保育園は土曜日も預けられる?土日・祝日の保育の仕組みや就労証明について、保育学生向けにわかりやすく解説します。
「保育園って土曜日もやってるの?」「ずっと出勤になるのかな…」そんなモヤモヤ、ありますよね。
でも大丈夫。土曜日・日曜日・祝日の保育は、園や地域によって仕組みがちょっと違うんです。
この記事では、保育園の土曜日保育のリアルな実態からよく聞く「就労証明ってなに?」まで、保育学生向けにやさしく解説。
知っておくことで、実習や就活の不安もきっと軽くなりますよ。
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1. 保育園は土日/祝日は休み?開園状況
保育園の土日・祝日の開園状況は、園や地域によって仕組みが少しずつ違います。
「保育園は土曜日も開園していますか?」と気になる人は、自分が働きたいと思う園の状況を事前に知ることが大切です。まずは、保育園の基本的な開園状況について見ていきましょう。
- 土曜日は開園している園が多い
- 日曜日/祝日は限られた園のみ
- 地域差や制度で休日保育に違いがある
順に解説します。
・土曜日は開園している園が多い
実は、ほとんどの認可保育園は土曜日も開園しているんです。
平日は朝7時から夕方18時まで開いている園が多いですが、土曜日もほぼ同じ時間帯で保育を行っている園がたくさんあります。
厚生労働省のデータによると、認可保育所の約87%、認定こども園の約79%が土曜日も保育を実施。
大阪市では、市内の認可保育園のほぼすべてが土曜日保育を行っている地域もあります。
保育士の89%が土曜日出勤している事実からも、たくさんの保育園で土曜日保育が行われていることが推測できますね。
・日曜日/祝日は限られた園のみ
日曜・祝日の保育は「休日保育」と呼ばれ、実施している園はまだ少ないのが現状です。
利用するには事前申請と「就労証明(保護者が日曜・祝日も仕事をしていることを証明する書類)」が必須。
普段通っている園が休日保育を実施していない場合、近隣の実施園に預かってもらうケースも多いですよ。
とはいえ、休日保育は特別な制度なので保護者の方にとっては手続きに少し手間がかかることも。当日にいきなり利用するのは難しいことを覚えておきましょう。
・地域差や制度で休日保育に違いがある
休日保育の実施状況は、住んでいる地域によっても違ってきます。
たとえば、都市部では働く保護者が多いため、休日保育を選べる場合が多いです。
一方、地方ではまだまだ実施園が少ない傾向。これは、自治体の予算や保育士の人数が関わっているためです。
保育士がたくさんいれば土曜日や日曜日もシフトを組みやすいですが、人手不足の園では難しいですよね。
最近では、民間保育園が独自に休日保育を行うケースも増えてきています。
2. 土曜日に保育園へ預ける条件
土曜日の保育園利用には、一定の条件があります。保護者の方がどのような状況の際に利用できるのかを簡単に解説します。
- 両親が土曜勤務で働くこと
- 就労以外でも利用できる場合がある
順に見ていきましょう。
・両親が土曜勤務で働くこと
土曜日に保育園を利用するためのもっとも大切な条件は、両親がともに土曜日に仕事をしていることです。
これは、内閣府令(「子ども・子育て支援法施行規則 第一章 第一節 第一条の五」)でも定められています。
わかりやすくいうと、「保護者がそろって一定の時間以上働いている場合に、保育園を利用できますよ」こんなルールです。
したがって、お父さんが土曜日休みでお母さんだけ仕事の場合は、原則利用できません。
「月に64時間以上働いている」など、自治体ごとに最低労働時間が決まっているため、その条件を満たす必要があります。
保育園利用には公平性が求められるため、明確な基準があるんですね。
・就労以外でも利用できる場合がある
両親の就労がおもな条件ですが、それ以外でも利用できるケースがあります。
それは、保護者や同居家族が病気で通院しているときや、介護が必要なときです。
また、以下のように緊急かつやむを得ない事情でも、利用できる場合があります。
ただし、園ごとに対応が異なるため、事前に確認が必要ですよ。
「育児を休んでリフレッシュしたい」などの目的では、利用が認められませんので注意しましょう。
3. 土曜日保育に必要な「就労証明」とは?
保育園の土曜日保育を利用するうえで必要な「就労証明」。これは、保護者の方が働いていることを証明するための大切な書類です。就労証明について、保育学生の皆さんにも知っておいてほしいポイントが2つあります。
一つずつ解説します。
・就労証明書とは?
就労証明書とは、保護者の勤務先が発行する公式な書類です。
働き始めた時期や雇用形態、週に何日・1日に何時間働いているか、などのくわしい情報を証明します。

就労証明書は、実は国の「子ども・子育て支援法施行規則」で定められた書類。
標準様式が全国で統一されているため、どの自治体でも同じ書類が使われています。
この書類がなければ、土曜日に保育園の利用はできません。
そのため、保護者にとってはとても重要な書類なんです。
参照: e-Gov 法令検索「子ども・子育て支援法施行規則」
・就労証明書の提出が必要な場合
就労証明書は、保護者の就労状況に変化が無いかを確認するため、一般的に年に1回の更新が必要です。
たとえば、年度が変わるタイミングに再提出をお願いすることが多くなります。
もし保護者が転職した場合、新しい勤務先の就労証明書を速やかに園に提出してもらう必要があります。
前にお伝えしたとおり、就労証明書が無いと、土曜日保育の利用は原則できません。
そのため、保育士は保護者に早いタイミングで伝えておく必要があるんです。
4. 保育園は土曜日は預けにくい?断られたケースと理由
保育園の土曜日保育は、ときには利用を断られてしまうこともあります。実際に断られるケースとその理由を見ていきましょう。
- 定員制限で希望者が多いとき
- 申請締切や書類不備の場合
- 就労以外が理由のとき
くわしく解説します。
・定員制限で希望者が多いとき
保育園の土曜日保育は平日よりも保育士の人数が少ないため、定員が設けられている園がほとんどです。
とくに認可外保育園や人手不足の園では、利用が制限されやすい傾向にあります。
園によっては、平日に比べて3分の1程度の定員になっていることもめずらしくありません。
そのため、利用を希望する場合は、早めに申請することがポイント。
保育士として、就労証明書などの提出を求める際は保護者にアドバイスできるとよいでしょう。
・申請締切や書類不備の場合
保育園の土曜日保育を利用するには、ほとんどの園で事前申請が必要です。
しかし、締切を過ぎてしまったり、就労証明書などの書類がそろっていなかったりすると利用できないことも。
申込締切日や必要な書類は園によって異なるため、土曜日保育を希望する保護者には早めの確認をお願いしましょう。
安心して土曜日保育を利用できるようサポートすることも、保育士の大切な役割です。
・就労以外が理由のとき
土曜日保育の基本条件は、保護者の就労です。
そのため、「育児疲れでリフレッシュしたい」「友人との用事がある」などの私的な理由では利用できません。
2章でお伝えした通院や介護などの特別な事情以外は、原則として断られてしまいます。
当日になって「急用ができたので預かってください」などの依頼は、基本的に受け入れてもらえないことを覚えておきましょう。
5. 土曜日の保育園|保育内容と子どもの過ごし方
土曜日の保育園では、平日とは違った土曜日ならではのよさや過ごし方があります。子どもたちの過ごし方を見てみましょう。
- 平日より少人数で落ち着いている
- 異年齢保育で社会性を育む
一つずつ解説します。
・平日より少人数で落ち着いている
土曜日保育は、平日に比べて子どもの人数がぐんと少なくなります。
園によっては、3人〜4人程度になることも。
「子どもが少なくてかわいそう…」と思われがちですが、実際は違いますよ。
遠くの公園まで足をのばして遊ぶなど、平日にはできない経験ができます。
子どもたちは先生をひとり占めできる、そんな特別な気分を味わえて笑顔もたくさん!
少人数だからこそ、子ども一人ひとりとじっくり向き合えるんです◎
保育士にとって、「一人ひとりの個性や興味」を深く知れて日々の保育に活かせる、貴重な時間となります。
・異年齢保育で社会性を育む
土曜日保育では、複数の年齢の子どもたちが一緒に過ごす「異年齢保育」が主流です。
0歳児〜5歳児までが同じお部屋で過ごすことも、めずらしくありません。
年上のお兄さんやお姉さんが年下の子をお世話して、社会性が育つことも◎
自然に社会性が身につくことで、新しい友だち関係が生まれることもあるんですよ。
保育士にとっても、全年齢の子どもたちに対する保育スキルを磨けるチャンスです!
実習生の心構えのポイント
もし、実習で土曜日保育を見学する機会があれば、少人数保育のよさや異年齢交流の様子に注目してみてくださいね◎
0歳児と5歳児が同じ空間にいる中で、年齢に合わせた声かけをどう使い分けていくのかなど、学べることも多いでしょう。
土曜日出勤の魅力は以下の記事でも紹介しています。ぜひ読んでみてくださいね。
6. 保育園の土曜日保育|料金/利用時間
「土曜日に保育園を利用するとお金はかかりますか?」保護者へ説明する際に、気になるポイントですよね。知っておくことで、質問にもスムーズに答えられます。
- 土曜日保育の料金|基本的に追加料金なし
- 利用時間は何時まで?|平日とほぼ同じ時間帯
それぞれくわしく見ていきましょう。
・土曜日保育の料金|基本的に追加料金なし
認可保育園の土曜日保育は、保護者がお仕事などで保育が必要な場合は基本的に追加料金なしで利用できます。
国が決めた保育料の仕組み(公定価格)によって、土曜日を含む週6日間の費用が基本の保育料に含まれているからです。
一方で、日曜・祝日の「休日保育」は、昼食やおやつ代などで別途料金がかかる園が多くなっています。
日額1,000円〜5,000円程度の料金がかかったり、保護者両方の休日勤務など利用条件が厳しくなったりすることも。
認可外保育園の中には、土曜日も別料金を設定している園もあります。園によって違いがあることを覚えておきましょう。
保護者から「土曜日は料金が高くなるの?」と質問されることも多いですよ。
こうした制度を理解しておくことも、実習や就職後にきっと役立ちます◎
・利用時間は何時まで?|平日とほぼ同じ時間帯
保育園の土曜日保育の利用時間は、平日とほぼ同じで、たとえば7時〜18時が一般的です。
日曜・祝日はさらに短い時間(8時〜17時など)になる場合もあります。
ただし、注意したいのは延長保育です。
平日は19時まで利用できても、土曜日は18時で終了する園が大多数を占めています。
知っておこう!保育学生に役立つ知識
土曜日は保育士の配置人数が少なく、延長保育の実施が難しいことがあります。
実習で保育園の土曜日保育を見学する際は、職員配置の違いにも注目!
平日の職員配置と比べて、働き方や保育の工夫などの違いがわかり、学びが深まりますよ。
7. 土曜日の保育園についてよくある質問(FAQ)
土曜日の保育園についてよく聞かれる質問をまとめました。保育学生の皆さんに、ぜひ知っておいてほしい内容です。
Q. 保育園は土曜日も開園していますか?
Q. 土曜日に保育園を利用するとお金はかかりますか?
Q. 保育園の1号認定は土曜日も対象ですか?
Q. 土曜日に仕事以外の理由で保育園に預けられる?
一つずつ見ていきましょう。
Q. 保育園は土曜日も開園していますか?
A. はい、多くの認可保育園で土曜日も開園しています。
厚生労働省のデータによると約8割の園で実施されていますが、利用には保護者の就労が条件となります。
地域によって実施園の割合に差があるので、就職したい地域の状況を調べておくと安心です◎
Q. 土曜日に保育園を利用するとお金はかかりますか?
A. 認可保育園では、基本的に追加料金はかかりません。給食費やおやつ代も、通常の保育料に含まれていることが多いです。
ただし、日曜・祝日の休日保育は、別料金が発生する場合があります。
Q. 保育園の1号認定は土曜日も対象ですか?
A. 1号認定(幼稚園と同じ短時間利用)の子どもは教育時間のみが対象なので、土曜日は基本的に利用できません。
土曜日の利用は、働く保護者の子どもである2号・3号認定が中心となります。
ただし、認定こども園の中には、1号認定でも「預かり保育」として土曜日も利用できる園もあります。
Q. 土曜日に仕事以外の理由で保育園に預けられる?
A. 基本的に、就労以外の理由での土曜日保育利用は保育園の方針によって異なります。
通院や介護など、特別な事情がある場合は相談できる場合が多いです。
冠婚葬祭での利用は園によって対応がわかれます。
まずは園に相談することが大切ですよ◎
8. 次の一歩へ!「ほいコレナビ」で働き方も園選びも安心して進もう!
土曜日保育のある保育園で働くことについて、少し不安が解消されましたか?
将来の働き方が具体的にイメージできるようになると、実習先や就職先を選ぶのも楽しくなりますよね。
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