くにこ先生:派遣の先生インタビュー

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2023.3.28

くにこ先生:派遣の先生インタビュー

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くにこ先生

派遣保育士:10年目
滋賀県栗東市 保育園勤務

#10年で見つけた保育の魅力
#障がい児担当として重ねたキャリア
#派遣の安心感が私には必要

■現在の働き方は?

派遣保育士として10年目。派遣ではありますが、無期雇用契約となり長く同じ環境で働かせてもらっています。

これまで保育業界以外に複数の職種を経験してきましたが、保育のキャリアが一番長くなりました。現在は4歳児の加配担当です。

■保育士になろうと思ったきっかけは?

私が幼稚園の時の担任が優しくって可愛くって。何をしていてもいつもニコニコ笑顔が素敵な先生で憧れでした。

幼稚園の卒園文集に”幼稚園の先生になる!”と書いてそれ以降、その気持ちが無くなりませんでした。

その時は幼稚園と保育士の違いを知りませんでしたが、保育園の方がより小さい子と関われると知って保育士を目指しました。

実はその先生は、偶然にも後々私の親戚と結婚されたので、親戚関係になったというご縁があります。

遠縁なのでお会いする機会も少なくて、先生に憧れて私が保育職に進んだことをご存知ないので、もしかしたらこの記事で知って驚かれるかもしれませんね。笑

■他業種経験もありますが、保育業界と比較していかがでしたか?

児童館、児童向け教育教室、介護用品メーカー、工場の仕事、院内保育所などこれまで色んな職業を経験してきました。

夫の転勤で住む地域も移ることがあり振り返ると色んな仕事と人に出会ったなと思います。

どの経験も無駄ではなく、むしろ人生の糧になっています。

進路を選ぶことに苦労して、迷ったり悩んだりすることもありましたけど、色んな仕事や出会いによって得た知識や経験、視野が、保育に活かせているなと感じます。

例えば介護用品メーカーでのお仕事。環境も良くて周囲の人にも恵まれたのですが高齢のお客様がお会いする度に弱っている様子を見るのは精神的にとても辛かったです。

一方で子どもの笑顔ってすっごく大きいパワーがあって純粋。

比べるものではないですし、介護用品メーカーでのお仕事もやりがいを感じていたのですが、私個人としてはやはり希望に満ちあふれた子どもたちを支える仕事の魅力ってすごい!と改めて思いました。

これも他の業種を経験できたからこそわかることだなと思います。

あ、あと先日園の散歩車が壊れてしまったんです。

ふと見ると”これは虫ゴムを変更したらいけそうだな~”と思ってちょうど家に部品があったので直しました。実は介護用品メーカーで勤務していた時に、車椅子の修理経験があったから。なんとなく構造が似ていて、やってみたら直せちゃいました。笑

周りの先生も「虫ゴムって初めて聞きました!くにこ先生何でも知ってますね~」と言ってもらい嬉しかったです。

こんなことも過去の経験が役立つなんて自分でもびっくりです。

■ベルサンテを知ったきっかけは?

当時私の子どもも小さかったので、働き方を模索していました。

以前に別業種の単発派遣の経験が少しあったので、派遣の柔軟な働き方のメリットはなんとなく理解していました。

そしてベルサンテさんが当時出されていたチラシをみて「保育も派遣があるんだ!」と思ってすぐに連絡しました。

まずは話だけ聞こうかな~と思っていた程度だったのですが、働き方やご説明、条件が私にピッタリのお仕事をご提案頂いたので即決しました。

その時、実は自分に合わなかったら次年度は別の環境に移ればいいかなと思っていたのですが、気づけば10年たちましたね。笑

まさかこんなに長く続けるとは思っていませんでしたし、無期雇用をして頂けるとも思っていなかったです。

■10年間、派遣保育士として勤務されて今振り返ると?

経験を重ねてきたことで、周りの先生から色々聞いてもらえることも多くなったし逆に聞きやすくもなりました。人に頼ることを覚えたように思います。

また10年のうちたくさんの年度を加配保育士として担当させてもらってきました。お悩みや不安を抱える保護者さんが多いですし、子どもも色んな個性があります。

対応について色んな先生や専門家さんとも相談する機会もたくさん。

色々な人に出会ったり、一つのことに対してたくさん考えてきたことで豊富な価値に触れて自分の成長に繋がっていることは有難いですね。

■加配保育士として印象に残っていることは?

ダウン症の子どもを担当していた3年目、当初は地域の学校への進学を望んでいたお母さんが、卒業間際にお話し下さった言葉がとても記憶に残っています。

「支援学校に見学に行って、そこの子どもたちの生き生きした姿を見ていると、息子が自由で笑顔でいられるのはきっと地域の学校ではなく、こっちなんだと思いました。」

支援学校に行くことになったのは、支援学校を選択せざるを得なかったからだとずっと思っていた私にとって、この言葉は思い出すだけで涙が溢れてきます。

いろんなかたちがあるけれど、子どもと保護者の一番の味方でいたい。そう思えるのも、その子とお母さんがいたからなんです。私一人では気づくことのできなかった感情に気づかせてもらいました。

皆から愛されキャラのその子の話題は今でも当時の先生と話題に出るほど。とっても大切な出会いに感謝したいですね。

■「やっぱり、保育っていい」と思う瞬間は?

記憶に残る思い出をたくさんもらえることでしょうか。

先ほどお話したダウン症の男の子の話なんですけど、運動会の時に、それまでは一度もできなかった旗振りを本番ではニコニコしながら勢いよく振ってくれたんです。

私はその子のすぐそばにいたんですけど、その時のキレイな青空の中に揺れる旗とその子の笑顔、周りの子どもたちのかっこいい表情、帽子の色、一つ一つが写真のように今でもくっきり思い出せます。

保育を通して、子どもたちから素敵なギフトをもらっています。

■子どもたちに対して意識することは?

子どもたちの心が動く瞬間をみれることがあります。その時のワントーン上がった笑顔が私はたまらなく好きで。

尊敬している園長先生ともよく話すんですけど、子どもたちにたくさんの喜びや驚き、楽しい瞬間をたくさん作ってあげたいなと。

製作が好きで、加配向けのおもちゃをよく作ります。最近も今担当している子向けにジオボードを作ったら、”できたー!”って楽しんでくれたのが嬉しかったです。

子どもたちだからこそのみずみずしい好奇心は特別なものなので、そう思える関わりや環境設定を大切にしたいですね。

■今後のキャリアは?

今の働き方がベストだと思っています。

今までいろんな経験をして良い部分もたくさんありましたが、自ら開拓して進路を見つけていくのが正直大変でした。

ベルサンテの担当の方がいつも親身に私の想いを受けて止めてくれたことで10年勤務できています。

例えば、今の園で継続ができなくなったり、状況が変わってしまってもベルサンテさんに相談すれば自分に合う環境を提供してもらえるという安心感があります。

やっぱり、新しい環境に自分で飛び込むのと、「ベルサンテから来ました!」ではハードルが違うと思います。

ベルサンテという大きな母体にいる安心感を感じさせてもらいながら自分の身体がいうことを聞く間は働かせてもらいたいと思っています。

■好きな言葉はありますか?

「みんなの手と手をあわせれば何かできる何かできる」

「一人の手」という歌の歌詞にあるこのフレーズが好きなんです。この歌は、私が保育士になるきっかけになった大好きな幼稚園の先生と一緒に歌っていた歌なんです。

保育士をしていると楽しいこともたくさんあるけれど、うまくいかないこともたくさんあります。

だけど、どんなときでもみんなで手を取り合って、私も、子どもも、保護者も、みんなで一緒に成長していきたい。そのためにはどうすればいいのかをいつも考えています。

自分は取り残されてしまったという思いを誰にもしてほしくないから。子どもたちにもそんな気持ちを持っていてほしいし、私もその気持ちを大切に持ち続けたいですね。

【編集後記 fromくにこ先生担当の保育コンシェルジュより】

取材のご協力本当にありがとうございました!

今回のインタビューに限らず、いつもくにこ先生とのお話で感じることは言葉の端々から伺える謙虚さです。

色んな経験に触れ、たくさんの人との出会いによって培われた相手を思いやる気持ちが、くにこ先生の謙虚な言動に繋がっているのだと実感しました。

加配担当という容易ではないポジションに真摯に向き合い子どもと保護者さんをサポートする先生の存在は、保育現場にとって必要不可欠です。

そんな先生が長くご活躍できるように、より一層働きやすい環境構築に向けてフォローいたします!

今年度は4歳児さん担当。少し幼さが残るクラスであり来年就学を控える大切な年だと仰っていましたね。

お忙しい毎日だと思いますので、どうぞご自愛ください!応援しています!

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インタビュー・構成 ・文: 野間直樹
文:堀池恵美
写真 : 黒田彩加

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