病棟保育士とは?キャリアとしての可能性と挑戦の魅力

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2025.2.2

病棟保育士とは?キャリアとしての可能性と挑戦の魅力

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こんにちは!保育の仕事に興味がある皆さんに向けて、今回は少し珍しい「病棟保育士」についてお話します。

病院で働く保育士というからには、子どもたちのために保育園や施設で働くのとは違う責務ややりがいがあるのだろうと思っている方も多いでしょう。

その通りです!病棟保育士として私は多岐にわたる業務を通して、子どもやご家族と一緒に特別な時間を作り上げることができました。この記事を通して、病棟保育士の仕事内容、そこにある意義とキャリアとしての魅力、そして働きながら気づいた課題まで、詳しくお伝えしていきます。

この全文を通して、「病棟保育士」という選択が自分のキャリアにどう活かせるのか、具体的な働き方についてもしっかりイメージできるようになるはずです。最後までお読みいただけると嬉しいです♪

この記事で分かること
病棟保育士とは何なのか?
・一般保育とどう違うのか?
・病棟保育士の仕事内容と求められるスキル
・病棟保育士に向いている人、はたまた向いていない人
・病棟保育士として働く上で得られるメリットと直面する課題
・なり方からキャリアパスまで、実際に病棟保育士を目指す方へのアドバイス

 

病棟保育士の定義とその魅力

病棟保育士とは、病院の小児病棟に勤務し、入院している0歳~18歳までの子どもたちをサポートする専門職です。言葉の通り「保育士」の資格を持ちながら、医療施設で子どもたちの保育や生活支援、メンタルケアを行うのが主な役割です。

彼らが担うのは、単に子どもたちの面倒を見るだけではありません。病気やけがの治療中に子どもが感じる恐怖や孤独を和らげ、親御さんにとっても精神的な助けを提供する点に特別な価値があります。

また、病院という閉ざされた環境下で、子どもたちが「病院生活を前向きに過ごせる」空間を作り出します。

病棟保育の意義とは?

この仕事の意義を一言で言えば、医療現場における「保育」と「支え」を通じて、子どもの笑顔と安心感を生むことです。入院のため不安定になりがちな心と、その成長を維持し、精神的な拠り所として存在することが大きな役割といえるでしょう。

私の経験したケースでは、長期入院の子どもが退院の日を迎えた時、嬉しそうに「またここで遊べる?」と笑顔を見せてくれた事例がありました。その日は特別なゲームや手作りのおもちゃを用意し、「退院おめでとう会」を開いたのですが、そうしたひとつひとつが彼の心のエネルギーになったのだと感じました。

通常の保育士と病棟保育士の違い

保育の目的や業務範囲の違いがあります。次の表でその違いをまとめてみました。

比較項目 病棟保育士 一般保育士
勤務場所 病院(小児病棟) 保育園、幼稚園、託児所、障がい者施設
子どもの対象 0~18歳まで 0歳~就学前の子ども
仕事内容 入院生活のメンタルケアや個別対応がメイン 集団生活の促進、年齢別の教育・行事が中心
日々の変化 子どもの体調次第で内容が大きく異なる 一般的な保育園のクラスごとで年間行事などに基づいた活動がある
必要な知識やスキル 医療的配慮(感染予防・疾患知識など)、個人への深い配慮が必要 保育計画の策定、保護者への連絡帳管理などの集団を扱う能力が重視される
行事
イベント
小規模(病気やケガに配慮して安全を優先) 大規模な運動会、発表会などが多い
給与 医療機関勤務のためやや高め 経験年数や勤務地域(自治体)により違いが大きい

 

何より大きな違いは、医療的な環境で働く点でしょう。
特に子どもの病状や心理状態に配慮し、安全第一でクリエイティブに対応する姿勢が求められます。

例えば、大きな病気を抱えた子どもに楽しんでもらうために、動き回る遊びが難しい場合は、カラフルな折り紙や音楽を使用した遊びを提供することがあります。空間や体の制約がある中でも、どれだけ豊かな体験を与えられるかが病棟保育士の腕の見せどころです。

病棟保育士の仕事内容を徹底解説

①遊びの提供

入院中の子どもたちへ適切な遊び・学びの機会を届けることが主な役割です。病院内という限られた環境で何ができるか、創意工夫が求められます。

• 動けない子ども向けに絵本の読み聞かせや簡単なパズル遊び
• 手元でできる製作遊びや折り紙などの工作
• 少し元気になった子どもには簡単なレクリエーション(風船遊びなど)

②家族支援

親御さんは子どもの体調不安から、精神的に負担を抱えがちです。病棟保育士は保護者の相談相手になることも仕事の一部です。

• 「家でどんなケアをしたらよいのか?」
• 「子どもの不安をどう和らげる?」などを専門家としてアドバイスする場面も。

③医師や看護師と情報共有

カンファレンス(申し送り)の参加から、適切な支援を行うために病状を理解し、医療知識を共有します。これにより、医師と協力した目標を立てられる点が重視されます。

④環境整備

感染対策として、室内や玩具を消毒し、安全で清潔な環境作りを担う責任もあります。

 

病棟保育士のメリットと魅力をさらに深掘り

一人ひとりにじっくり向き合える

病棟保育士として働く最大の魅力は、子ども一人ひとりと深く関わり、丁寧なサポートができるところです。
一般的な保育園や幼稚園では、年齢ごとにクラスが分かれており、集団活動が中心となります。
そのため、一人の子どもと長時間じっくり向き合う機会は限られてしまいます。

一方で病棟保育士の場合、入院中の子どもたちに対する個別対応が主な役割です。病気やケガによる入院生活は子どもたちにとってすでに不安要素が多く、親との時間も制限されているため、病棟保育士の存在が子どもにとって心の支えとなります。

子どもの性格や気分に合わせて話をじっくり聞く、笑顔を取り戻せる遊びを提案する、長期入院で気力が落ちている子どもが少しでも明るく過ごせるようにアイデアを出す。それらの活動を通じて、子どもたちが「この場所にいても大丈夫」と感じられる環境を作ることができるのです。

例えば、日に日に笑顔が増え、「もうすぐ退院!先生また来るよね」と声をかけてもらえることは、病棟保育士だからこそ味わえる独特の喜びです。こうした時間は、必ずしも病状の改善には直接影響しないかもしれませんが、子どもが安心して過ごせる環境を作ることは、心身の回復にとってとても大切な役割を果たします。
また、子どもの保護者やスタッフから感謝されることで、自身の仕事への誇りややりがいを実感できることも大きな魅力です。

夜勤なし&残業が少ない

多くの保育士が抱える課題のひとつが、予算や人材不足の影響で残業や持ち帰り仕事が多く、体力の消耗が激しくなる点です。特に運動会や発表会といった大規模行事の準備に追われる際は、深夜までの準備や休日出勤も珍しいことではありません。これは保育士としてのやりがいでもある一方、考え方によっては負担と感じる方もいるでしょう。

しかし、病棟保育士にはそのようなイベント準備がほとんどありません。業務は子どもたちの保育やサポートに集中しているため、「運動会の資料を作らなければ」「発表会の練習スケジュールが遅れている」といった悩みとはほぼ無縁です。

また、病院勤務は基本的にシフトがしっかり組まれており、日勤中心で夜勤なしの働き方が推奨されます。勤務時間は9時〜17時が多く、一日のスケジュールが比較的整っているのが特徴です。

さらに、課題だった「行事の準備作業」や「個別記録の資料持ち帰り仕事」も発生しにくい傾向があります。このため、仕事が終わればすぐに家族と過ごしたり、自分の趣味や学びの時間にあてることが可能です。

保育士の中でも「ライフワークバランス」を重視したい方にとって、大変魅力的な働き方といえるでしょう。また、残業や休日出勤が少ないため、育児中の方や仕事とプライベートの両立を図りたい人にも非常に向いている職場です。

病棟保育士になるために知るべき実情を具体化

医療知識の向上:自ら学ぶ姿勢が大切

病棟保育士はもちろん医師や看護師のような専門医療職ではありませんが、医療現場で働く以上、基本的な医療知識にはある程度精通していることが重要になります。

具体的には、子どもたちが抱える疾患の概要や症状の理解、感染予防の対策などが求められます。例えば、喘息をもつ子への適切な対応や、免疫力が低下している子どもに対する衛生管理(消毒・手洗いなど)といった基本知識が必要です。

また、病気の子どもたちは健康な子どもと比べて活動の制限が多いため、「〇〇の状態ではどんな遊びが適切か」「どんな状況では負担が少なく楽しめるか」を考える力が欠かせません。医療従事者から直に意見を聞いて学べることも多いですが、就業後も自主的に学び続ける意識は非常に重要です。

具体的な方法としては、医療保育士のセミナーや、病棟保育に関する書籍を読むことが挙げられます。また、必要に応じて「医療保育専門士」などの資格取得を目指すことで、現場で求められる知識を効率よく習得するのもひとつの方法です。このような知識を事前に身につけておくことで、採用時にもアピールでき、医療従事者とスムーズに連携できることが期待されます。

限られた求人数の中での競争

病棟保育士はその名の通り、病院内で保育を行う職種であるため、一般の保育士職と比べ求人数が限られています。

小児病棟を構える病院そのものが全国的に多くないことに加え、病棟保育士の配置が法的に義務付けられていないためです。このため、求人が少ない上に倍率が高くなる傾向があり、採用は狭き門となる場合が少なくありません。

特に、経験年数や医療保育に関連したスキルが採用時のポイントとして重視されることが多いため、新卒では採用されにくい現実もあります。その代わり、保育士としての職歴や対応スキルを磨いていれば、病棟保育士に転身するチャンスは大いに広がります。

求職に成功するためのポイントは、経験を具体的にアピールすることです。「病気の子どもを預かる保育ボランティアに参加した経験がある」「長期的に個々の子どもと向き合ってきた経験がある」といった具体例を挙げることで、採用担当者に自分の強みをしっかり伝えることが大切です。

さらに、ハローワークや人材紹介エージェントといった適切な情報源を活用し、求人をこまめにチェックする柔軟な姿勢も重要です。

病棟保育士のデメリットや課題

病棟保育士には多くのやりがいや魅力がありますが、それに伴う責任や課題もいくつかあります。ここでは具体的にどのような状況に直面するかを挙げ、その対処方法についても考えてみたいと思います。

1. 子どもの体調悪化などに直面することがある

病棟保育士の仕事では、長期間病気と向き合う子どもたちや、時に難病と診断された子どもたちの保育を行うことがあります。そのため、症状の急変や思ったように回復が進まない状況に直面することも少なくありません。自分ではどうしようもできない病気や治療の難しさを目の当たりにすることで、無力感を感じることもあるでしょう。

対処法 : 心理カウンセリングや医療チーム内での相談を行い、精神的な負担を適切に軽減することが重要です。また、自分一人で抱え込まず、病棟保育士同士や看護師、医師からのサポートを得ながら業務を進める意識が不可欠です。

2. 限られた環境下での活動

通常の保育園や園庭のように、広い空間やたくさんのおもちゃが揃うわけではありません。さらに、子どもの病状によって特定の遊びができなかったり、大きな動きが制限されたりすることもあります。このような環境では保育士としての日々の活動に工夫が求められます。

対処法 : 狭い空間や病床、その周辺でも楽しめる手遊びや工作技術を磨くこと、また子どもの状態に合った遊びを絶えず考える創造力を磨くことが大切です。保育雑誌や専門セミナーを活用するのも良い方法です。

3. 保育スキルの成長方向が限られる可能性

病棟保育士は多くの場合、個々の子どもに特化した接し方をします。保育園や幼稚園で行われる集団活動や行事の企画運営といったスキルを伸ばしにくい環境にあるため、一般保育士としてのキャリア成長方向とは異なる面があるかもしれません。

対処法 : 病棟保育士として十分な経験を積んだあと、病児保育園や託児所などでキャリアを広げることも選択肢の1つです。また、医療関係に特化した資格取得や両立した働き方を検討するのも良いでしょう。

4. 求人数の少なさと競争率が高い現状

病棟保育士は全国的に見ても求人数が限定的です。特に、小児病棟がある大病院や総合病院が勤務先になるため、これらが存在しない地域では転職先が少ないという課題があります。

また、病棟保育士は待遇が良い求人が多い分、採用倍率も他の保育士職より高い傾向にあります。

対処法 : 求人への準備期間をしっかり設け、保育士資格に加えて「医療保育専門士」などの資格取得を目指すことが効果的です。また、ハローワークや保育専門の転職エージェントを活用し、求人情報をいち早くつかむことも大事です。

病棟保育士に向いている人と向いていない人

自分が病棟保育士として適性があるのかを判断するのは、決して簡単なことではありません。しかし病棟保育士として成功している人にはいくつかの共通点があるといえます。以下に、向いている人と向いていない人の特徴をまとめました。

病棟保育士に向いている人

子ども一人ひとりとじっくり深く関わりたい人
病棟保育士では、集団保育では得られない個別の子どもとの強い信頼関係を築くチャンスがあります。一人ひとりを大切にする保育をしたいと思っている人にとって、大きな魅力を感じられる環境です。

保護者の気持ちに共感できる人
不安を抱えた保護者に寄り添うことも病棟保育士の大切な役割です。「親御さんが安心できれば子どもも安心する」という信念をもって行動できる人が適しています。

学び続ける意欲がある人
医療に関する知識や病状に応じた適切な対応法など、病棟保育士として働くには学び続ける姿勢が必要です。特に、医療スタッフとの連携に必要な医療リテラシーを深めることは、日常的に求められます。

冷静で落ち着いた態度を保てる人
不測の事態にも慌てず、冷静に行動できる精神的な強さが大切です。特に子どもや保護者の前では、ポジティブな姿勢を見せることで安心感を与えられるかもしれません。

病棟保育士に向いていない人

集団行事やイベント運営が得意で、それに大きなやりがいを感じる人
病棟保育士には大規模な行事がほとんどありません。そのため、運動会や発表会のようなイベント準備に情熱を持つ人には物足りなさを感じることがあるかもしれません。

医療や専門分野への知識習得に興味がない人
「保育以外の知識を追求したくない」という人には向いていないでしょう。医療従事者と関わる上で最低限の知識をつけておくことが求められます。

地域に転職先が少ない場所に住んでいる人
地域によっては小児病棟や病棟保育士を配置している施設が少ない場合もあります。この場合、転職活動が難航する可能性があるため、事前のリサーチが重要です。

病棟保育士になるための具体的なプロセス

病棟保育士になるために、最も重要なのは「保育士資格」を取得することです。資格取得後に実務経験を積み、キャリアを広げていくことが一般的な流れとなります。

1. 保育士資格を取得する
保育士になるには「認可保育士養成校を卒業する」か「保育士試験に合格する」必要があります。

2. 医療に関する学びを深める
勤務先の病院や医療従事者との連携を考慮すると、「医療保育専門士」などの資格が将来の転職活動を有利にしてくれる可能性があります。

3. 求人を見つける
病棟保育士を募集している病院は多くありません。転職エージェントや保育士求人サイトを活用し、こまめにチェックしましょう。

4. 応募・面接準備
履歴書に書く際は、「医療保育に対する意欲」や「具体的な経験」を明記することがポイントです。また面接では、困難なシチュエーションに対する自分の考え方を伝えられるよう、例を準備しておくと安心です。

キャリアパス:病棟保育士としての可能性

病棟保育士としてのキャリアは、医療保育のスペシャリストとしてさらに広がりを見せることがあります。病児保育施設や医療専門士としての資格取得後は、保育に特化したコンサルタント業務や、医療と保育をつなぐ教育指導者として活躍する道もあります。

この記事を読み終えたあなたが「病棟保育士として働く、自分の姿を想像できる!」と感じていただけたら幸いです。あなたの新しい挑戦が、未来の小さな患者さんたちの大きな笑顔につながりますように。

 

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