保育は 養護 の視点をしっかりと捉えて、子ども達が心身ともに快適に過ごせるよう関わっていくことが大切。また、年齢別にそのねらいは変化します。今回は、看護師の私から1歳児の 養護 のねらいと、具体的な内容をお伝えします。保育学生さんの参考になれば嬉しいです。
1. 1歳児の 養護 のねらい
保育実習を控えている保育学生のみなさん!子ども達とどのように関わろうか、何をして遊ぼうか悩んでいませんか?
保育に大事なことは「 養護 」の視点をしっかりと理解して、子ども達と関わることです。
子ども達が、心身ともに健康で安心できる場をつくっていきましょうね。
養護・教育についてはこちらの記事を参考にしてください♪
同じ1歳児でも、月齢ごとに発達の状況が違います。
1歳になったばかりの子と、もうすぐ2歳になる子では全く違うので、保育学生さんはそのことも理解して、子ども達と関わっていきましょう!
1歳児発達の特徴
・歩行が安定する
・一人歩きをする
・おしっこ、うんちを教えるようになる
・スプーンやフォークを使って食べようとする
・くつを自分で履こうとする
・1語文~2語文話すようになる
・大人に呼びかけたり、「イヤイヤ」と拒否をするようになる
・自我が芽生え始める
1歳児は徐々に「自分でやりたい!」という気持ちが芽生え始めるので、その気持ちを尊重して、自信につながるような声掛けや関わりをしていきましょう。
見守ることと、手伝うことのバランスをよく考えて、子ども一人ひとりの発達に合わせることが大切です。
2. 保育に役立つ!1歳児の 養護 の内容をご紹介
つぎに、1歳児の 養護 の内容について具体的な例を挙げてご紹介します。
実習を控える保育学生さん必見です!
【保育園が安心できる場所であることを伝える】
1歳児になると自我が芽生え始め、自分の気持ちを言葉や行動で表します。
親と離れることに不安を感じたり、人見知りをすることが増える時期。
子ども達の情緒を安定させるためには、保育園が安全、安心できる場所であることを子ども達が知る必要があります。
例えば、親と離れることが不安で泣いている場合、「ママは〇時になったら、お迎えに来るからそれまで先生とおもちゃで遊ぼう!」「○○ちゃんが来てくれて先生嬉しいな」
など、子どもが安心できるような声掛けをしましょう。
その時に「泣かないで」など、子どもの感情をコントロールするような言葉かけはNG。
子どもにとって「泣く」ということは、感情を表現する手段のひとつ。泣くということは、子どもからSOSを出している状態です。それを抑えてしまうと、保育園では誰も助けてくれないと認識してしまいます。
不安だけど、頑張って保育園に来たことを受けとめ、子どもとの信頼関係を築いていきましょうね。
【トイレでの排泄が気持ちいいと感じられる】
個人差はありますが、1歳後半になるとトイレトレーニングが始まることが多いです。
最初はもちろん、失敗してしまうことが多いです。
失敗をしてしまっても、トイレに座れたことや、トイレまで行けたことを褒めて、子ども達が自信を持てるような声掛けをしていきましょう。
時間を決めて、トイレにみんなで行くというのも効果的ですよ。
トイレで排泄ができたら「トイレでおしっこできたね!頑張った!」と伝えることが大事です。
また、トイレで排泄すると、パンツも汚れないし気持ちが良いということを実感することでおむつ卒業につながります。
【自分で食べたい!を見守る】
1歳になると、手づかみやスプーン、フォークを使って、徐々に自分でご飯を食べるようになります。
自分でやりたい!という気持ちはあるのに、まだ上手にできないと子ども達は食べることがイヤになってしまうこともあります。
そんな時は「先生と一緒にやってみよう」と声掛けをして、一緒にスプーンにご飯をのせるのを手伝い、口に入れるのは子どもにやってもらうなど、できる動作を増やしてあげましょう。
全て保育士さんが行うのではなく、何が難しくて何ができるのかを観察し、子どもに合った食事介助をしていきましょうね。
【活動と休息のバランスをとる】
1歳児は全身の筋肉が発達し、運動能力が大きく発達する時期。
外遊びや、体操など体を思いっきり動かす時間をつくりましょう。
また体は疲れているのに、まだ遊びたい!と自分で休憩をとることが難しいので、保育士さんが意図的に休憩を取らせることが大切です。
例えば、お昼寝の時に決まった音楽を流して「今は寝る時間だ」と子どもがわかるようにするのもおすすめ。
子どもの成長には、活動と休息のバランスがとても大事です。
メリハリをつけて保育をしていきましょう。
3. 養護 の視点をベースにした保育をしよう
今回は看護師の私から、具体的な1歳児の 養護 の内容についてお伝えしました。
1歳児は精神的、身体的に大きく成長をする時期です。
子ども自身も、自分でやりたいのに上手にできないと葛藤が多くなります。
保育士さんは、そんな子どもの気持ちを受け止めて、できるところは褒めて、できないところは手を差し伸べるようにしていきましょう。
自分でできることが増えれば、自信につながり、保育園が楽しいと思えるはず。
保育学生さんも、実習の時にはこのようなことを意識して保育をしてくださいね。