2025.5.20
小規模保育園で働く魅力とメリットとは?不安を解消しながら見つける自分らしい働き方
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最近では、駅前や商業施設内などに、小規模な認可保育園がどんどん増えています。「こんなに小さな保育園でもやりがいがあるの?」と感じる方もいるかもしれません。でも実は、小規模保育園ならではの魅力やメリットがたくさんあるんです。
この記事では、小規模保育園で働くうえでのメリットや特徴、働く際の注意点、そしてあなたに合った園の選び方まで詳しくご紹介します。保育士としての新しい可能性を知り、自分にぴったりの職場を見つけるヒントになれば嬉しいです。
目次
小規模保育園の特徴とは?
小規模保育園は、原則0歳〜2歳の乳幼児を対象にした、定員6〜19名の少人数制の保育園です。子どもの人数が限られている分、大規模園ではなかなかできない「一人ひとりにしっかり寄り添う保育」ができるのが大きな特徴です。
メリット1:子どもと深く関われる
少人数制のため、全ての子どもの成長をじっくり見守ることができます。運動会などの大がかりな行事の代わりに、家庭的で温かい「感謝の会」などを開くこともあり、子どもの成長をより身近に感じながら働ける環境です。
メリット2:保育士の負担が少なめ
子どもの数が少ないぶん、行事準備や書類業務などの負担も軽くなります。また、保護者と顔を合わせる機会も多く、信頼関係を築きやすいのもポイント。気軽に悩みを相談できる関係がつくれるのも魅力です。
メリット3:職員同士のチームワークが育ちやすい
小さな職場なので、職員同士のコミュニケーションが密になりやすく、連携もスムーズです。自然と助け合いが生まれやすく、温かい職場の雰囲気が育ちやすい環境と言えます。
小規模保育園で働くときに気をつけたいポイントとその対策
小規模保育園にはたくさんの魅力がありますが、働く前に知っておいたほうがいい注意点もあります。ただし、あらかじめ対策を知っておけば、安心して自分に合う園を選べますよ。
デメリット1:園庭がなく、外遊びに工夫が必要
小規模保育園はビルの中や商業施設にあることが多く、園庭がない園も珍しくありません。そのため、日々の外遊びでは近くの公園や散歩コースを使うのが一般的です。ただ、公道を歩くときは安全への配慮がとても大切です。
《対策のヒント》
- ・子どもたちが安全に通れるルートを、事前にしっかり確認しておく
・雨の日や外に出られない日は、室内でできる体を動かす遊びを用意しておく
デメリット2:3歳以上の保育経験を積みにくい
小規模保育園では、基本的に0〜2歳の子どもを預かるため、3歳以上の保育に携わる機会がほとんどありません。将来的に幅広い年齢の保育を目指す方にとっては、経験の偏りが気になることも。
《対策のヒント》
- ・0〜2歳の乳児保育に特化したスキルをしっかり身につけ、強みとして活かす
・転職活動では「乳児保育にじっくり取り組んだ経験」が武器になることを意識する
デメリット3:少人数だからこそ人間関係が濃くなる
小規模保育園では、職員数も少ないため、同僚との関係性がとても密になります。その分、意見の食い違いが表面化しやすいという面も。
《対策のヒント》
- ・日頃からスタッフ同士の会話や意見交換を大切にして、信頼関係を築いておく
・見学時に園の雰囲気をよく観察し、「この職場で気持ちよく働けそうか」をチェックする
デメリット4:活動が単調になりやすく、変化をつける工夫が必要
少人数での保育は、日々の活動がワンパターンになりがちです。そのため、子どもも保育士も「なんとなく同じ毎日…」と感じることもあるかもしれません。
《対策のヒント》
- ・季節ごとのイベントや、ちょっとしたお楽しみ企画を定期的に取り入れてみる
・地域の自然や文化資源を活かした体験活動を取り入れて、日々の保育に彩りを添える
小規模保育園を選ぶときに見ておきたいポイントと注意点
小規模保育園で働く良さを活かすには、「自分に合った園を選ぶこと」がとても大切です。ここでは、応募前や見学のときに確認しておきたいチェックポイントをご紹介します。「どんな園で働きたいか」が明確になれば、仕事のやりがいや楽しさもぐっと広がりますよ。
チェック1:職場の雰囲気と人間関係
スタッフの人数が少ない分、職員同士の関係性はとても重要です。働きやすさに直結するポイントなので、見学のときに園内の様子をしっかり見ておきましょう。
- 見るべきポイント
- ・スタッフ同士が自然に声をかけ合っているか
・園長先生やリーダーが、柔らかく話しやすい雰囲気か
・明るくて気配りのある雰囲気が感じられるかどうか
チェック2:保育方針や理念が自分に合っているか
園によって大切にしている考え方(理念)はさまざまです。あなた自身の保育観と合っているかを確認することが、長く前向きに働くコツになります。
- 確認方法
- ・園の公式サイトやパンフレットで理念や保育方針をチェック
・見学時には、実際の保育の様子を見て、自分が目指す保育と一致するか考えてみる
チェック3:働き方や勤務条件の柔軟性
無理なく長く働くためには、勤務時間やシフトの柔軟さも重要です。最近ではパート勤務や時短勤務を取り入れている園も増えているので、自分の生活に合った働き方ができるかどうかも要チェックです。
- 見るべきポイント
- ・シフトの希望がどのくらい通るか
・有給休暇の取りやすさや、残業・持ち帰り仕事の頻度
・子育て中やブランクがある場合の配慮があるかどうか
チェック4:園内の環境や設備
小規模保育園には園庭がない場合もあります。そのため、「どんな場所で子どもが遊ぶのか」や「室内の安全性」なども見ておくと安心です。
- 確認方法
- ・近くに公園や広場があり、安全に移動できそうか
・室内遊具や設備が充実しているか
・全体的に清潔感があり、安全面への配慮が感じられるか
チェック5:保護者との連携の仕方
小規模保育園では、保護者との関わりが密になります。園としてどのようにコミュニケーションを取っているかを知っておくことで、自分が無理なく関われるかどうかを判断できます。
- 見るべきポイント
- ・保護者との連絡方法(連絡帳、アプリなど)
・保護者と会話する時間がしっかり設けられているか
・意見や相談をしやすい雰囲気があるか
小規模保育園で“理想のキャリア”をつくるための5つのステップ
小規模保育園は、保育士としての成長ややりがいをしっかり感じられる環境です。ここでは、小規模保育園だからこそできるキャリアの積み方を5つのステップにまとめました。働くうえでのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1:乳児保育のスペシャリストを目指そう
小規模保育園では0〜2歳児が中心なので、乳児期の発達や関わり方をじっくり学ぶことができます。この時期の保育経験は、将来どんな職場でも活かせる強みになります。
こんなことに取り組んでみよう
- ・発達に関する研修やセミナーに参加して知識を深める
・子どもの成長を丁寧に記録し、家庭と共有する力を磨く
ステップ2:異年齢保育の経験を積もう
異年齢の子どもたちが一緒に過ごすのも、小規模保育園の特徴のひとつ。自然と“思いやり”や“自分で考える力”が育まれる環境です。
こんなスキルが身につきます
- ・年上の子が年下の子を助ける場面をサポートする
・子ども同士の関わり方やルール作りを工夫する
ステップ3:保護者との信頼関係を築こう
毎日顔を合わせる機会が多いからこそ、保護者との関係も深まりやすいです。「子どもの成長を一緒に見守るパートナー」としての関係性は、仕事へのやりがいにもつながります。
意識したいこと
- ・その日の子どもの様子を丁寧に伝える習慣をつける
・小さな相談や声かけにも、こまやかに応じる
ステップ4:保育の幅を広げるスキルを身につけよう
小規模保育園での経験にプラスして、新しいスキルを学ぶことで、あなたらしい保育の形が広がります。
おすすめの取り組み
- ・リトミックやベビーマッサージなどの講座を受けてみる
・食育や絵本の読み聞かせなど、自分の得意分野を伸ばす
ステップ5:将来のビジョンを描こう
日々の保育を積み重ねながら、少しずつ「自分の将来像」をはっきりさせていくことが大切です。どんな保育士になりたいのか、そのためにどんな経験を重ねていくのかを考えてみましょう。
こんな風に進めてみて
- ・自分の得意なことややりがいを感じた経験を記録しておく
・数ヶ月に一度、自分の目標や進みたい方向を見直す時間をつくる
小規模保育園で働きたい方へ
スムーズにスタートするための4つの準備
ここまでで、小規模保育園で働く魅力やキャリアの築き方が見えてきたかと思います。では実際に「働いてみたい!」と思ったとき、どんな準備をすればよいのでしょうか?ここでは、安心してスタートを切るための具体的な4つの準備をお伝えします。
準備1:園見学は“リアルな姿”を知るチャンス
求人情報だけでは分からない園の雰囲気や働き方を知るには、実際に足を運んで見るのが一番です。特に朝や夕方の時間帯は、子ども・保護者・職員のやり取りが見えやすく、園の本当の姿が感じられます。
- ポイント
- ・朝やお迎えの時間帯に見学予約を入れると、保育の雰囲気がよく分かる
・気になったことはメモに残し、面接時の質問材料にする
準備2:履歴書・自己PRは“思い”を込めて
小規模保育園では「乳児保育が好き」「一人ひとりとしっかり向き合いたい」といった想いが重視される傾向があります。特別な実績がなくても、自分の想いを丁寧に言葉にすることが大切です。
例文:
「少人数だからこそ、一人ひとりの小さな変化にも気づける保育ができると思いました。子ども同士の関わりや成長を、じっくり見守る保育を実践していきたいです。」
準備3:スキルや資格で“できること”を広げよう
保育士資格にプラスして、乳児保育に役立つスキルがあると就職・転職に有利です。特に小規模保育園では、“ちょっとした特技”が毎日の保育に活かされやすいんです。
- おすすめスキル・資格
- ・ベビーマッサージやおむつケアなどの研修
・リトミック・食育・絵本講座などの実践的スキル
準備4:求人情報のリサーチは“じっくり”と
園の雰囲気や方針は園ごとに異なるため、自分に合った職場を見つけるには丁寧なリサーチが必要です。転職サイトやエージェントを活用すれば、詳しい内部情報も得やすくなります。
- チェックポイント
- ・離職率や働きやすさに関する情報は要チェック
・通いやすさや勤務形態も、長く働くうえで大切
心がけたいこと:人間関係をつくる“姿勢”も大事
小さな園では、職員同士の関係がとても大切になります。人間関係がうまくいくかどうかで、毎日の働きやすさが大きく変わります。
心がけたい姿勢
「自分の意見を伝えるときは相手の立場も考える」
「日頃からこまめに声をかけ合い、情報を共有する習慣をつける」
このような準備を進めていくことで、「小規模保育園で働く」という新しい一歩を、自信を持って踏み出すことができます。
小規模保育園での成長を最大限に活かすために
小規模保育園での毎日は、子どもたちとの密な関わりや保護者との信頼づくりを通して、保育士として大きく成長できる貴重な時間です。特に乳児期の保育を深く経験できることで、「子ども一人ひとりに丁寧に寄り添える力」がしっかり身につきます。
また、異年齢保育を通して、子ども同士の優しさや自発性を育む力も養われます。こうした経験は、今後のキャリアでも強みとして活かせるはずです。
もちろん、大規模園とは違う点や課題もありますが、工夫と前向きな姿勢があれば、自分らしい働き方を見つけられる場所でもあります。
次の一歩を踏み出すために
これから「小規模保育園で働いてみたい」と思った方は、ぜひ以下のステップを実践してみてください。
1.気になる園があれば、まずは見学を予約してみる
2.自分の思いを伝えられる履歴書や自己PRを整える
3.乳児保育や専門スキルの学びを少しずつ進める
4.無理なく働ける園を見つけるために情報収集を徹底する
「子どもとしっかり向き合いたい」「アットホームな雰囲気で働きたい」そんなあなたにとって、小規模保育園はきっとやりがいと喜びに満ちた場所になるはずです。
まとめ
小規模保育園は、少人数制だからこそできる“寄り添う保育”を大切にしています。子どもたちの小さな変化に気づけたり、保護者と深く関われたりする環境は、保育士としての喜びをダイレクトに感じられる職場です。
一方で、園庭がない、3歳以上の保育経験が積みにくいなどの特徴もありますが、そうした点も事前に知っておけばきちんと対応できます。公園を使った散歩や、スキルの習得による補強も可能です。
また、職員数が少ないからこそ、コミュニケーションを意識することでチームワークが深まり、働きやすさも自然と高まっていきます。
小規模保育園は、これから保育士としての“土台”を築きたい方にとって、とても良いスタート地点。ぜひ、自分の理想とする働き方や環境を見つけて、新しい一歩を踏み出してみてくださいね。