絵本を選ぶうえで大切なのは、対象の子どもの発達、興味に合っていること。低月例の子と高月例の子の成長の差は激しいものの、赤ちゃんの頃と比べてさまざまなことができるようになる1歳児。主な発達の特徴を知っておきましょう!
歩けるようになり、足腰の力がついてきます。だんだんと走ることや両足跳びもできるように。また、押す、つまむなどの手先指先をつかった遊びをするようになります。
クレヨンを使ってなぐり描きもできるようになってきます。
発語が始まり「マンマ」「わんわん」などの一語文、だんだんと「あっち行く」「ブーブーかして」などの二語文もなせるようになってきます。
自己主張がはじまり「自分でやりたい」気持ちから「イヤ」ということも増えてきます。
現実にはない物事をあるもので置きかえて表現する働きを「象徴機能」といいます。
この象徴機能を使って、ごっこあそびや見立て遊びといった簡単な象徴行動ができるようになります。オモチャを使って混ぜたり食べたりするふりをするおままごとや、積み木をバスに見立てて走らせるなど見立て遊びを楽しめます。
動きが活発になり言葉を話しはじめ、身の周りの人や生き物、物事への興味関心が大きく広がってきた子どもたち。
そんな1歳児にぴったりの絵本をシチュエーション別にご紹介していきます♪
着替えをがんばる意欲もアップ!?
着替えをしている子どもが、おてて…あたま…あんよ…と順番に服から出していくストーリー。最後はあしがひっかかってしまい…思わず子どもたちも「がんばれー!」と応援したくなってしまいます。自分で着替える意欲がでてきた子どもの気持ちに寄り添う絵本です。
給食の前に…食べたくなっちゃう♪
すいか・もも・ぶどうなど子どもたちの大好きな果物が、実物のように色鮮やかに描かれていて、思わず食べたくなりそうです。「さあ、どうぞ」というところで差し出すしぐさをして、子どもたちと一緒に食べるマネをしても楽しめますよ。
食後の始末の意識づけにも◎
次々に登場する食後の動物たちの口をやさしくふいてあげるというストーリー。「ふいてあげるね きゅっきゅっきゅ」に繰り返しのリズムがたのしい子どもたちの大好きな絵本です。実際に子どもたちの給食のあと「きゅっきゅっきゅ」と言って口をふいてあげると、この絵本を思い出すようです。また絵本を読んだことで、自分で拭くよう意識する子も。
お昼寝の前にゆったりとした気分に…♪
おつきさまが夜空でにっこり微笑む、ゆったりとしたリズム持った絵本。「おつきさまこんばんは」とお辞儀をして楽しむことも。クラスでこの絵本を読むと、夜の帰り道にお月さまに「こんばんは~」とあいさつするようになった、とよく保護者の方から微笑ましいエピソードを聞いていました。
お昼寝の前の穏やかな雰囲気づくりにもおすすめです。
子どもが自分でめくって楽しめるから一対一で読むのも楽しい♪
動物たちが顔を隠しているページをめくると「ばあ!」とあらわれる仕掛け絵本。こいぬのコロ、ねこのミケ、かいじゅうなど、さまざまなキャラクターが登場します。しっかりとした厚手の絵本のため子どもでもめくりやすいですよ。
みんなに向けて読むのはもちろん、保育者のひざの上で子どもと一対一で楽しむのもおすすめです。
やりとりしながら楽しく盛り上がるならこの絵本!
さまざまなところに逃げた金魚を探していく絵本。カラフルな色づかいが楽しく、子どもたちが「ここ!」「見つけた!」と何度読んでも盛り上がること間違いなし!
「またにげた こんどはどこ?」の繰り返しの言葉も心地よいようです。
低月例の子も「あっあー!」と一生懸命に指さす姿が、とても可愛いですよ。
1歳児は繰り返しの言葉のリズムのある絵本が大好きです。同じ言葉が繰り返し出てくると一緒に声に出して楽しみます。また、クラスで担任の先生が何度も読んでいる絵本でも飽きることはなく、楽しく見てくれることでしょう。
そして、複雑な物語ではなくシンプルなお話がベスト。食事、排せつ、着替え、お昼寝など生活の一部を描いたものや、身近な自然、生き物を描いた絵本が、1歳児クラスの子どもたちの心に届きます。
1歳児の成長発達にあった絵本を選んで、子どもたちと一緒にやりとりをしながら楽しんでくださいね♪
上記のおすすめの絵本を参考に、ぜひ自分でも読みたい絵本を探してみてください。
実りある実習になりますように…応援しています!
執筆者:ほいコレ 編集部