保育学生のみなさん!今回はそのまま使える5歳児の養護の内容(後編)です。卒園を目前に子どもたちは不安でいっぱい。5歳児後半は小学校への移行がスムーズになるように子どもたちの自立と、自信につながる関わりをしていきましょう!ぜひ実習の参考にしてくださいね。
1.5歳児後半は自立と自信をテーマに保育しよう
5歳児後半は、身の回りのことを積極的に自分で行えるよう、さらに見守りを重視した保育をすることが大切!
また、自分でできることを増やせるよう促し、子どもたちの自信につながる関わりをしていきましょうね。
ちょっと苦手なことにも一人ひとりのペースでチャレンジしてみましょう!
たとえば、ボール投げが苦手な子どもなら短い距離から「先生のところまで投げてみよう!」と徐々に距離をのばしてみる。
できたことを子どもたちと喜び、褒めていくと子どもの自信につながり、チャレンジ精神も身に付きます。
2.そのまま使える!5歳児の養護の内容を月別に看護師がご紹介
10月|協調性を育みながら、集団遊びを一緒に楽しもう
【ポイント】
子ども同士が協力することで、楽しく遊べると実感してもらうことが大切。
協調性と思いやりが育まれます。
【保育士の関わり方】
・少し複雑なルールの遊びを取り入れて、みんなで遊べるように誘導していく
・ルールがわからない子どもには、「先生と一緒にやろう!」と声掛けする
・楽しそうでない場合は無理をせず、子どものペースに合わせて他の遊びを提案する
【看護師からのポイント!】
・集団だと見落としやすいケガや体調の変化に気をつける
・顔色や機嫌に注意して、会話や関わり合いの様子を観察する
11月|気温に合わせて衣類を調節できるよう見守ろう
【ポイント】
11月は一日を通して気温差が激しくなる時期。
体調を崩しやすくなるので、子どもが自分で衣類の調整ができるよう見守りましょう。
【保育士の関わり】
・遊びに夢中になっている場合は、子どもの顔色や様子を見て「○○くん、汗が出てるから洋服一枚脱いでみようか」と声掛けする
【看護師からのポイント!】
・子どもは大人と比べて代謝が良く汗をかきやすいため、大人が着ている枚数より1枚少ない枚数を基準にする
・頬が赤くなっていたり、手足がじんわりと汗をかいている場合は暑いサイン
・手足が冷たく、顔色が青白い場合が寒いサイン
12月|困ったときに相談しやすい雰囲気を作ろう
【ポイント】
5歳児は子ども同士で問題を解決できるようになります。
しかし、自分の意見がしっかりする時期でもあるので解決できないことも多々。
忙しいと思いますが、保育士さんはできるだけ子どもたちが困ったときに相談しやすい雰囲気を作りましょう。
【保育士の関わり】
・笑顔を意識して、子どもが相談しやすい雰囲気を作る
・ケンカを仲裁するときは、答えを伝えるのではなく子どもが自分で解決策を考えられるよう促す
例)「仲直りしたいときは、なんて伝えればいいかな?」「今どんな気持ちかな?」と声掛けをする
・仲直りができたら「ちゃんとごめんねができたね」と褒める
【看護師からのポイント!】
・5歳児は社会性が身に付いて来るため、子ども同士で話し合うきっかけを保育士が作ることが大切
1月|すすんで手洗い・うがいができるよう見守ろう
【ポイント】
年末年始休みが終わり、生活リズムが乱れて体調を崩す子どもが増えます。
自らすすんで風邪予防ができるよう、手洗い・うがいを見守りましょう!
【保育士の関わり】
・保育室を清潔に保ち、感染対策をする
・5歳児になると、手洗い・うがいの習慣は身に付くが、水だけで洗ったり手洗いのあと手を拭かなかったりと適当になることも。その都度、ていねいに洗うよう声掛けする
【看護師からのポイント!】
・発熱の有無
・顔色、表情
・元気があるか
・食事量
・皮膚にブツブツが無いか
・鼻水や咳などの感冒症状の有無
これらのことに注意して、子どもの健康観察をしましょう。
2月|子ども同士で問題解決ができるよう見守ろう
【ポイント】
友達と意見がぶつかったときに、どのように解決するか見守りましょう。
はじめから保育士さんが仲裁に入るのではなく、まずは子どもたちがどのように話し合っているかを、近くでさり気なく聞きましょうね。
【保育士の関わり】
・トラブルにつながりそうだと判断したときは、保育士が仲裁をして解決する
・子どもの意見や考えをしっかりと聞き、どのようにすればよいかを子どもたち自身に考えてもらう
【看護師からのポイント!】
・5歳児は自我が芽生え、保育士や友達に反抗的な態度をとることがある。これは大事な成長過程なので、子どもに寄り添い冷静に声掛けをすることが大切
3月|たくさん自信がつくような関わりをしよう
【ポイント】
いよいよ保育園生活最後の一ヶ月です。
保育園生活を振り返り、成長したことをしっかりと子どもに伝えていきましょう。
できることが増え、自信がつくことで自立心が育まれ、諦めずに頑張る気持ちが生まれます。
【保育士の関わり】
・小さなことでも、できるようになったことを具体的に伝える
例)「○○ちゃん野菜が嫌いで食べられなかったけど、頑張って食べられるようになったよね、かっこいい一年生になれるよ」と具体的に伝えると自信につながる。
【看護師からのポイント!】
・子どもを褒めることで脳内でドーパミン(脳内ホルモン)の分泌が促進され、幸福感ややる気がUP!
3.自分でできた!を一緒に喜び、子どもの自信につなげよう
年長クラスは、保育園生活が終わり小学校に上がる準備の一年になります。
自分でできるようになったことを保育士さんは子どもたちと一緒に喜び、自信につなげてあげましょう。
また小学生になる期待と不安が重なり情緒不安定になることがあります。
保育士さんは、そんな子どもに寄り添い、安心できるような環境を作っていきましょう。
また、スムーズに小学校生活に移行するため、小学校の先生と子どもの発達や個性について情報共有することも大事です。
小学生になっても大丈夫!楽しいことがたくさんある!と前向きな声掛けをたくさんしてあげてくださいね。
保育園生活最後の一年、子どもたちと楽しく過ごしてくださいね♪
保育学生さん、新人保育士さんの参考になれば嬉しいです。