2021.4.12
児童発達支援管理責任者(児発管)とは?仕事内容や修了までの手順
4520View
「児童発達支援管理責任者(児発管)」という言葉を聞いたことがありますか?
障害を抱える子どもたちを受け入れる施設において、必要不可欠といえる重要な職種です。
保育士のキャリアアッププランとしても覚えておきたい児童発達支援管理責任者の仕事内容ややりがいなどを解説していきましょう。
児童発達支援管理責任者(児発管)とは
児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障害を抱える子どもにまつわる保育・療育を行う職業のことです。
児童福祉法にもとづき、障害児をサポートする目的の施設が主な活躍の舞台となります。
児童発達支援施設には、必ず児童発達支援管理責任者を1名以上の配置しなければならないと定められており、施設においてなくてはならない存在と言えるでしょう。
主な役割として、利用している子どもたち、そして家族へのサポートを求められます。
一人ひとりにあわせた支援計画を立てるのはもちろんのこと、ほかの職員へ指導・助言が求められることもあるでしょう。
さまざまな知識や経験を役立てながら、子どもにとっても職員にとってもよりよい環境を構築する、リーダー的な立場となります。
児童発達支援管理責任者(児発管)の仕事内容
児童発達支援管理責任者の主な仕事のひとつとして、やはり個別支援計画書の作成は外せません。
個別支援計画書とは、子どもたち一人ひとりの状態にあわせて、どのような支援が必要なのかを決定するために作成される計画書です。
細かい支援内容も含めて、心理面や発達面の課題はなにがあるのか、子どもたちのことをよく考えて目標と支援内容を決定します。
実際に子どもたちとどのように接するかを決定づけるためにも使われる、非常に重要な計画書ですから、やりがいも感じられるでしょう。
そのあとは作成した個別支援計画書に従って、適切なサポートができているかどうかを確認しながら、子どもたちの状態をよく観察し、支援していきます。
さらに、必要に応じて保護者との面談も行います。
子どものサポートを行う上では、保護者の希望を確認したり、よい関係を構築したりすることが欠かせません。
「保護者の意見をすべて聞きいれる」必要はありませんが、保護者から見て「気軽に相談できる」、「信頼できる」と感じられる存在であるほうが、支援活動もうまくいきやすいものです。
保護者の言葉にできない不安も読み取り、寄り添えると信頼関係も構築しやすくなるでしょう。
そのほか、必要があれば事務処理なども担当するケースがあります。
児童発達支援管理責任者になるにあたっての流れ
児童発達支援管理責任者になるためには、老人福祉施設や医療機関などを除いた障害者福祉の分野において3年以上の実務経験がなければいけません。
細かな業務内容については自治体ごとの基準があるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
条件が整ったら、児童発達支援管理責任者基礎研修を受講します。
すべての過程が終われば「基礎研修修了者」となり、証明書を交付してもらえます。
ここではあくまで「基礎の内容が修了した」と考えられ、そのあと改めて児童発達支援管理責任者実践研修を受講し、実践研修修了者を目指します。
こちらも問題なく完了すれば、児童発達支援管理責任者の資格を取得できるようになります。
児童発達支援管理責任者(児発管)のメリット・デメリット
児童発達支援管理責任者のメリットは、保育資格を持っているだけでは働けない場所も含めて、活躍できる現場が増えることが挙げられます。
転職先を考えている人やキャリアアップを目指す保育士にとって、具体的な目標として目指しやすい存在となるでしょう。
資格を取得すればその分の手当も増え、現在一般的な保育施設で働いている人にとっては月給や福利厚生面での魅力も感じやすいかもしれません。
子ども一人ひとりと深く向き合いたい人には、支援計画を立てるなどの業務が楽しく、やりがいを感じられるでしょう。
一方で児童発達支援管理責任者のデメリットとして、先ほどご紹介した通り資格を取得するまでの道のりが長いことは覚悟しておきましょう。
無事資格が取れて、転職が有利になる、勤務条件がよくなる……と前向きに考えればやる気になるかもしれませんが、つい「本当に資格がとれるかな」と不安になってしまうと、モチベーションが下がってしまうかもしれません。
高い意識で資格取得を目指せるよう、同じ目標を持った仲間を見つけておくなど、モチベーションが保ちやすくなる工夫をしておくとよいでしょう。
まとめ
児童発達支援管理責任者(児発管)は、障害をかかえる子どもと向き合う上で必要不可欠な立場です。
基礎研修や実践研修を経て、知識や経験を活かしながら、子どもはもちろん家族のサポートなども総合的に行っていきます。
保育士としてキャリアアップしていきたい人、資格を手に入れたい人は、この機会に新たな目標とするのもいいかもしれません。