人保育士さんは最初驚くかもしれませんが、これは母乳やミルクに含まれる脂肪成分なので心配ありません。
また、子どもはさまざまな理由から便秘や下痢になりやすいです。下痢や便秘の時に保育園でできる対処法を簡単にご紹介します。
便秘の時の対処法
・水分補給を促す
・お腹を「の」の字にマッサージする
・定期的にトイレに誘導する
下痢の時の対処法
・脱水にならないように水分補給を促す(一気に飲むのではなく、少しずつこまめに)
・おしりを拭くときは押し拭きをする(おしりがただれて擦ると痛いため)
子どもは環境の変化やストレスなどでも便秘や下痢になってしまうので、保育士さんはメンタル面でのサポートもしてあげましょうね。
2. 保育園でも気を付けて!こんな うんち は要注意!
つぎに、注意した方が良い うんち についてお伝えします。
うんち がいつもと違う場合は病気が隠れていることもあるので保育園でもよく観察をしておきましょう。
【白い うんち 】
・ロタウイルス性胃腸炎…酸っぱいにおいがする。クリーム色~白色の下痢便。発熱と嘔吐から始まり24~48時間後に水のような下痢便になる
・胆道閉鎖症…胆汁が流れなくなるので、便に色がなく白っぽくなる。皮膚や目が黄色くなる(黄疸)。新生児期~乳児期にみられる
うんち の色(茶色~黄土色)は肝臓から分泌される「胆汁(たんじゅう)」という液体の色です。ロタウイルスに感染すると、ウイルスの影響でうまく胆汁の分泌ができず うんち の色が白くなります。
胆道閉鎖症は、胆道が閉じてしまうことで胆汁が流れないことで、白い うんち が出ます。
【赤い うんち 】
・細菌性胃腸炎…便に血が混じる、または真っ赤な便が出る。サルモネラ菌やO157などの細菌が原因。下痢だけでなく嘔吐もみられる
・腸重積…ドロッとした血の混じった便や突然の腹痛が現れる。突然の腹痛が特徴で小腸が潜り込んでしまい壊死することがあるため早めの受診が必要
腸内に侵入した細菌が、腸の壁を傷つけることで腸から出血し、うんちが赤くなります。ウイルス性の胃腸炎よりも症状が強く出ます。
腸重積は6か月~1歳の子どもに多く、腸の一部が隣の腸の中に入り込んでしまう病気です。イチゴジャムの様なうんちがでた時は要注意!
【黒い うんち 】
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍…黒いタール便(血便の一種、黒くて粘り気のある便)胃や十二指腸など体の上部消化管の粘膜からの出血が原因。
胃や十二指腸から出血をすると、うんちが黒くなります。
それは、うんちとして排出するまでに血液が胃酸や酵素、大腸にいる菌にさらされるからです。体のどこが悪いかによって、同じ血便でも色が違うので注意して見ましょう。
3. うんち をよく観察しよう!
今回は看護師の私から、子どもの うんち についてと、注意が必要な うんち について簡単に解説をしました。
うんち を観察する時は、色、性状、におい、量を見るのがポイント!
うんち がいつもと違うと感じたら、できるだけ詳しく保護者に伝えると受診の時もスムーズですよ。
また、保育士さん自身の身を守るためにも、子どもの うんち を拭くときには手袋を着用することをおすすめします。 うんち を処理したあとは、かならず石鹸でしっかりと手洗いをしましょう。
子どもの うんち について、インスタグラムにもまとめてあるので、こちらも参考にしてみてくださいね。