最近よくニュースで目にする 食中毒 。梅雨の時期に最も多く発生することを知っていますか?集団生活をする保育園でも 食中毒 には十分気を付けていかないといけません。今回の記事では、看護師の私から、保育園での 食中毒 の予防法についてお伝えします。
1. 食中毒 の原因と症状
最近のニュースでも取り上げられている 食中毒 。
保育園で集団生活をする中で、 食中毒 には十分に注意をしていく必要があります。
小さな子どもは免疫力が低いので、 食中毒 になってしまうと重症化する可能性もあります。
保育園でできる予防法をしっかりと身に付けて、子ども達の健康を守っていきましょうね。
まずは、 食中毒 の原因や種類、症状について理解を深めましょう。
食中毒 の原因と特徴
・ 食中毒 の原因となるものは「細菌」と「ウイルス」
・細菌による 食中毒 は6~9月、ウイルスによる 食中毒 は冬に流行する
・細菌やウイルスが、何らかの理由で口から入ってしまい(経口感染)症状が出る
主な原因となる細菌とウイルス
・サルモネラ菌…十分に加熱していない卵・魚・肉が原因。
・黄色(おうしょく)ブドウ球菌…人の皮膚、鼻や口の中にいる菌。傷やニキビを触った手で食べ物を触ると菌がつきやすい。加熱した後に手作業をする食べ物が原因。
・腸炎ビブリオ菌…生の魚や貝などの魚介類が原因。
・カンピロバクター…十分に加熱されていない肉(特に鶏肉)や飲料水、生野菜などが原因。またペットから感染することがある。
・腸管出血性大腸菌(O157、O111など)…十分に加熱されていない肉や生野菜などが原因。十分に加熱すれば防ぐことができる。
・ノロウイルス…カキや二枚貝を生や十分な加熱をせずに食べた場合や、ウイルスに汚染された水道水や井戸水などをのんで感染することもある。
・E型肝炎ウイルス…加熱不足の豚などの肉や、内臓を食べたことが原因。また、海外の地域によっては生水や生ものから感染する場合もある。
食中毒 の症状
・下痢
・腹痛
・吐き気
・嘔吐
・発熱
食中毒 が重症化をすると、血便や脱水症状を引き起こすこともあるので、保育園全体でしっかりと対策をしていきましょう!
2. 保育園でできる 食中毒 の予防法
つぎに、保育園での 食中毒 の予防法についてご紹介します。
食中毒 対策の3つの原則「つけない・ふやさない・やっつける」を基にお伝えしていきますね。
【つけない】
食中毒 の予防法で大切なのは、細菌やウイルスをつけないこと。
細菌やウイルスは目に見えないので、日頃から意識して対策をしていきましょう!
ポイント!
・食事の準備をする時や、食べる前にはしっかりと手洗いをする
・手袋の着用
・食材をキレイに洗う
・調理器具や食器を清潔にして、食べ物に細菌やウイルスがつかないようにする
食事の前の手洗いはもちろん大事ですが、子どもの場合は外から保育室に入る時やトイレのあと、保育士さんの場合は、トイレ介助やオムツ交換のあとなども意識して手洗いをしましょう。
正しい手洗いの方法は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
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保育室内を清潔に保ち、細菌やウイルスを持ち込まないことが、 食中毒 の予防にもつながります。
【増やさない】
生ものや調理した食べ物を室温で放置をしてしまうと、菌が繁殖して 食中毒 のリスクも上がります。
菌を増やさないようにしっかりと対策をしましょう!
ポイント!
・保育園で給食を作っている場合、食材を冷蔵庫で保管する
・ミルクの作り置きをしない
ミルクの残りや、食べ残しはもったいないと感じると思いますが、 食中毒 を予防するために保育園では破棄するようにしましょう。
【やっつける】
食事をする前に、細菌やウイルスをしっかりとやっつけていきましょう!
ポイント!
・食材をしっかりと加熱する
・調理器具や食器などを消毒する
・食事前にテーブルをアルコールを使用して拭く
ほとんどの菌は熱に弱いので、食材にしっかりと熱を加えることで 食中毒 を予防することができます。
調理器具や食器類の消毒は、次亜塩素酸ナトリウムや煮沸、アルコールでの消毒が効果的と言われています。
消毒のあとは菌が繁殖しないようにしっかりと乾燥をさせましょう。
消毒方法に関しては、かならず保育園のマニュアルを確認しておくようにしましょうね。
3. 保育園でも 食中毒 には注意しよう!
今回は、看護師の私から保育園でできる 食中毒 の予防法について簡単に解説をしていきました。
梅雨の時期から増え始める 食中毒 に備えて、保育士さんは予防法をしっかりと知ることが大事!
食中毒 を予防するには、保育士さんだけでなく、子ども達の協力も必要です。
「お腹が痛くならないように、しっかりと手を洗ってからご飯を食べよう!」
と、なぜ手洗いが必要なのか、どうしたら 食中毒 を予防できるかを子ども達にも伝えていきましょうね。
正しい知識を身に付けて、子ども達と楽しい食事タイムを過ごしましょう。