保育士の仕事の中でも大変なものの一つである指導案。中でも「ねらい」についてはどの保育士さんも何を書けばいいかと迷うものです。今回は「ねらい」とは何を書くものなのかと、作成する際のコツを紹介していきます。
1. 保育の多くが悩む指導案の「ねらい」って何?
保育の実習でも、保育士として働くようになってからも保育指導案を書きますが、中でもポイントとなるのが「ねらい」です。
指導案は年、月、日と作成が必要で、それぞれに「ねらい」が必要になります。
このねらいに何を書けばいいのか、ということがわからないと思うように指導案作成が進みません。
ねらいは保育園の生活の中で、保育によってどんなことを実現したいのか、各年代の子どもたちの姿を言葉にするものです。
… といわれてもあまりピンとこないですよね。
そこで、もう少しわかりやすく説明していきます。
なかなかねらいがうまく書けず悩んでいる人も、これを読めばコツがつかめ、上手に書けるようになりますよ。
2. 保育の「ねらい」をスムーズに作成するコツ
保育の指導案で「ねらい」を考える時には2つの方向から考えるのが大切です。
具体的には、子どもの活動からと、保育士としての視点から見えてくることの2つです。
この3つの視点をもつことで、格段にねらいが書きやすくなります。
これだけだとわかりにくいですから、具体例を挙げながら考えてみましょう。
○保育園での子どもの活動から考える
保育園で子どもたちが遊ぶ姿や、教室の中でお着替えをしているところなど、一日の生活の様子を振り返ってみましょう。
そうすると、何をねらいにすればよいのかが見えてきます。
例えば、お着替えが得意な子もいれば、お着替えがなかなかできない子もいます。
友達が遊んでいる輪の中に入っていけない子もいます。
子どもによってできることや苦手なことがあり、それぞれに個性がある。
つまり、子どもたちの活動の中から特性や個性をみつけるのです。
そうすると、どのような指導ができるのか考えていくとねらいを定めやすくなります。
〇保育士としての視点から考える
保育園での子どもたちの活動から「こういう成長をしてほしい」と思う姿が見えてきたら、保育士としてどのような指導ができるのか考えます。
例えば、友達が遊んでいる輪の中に入っていくのが苦手な子について、保育士の視点でねらいを考えてみると…
・遊びの中心となる子と当番の仕事を任せて接点を作る
・クラス全員でできる遊びを経験して、大人数での遊びに慣らしていく
といった対策を考えることができます。
こうして保育士の視点から考えてみることで、どう指導すればいいかわかってきます。
その方向性がねらいであり、ねらいを達成する方法を考えれば、保育計画、保育指導案を作りやすくなるでしょう。
3. 「ねらい」は難しい言葉で作ろうとしなくて大丈夫!
いざ、指導案を書こうとすると「どんな言葉が適切なのかわからない」と悩んでしまうものです。
正式な書類なので難しい言葉を使わなければならない、と思っていませんか?
もちろん、話し言葉のようなくだけた表現を使うのは良いことではないです。
しかし、専門用語を並べたような難しい言葉ばかりで作成する必要もありません。
つまり、普段仕事で作成している書類や園だよりと同じ感覚で作成していけば十分なのです。
無理に背伸びすることなく、子どもたちの様子や目指していきたい姿を文章にしていくだけで、素敵な「ねらい」や指導案ができ上がります。
もしも作成していて「これで大丈夫かな…」と不安になってきたら、同じクラスのほかの担任にも見せて相談をしてみましょう。
同じクラスで子どもたちを見ている先生だからこそ、ねらい部分で目標としたい内容も理解してもらいやすいです。
どんな言葉で表現すれば伝わりやすくなるかアドバイスをもらうことができたり、よりよいアイデアをもらうことができたりすることもあります。
そこで、同じ保育園で働く先輩に添削をしてもらったり、作成した指導案を見せてもらったりするのも良いでしょう。
他の保育園で働いている学生時代の同級生に聞いてみるのも参考になります。
「うまく書けない…」と一人で頭を抱えるのではなく、質問をしてみたり、パソコンやスマホを使って調べてみたりすると、客観的に自分の文章を見ることができるきっかけとなり、スムーズに進められるようにもなりますよ。
次回、ねらいを作成していて悩んだときに役立つ例文を紹介しいますので、ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。