2021.6.10
慣らし保育とは?保育の内容や保育士が意識すべき注意点
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新入園児の中には、保育園に慣れるための「慣らし保育」を経験する子も多いのではないでしょうか。
子どもにとって「保護者と離れる」という経験がまったくはじめてのケースもあり、不安を覚える子も多いため、保育士はしっかりとサポート環境を整えておかなければいけません。
改めて慣らし保育について学び、子ども目線のサポートについて考えてみましょう。
慣らし保育とは?
慣らし保育とは、保育施設への入園を希望している新入園児が、施設に慣れるために行われる一時保育のことです。
だいたい1週間から1か月の期間の中で行われ、場所見知りをしてしまう子にも「毎日同じ場所へ通う」という経験をしてもらいます。
ただしどんな期間、また1日のうちどのくらいの時間を過ごすかは、保育施設によっても違います。
はじめのうちは1日1時間など、短い時間を保育士さんやほかのお友達の中で過ごし、少しずつ時間を伸ばしていく方法が一般的です。
もちろん「必ずこうでなければならない」というものではありませんので、子どもの様子を見ながら期間や時間を伸ばしたり、縮めたりもしていきます。
徐々に生活リズムを調整しながら、保育園での生活へスムーズに移行できるよう目指します。
慣らし保育ではどんな内容の保育を行う?
慣らし保育の目的は保育施設での生活を体験することですから、在園生と同じような保育を実施します。
施設にある設備やおもちゃを使った遊びの中で、子どもの様子を見ていきます。
はじめのうちは1~2時間といった短い時間で慣らし保育が終わってしまいますから、限られた時間の中で子どもがどんなものに興味を示すか、しっかり見ておきましょう。
その子の個性を見極めるきっかけにもなるはずですので、短い時間でもじっくり向き合うことが大切です。
もし、緊張して固まってしまう、自分から手を伸ばす様子がないというときには、保育士のほうから積極的に色んな遊びに誘ってあげましょう。
みんなの輪に入っていくのが嫌そうであれば、無理じいはせずに慣れるまで好きにさせてあげることも大事です。
長い時間慣らし保育をするようになると、給食やお昼寝の時間を経験する子もいます。
そのときには、子どもの特徴をさらに詳しく、細かく知ることができるでしょう。
ご飯の食べ具合はどうか、どんなものが好きか、アレルギーはないかといった大事な情報も把握するきっかけになります。
またお昼寝の時間では、それまで元気だった子も急に心細くなってしまうことがあります。
泣き出したり、ほかの子が眠っているあいだにも泣き続けたりする子には、じっくり寄り添ってあげましょう。
また、ほかの子が泣いていると不安が移ってしまうこともありますから、なるべく安心できる環境作りを目指してあげてください。
スムーズな慣らし保育を実現するためには?
慣らし保育をスムーズに行うためには、やはり子どもの目線に立った指導が必要不可欠です。
考えてみてください。
生まれてからずっと、大好きな家族と一緒に健やかな時間を過ごしてきたのに、ある日突然引き剥がされてしまう……。
大好きなママに会えず、泣いてもなかなか迎えに来てもらえない、その上見ず知らずの場所で、見ず知らずの人々と過ごさなければいけない……。
子どもからすれば「なんで?」、「帰りたい」、「行きたくない」と思うのも無理はありませんよね。
そうした混乱の中にいる子どもとどのように向き合うか、どのように子どもにとって「当たり前の毎日」にしていくかは、保育士の手腕が問われるところでしょう。
無理をさせると「保育園=嫌な場所」という印象になってしまいますから、常に子どもの様子を気にかけてサポートしてください。
もちろん保育士だけでなく、保護者の力も必要不可欠です。
保護者から自宅での様子を聞いたり、施設での様子を共有したりしながら、無理のない慣らし保育を目指しましょう。
そのほかに保育士が気にかけておきたいこと
慣らし保育をはじめると、どうしても新しく入ってくる子につきっきりになってしまいますよね。
しかし、在園児のケアも忘れてはいけません。
実は、慣らし保育の対応に精一杯な保育士が、在園児の対応をついついおろそかにしてしまうことはめずらしくないのです。
そうならないためにも、色んな方向へ目を向けて幅広いケアを心がけましょう。
とは言え、抱えるものが多くなると慣れている保育士でもつらく感じられてしまうものです。
ほかの保育士と連携し、在園児対応を任せるなどの工夫も必要です。
まとめ
保育施設に慣れるために行われる慣らし保育は、子どもにとっては不安や緊張を覚えるきっかけにもなりかねません。
そうした子にも寄り添い、なるべく安心できる環境づくりを行うことが大切です。
なにより子どもに無理をさせず、その子のペースで保育施設に慣れてもらえるよう目指しましょう。