夏の水遊びやプールを目前に、新人保育士さんは「あせもの子はプールに入れていいの?」と不安に思っているのではないでしょうか。今回の記事では「プールに入れる・入れない」の判断基準や園でのチェックポイントとケアについて看護師の私から簡単にお伝えします。
1.新人保育士必見!「あせも」になったらプール遊びさせていいの?
夏の保育園の楽しみといえば「プール遊び」ですよね。
汗をかきやすい子どもたちはすぐに「あせも」ができてしまうので、そのままプール遊びさせていいか悩みますよね。
結論、あせもがあってもプール遊びしてOK!
あせもは感染するものではないので、原則プール遊びも水遊びも参加させて大丈夫です。
しかし、あせもをかき壊し、そこから菌が入り込むことで「とびひ」になってしまうことがあるので、その場合はプールに入るのはNG。
細かい基準は保育園によって変わるので、かならずマニュアルを確認したり先輩にきいて確認しましょう。
よく「プールに入るとあせもが治る」と耳にしますが、これであせもが治る医学的根拠はありません。
プールに入ると汗が流れてスッキリする、冷たい水に入ることで一時的にかゆみがおさまったことで「治る」と勘違いされているのでしょう…
しかしこれは逆効果。
プール後に塩素の刺激や乾燥によって、かゆみが強くなることがあります。
「ただのあせもだから大丈夫」と油断しすぎるのはよくありません。
2.看護師がかんたん解説!あせものNGラインと保育園での判断基準
次にどの程度のあせもならプールに入って大丈夫なのか、具体的な判断基準について看護師視点でお伝えします。
あせもの悪化や、感染予防のためにもNGラインをしっかりおさえておきましょう。
◇プールに入れる・入れないのボーダーライン
すこし赤みはあるけど、本人がかゆがっていない場合はプール遊びさせても大丈夫。
しかし次のような場合は、プール遊びを控えましょう。
プール遊びを控えるケース
・出血がある
・赤く腫れている
・かきむしってジュクジュクしている
・水ぶくれになっている
・かゆみが強い
肌がジュクジュクしていたり、水ぶくれになっているときは「とびひ」に移行している可能性があります。
保護者に情報共有し、受診をすすめましょう。
◇園判断でプール遊びを見送ったときの保護者への説明
保育園の判断でプール遊びを見送ったときは、連絡帳やお迎えのときなどにかならず保護者に説明しましょう。
保護者に説明するときのポイントは「事実ベースで伝えること」です。
NG例)あせもが悪化しているので、今日のプール遊びは控えました。
OK例)肘をかゆがっている様子が見られました。塩素の刺激で悪化したり、菌が入るといけないので念のため今日のプール遊びは控えました。
保育士さんが自己判断で「あせもが悪化している」と診断してしまうのはNG。
あとからトラブルを招く危険性のあるので、保育士さんが見たままの事実をそのまま保護者に伝えるようにしましょう。
3.あせもと間違えやすい「病気」とプール遊びの可否
「これってあせも?他の病気?」と判断に迷うこともあると思います。
あせもに似た皮膚の病気をピックアップして、それぞれプール遊びの可否をまとめたので参考にしてくださいね。
◇水いぼ
プール遊びOK。
プールの水から感染することは無いが、タオル・うきわ・ビート板の共有によってうつることがあるため、共用はNG。
水いぼの特徴
1~5mmほどの表面がつるつるしたイボ。イボの中心が凹んでいるのが特徴。
かゆみは無い。
◇とびひ
プール遊びNG。
かきむしったところから出る液(滲出液)や水ぶくれの内容で、他の子どもに感染します。
プールの水から感染することはありませんが、他の子どもと触れ合うことで感染するリスクがあるので、治るまでは禁止です。
とびひの特徴
小さな水ぶくれの中に、黄色っぽい膿が入っている。水ぶくれは破れやすく、破れるとジュクジュクする。
◇水ぼうそう
プール遊びNG。
発疹がかさぶたになる前にプールに入ると、感染するリスクが高い。
赤いぶつぶつや水ぶくれがあるときはプールを控えましょう。
水ぼうそうの特徴
発熱を伴い2~3日で解熱する。
強いかゆみがあり、赤いぶつぶつ・水ぶくれ・盛り上がった発疹が混在する。
保育士さんが「他の病気かも知れない」と悩んだら、念のためプール遊びを控えるのがベスト。
他の子どもにうつる可能性もあるので保護者に説明し、受診をすすめましょう。
4.保育士が気をつけるべき「プール遊び前後のチェックとケア」
プールを安全に楽しむために、入水前の視診と、遊んだあとの正しいケアが欠かせません。
他の子どもへの感染予防の観点から、保育士さんにわかりやすくまとめたので参考にしてくださいね。
プール遊びの前にここを見る!皮膚状態のチェックリスト
・新しい傷は無いか
・出血は無いか、かさぶたになっているか
・ジュクジュクしたあせもは無いか
・水ぶくれは無いか
プール遊び後のケア方法
・体についた塩素をしっかりシャワーで洗い流す
・タオルでゴシゴシ拭くのではなく、やさしく押し拭きする
・エアコンの風が直接当たらないよう注意する(皮膚の乾燥防止)
とくに着替えのときは、子どもの全身状態をみるチャンスなのでしっかりと肌トラブルが無いか確認しましょう。
シャワーで塩素を洗い流すときは、ただ体に水を掛けるのではなく首・肘や膝の関節裏・脇の下など塩素が溜まりやすい場所もていねいに流してくださいね。
子どもたちがプール遊びを楽しむためには、保育士さんが「ちょっとした変化に気づけるか」が大事だと思っています。
「血が出ているけどプールに入れて大丈夫かな」「昨日まで無かったぶつぶつができてる」など、少しでも違和感があれば一人で悩まず先輩や、看護師に確認しましょう。
保育士さんの観察力が、感染を防ぎ子どもたちの身を守ることにもつながります。