2024.9.15
まき先生
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まき先生
派遣保育士歴:6年目
愛知県名古屋市 保育園勤務
#おばあちゃんのために
#夫に頼る!仕事&家事の両立術
#娘のことをもっと知りたい
これまでと今の働き方を教えてください
保育専門学校を卒業後、名古屋市内の保育園で5年間働いて、結婚を機に退職しました。
その後派遣保育士になって現在6年目。今は月~金の9:30~16:30勤務。2歳児クラスを担当しています。
一度も揺らぐことがなかった先生への夢
私の夢は幼稚園年長さんの時からずっと変わらず保育士でした。
保育職に興味を持つきっかけは、母が昔、保母さんをしていたことや大好きだった幼稚園の先生の影響がひとつ。
そしてもう一つは家族親戚の関係性も影響しているのかなって思います。
私の家族は、しょっちゅう親戚や従兄弟と集まったり、旅行に行ったりするほど仲がいいんです。昔からそういう文化があって、小さな子どもたちと触れ合うことも多くにぎやかな環境が楽しかったんでしょうね。
その風習は変わらず、今でも家族親戚間で定期的にどんちゃんしています(笑)。
高校卒業後は保育専門学校の夜間コースに進みました。当時の1日のスケジュールは、9時から17時までは保育園で補助のアルバイト、18時から21時まで授業。これを3年間続けました。思い返すとかなりタイト! 今ならきっと無理です(笑)。
おばあちゃんが一番の応援団
当時一番辛かったのは、想像していた保育士と現実とのギャップを早々に抱えてしまったこと。当時はまだ18歳。今より考えも甘かったですし、勉強や実務を通じて「好きだけじゃやっていけないのかも……」と悩んだこともありました。
そんなときいつも近くで私の夢を応援してくれたのは大好きなおばあちゃん。
辛い時はおばあちゃんの顔を思い出して「諦めずに頑張ろう!」と勇気をもらって乗り越えられました。
私、昔からおばあちゃんおじいちゃんっ子なんです。
これまで何度も保育士を辞めようか悩んだこともあったけれどいつもおばあちゃんが「まきちゃん、頑張ってね」と励ましてくれて。
だから「おばあちゃんが生きているうちは保育士は辞めれん!」という気持ちでここまで走り抜けてきたようなもの。私にとっておばあちゃんは一番の応援団です。
保育士二年目がしんどさのピーク
新卒時代を振り返ると、2年目が一番しんどかったです。1年目は先輩について手取り足取り教えてもらえたのですが、翌年その先輩たちが揃って退職することになり、2年目で後輩を指導する立場に。内心、3年間くらいは先輩の下でやっていけるだろうと思っていたので、「まだ新人なのに……」というのが当時の本音。
ただ、辛いこともたくさんあった反面、先輩が気にかけてくださったり、私を信頼してついてきてくれた後輩の存在にはすごく支えられましたね。
それに、早くに先輩という立場になったからこそ学べたこと、経験できたこともたくさんありました。
誰よりも叱られた分、多少のことではへこたれないメンタルもあの厳しい時期を耐え抜いたからこそ得られたと思っています。
ベルサンテの派遣保育士との出会い
結婚をきっかけに5年間勤めた保育園を退職し、出産後に勤めた保育園でベルサンテ所属の派遣保育士さん(VOICEで登場したまりな先生)と素敵な出会いがありました。
それをきっかけに私も派遣保育士として働きはじめました。
直接雇用から派遣にシフトチェンジしようと思ったのは、長男を出産した後に、思うように仕事が見つからず、苦労した経験があったから。
当時、雇用条件の事情で育休を取得できず退職するしか選択肢がありませんでした。育休明けに仕事を探したくても小さい子どもがいると面接に行くにも一苦労。二人目も考えていたので産育休取得できること、子育てと両立しやすい環境を探していました。
そのことを同僚だったまりな先生に相談したらベルサンテさんを紹介してくれたんです。
ベルサンテなら産育休を取得できるし、自分にあった働き方もできそうだと感じて「是非紹介して!」とお願いしたんです。
まりな先生は私が出会った保育士のなかでも特別な存在。信頼をおく先生からの紹介ということも大きな決め手になりましたね。
働くママにとって派遣は豊富なメリットがある
派遣保育士として働き始めてからこれまで産育休を2回とらせてもらって今、三人の子どもを育てながら仕事をしています。
子どもの事情で急なお休みをお願いしたり、お迎えの電話がかかってくることもありますが、そういった事情もふまえて、担当者の方が自分に合った園を探してくれるのでとっても心強くて。
育休後に復帰できる環境を整えてくださる安心感も、働くママにとってめちゃくちゃ大きいメリットだと感じます。何て幸せな環境にいさせてもらっているんだと感謝です。
子どものことで仕事への制約が色々とある中、担当してくれているkouchiさんに相談をすれば毎回私にぴったりな意見をくださるし、たくさん支えてもらっています。私だけじゃなく、夫もkouchiさんには信頼を置いているんです。
仕事と子育ての両立は「夫に頼る」
保育復帰するにあたって、夫にも育児に参加してほしいと事前に伝えました。夫自身も子育てに寄り添いたいタイプなので、私の気持ちを理解してくれています。
子どもが体調不良の時は仕事の休みを調整してくれたり、行事や面談に参加してくれたり。二人三脚で育児できているからこそ仕事との両立につながっています。
私、どんな事でも夫に相談するんです。例えば子どもの悩みごとが6つあったら、「3つはあなたに考えてほしい」と。その意見を擦り合わせて二人で考えをまとめていくようにしています。
毎晩、子どもたちを寝かしつけた後に夫婦で色んな会話をするのが、私にとって大切な時間です。
じつは…ネガティブなんです
周囲からは明るくてポジティブに見られがちですが、本当はめっちゃネガティブ人間なんです。しょっちゅう悩むし、めっちゃ泣くし、どうしようどうしようって言いがち。そしてじつは短気(苦笑)。
私が怒っていると、小学校2年の長男に「そういう言い方しないのっ!」って注意されます(笑)。彼の方が私よりも大人なんです。
そういった自分の性格を自覚しているから、仕事のときには明るく振舞っているのかもしれません。保育現場では私のプライベートは関係ないですからね。
あと、子どもの頃からおじいちゃんが「まきの笑顔はいいよ~」ってずっと言ってくれていたんです。落ち込んだりもするけれど、笑顔を大事にする気持ちは忘れないようにしています。
「やっぱり、保育っていい」と思う瞬間は?
保育は、子どもに悩まされることも多いけど、子どもに救われることも多い職業です。
例えば、自分が落ち込んでいても子どもは知らないから絶対に笑顔で「まき先生おはよー!」とか「先生あそぼ!」って来てくれるし、そこで自分のスイッチも切り替わるんです。
ふとした子どもの言葉に救われたりもするし、その度に「これだから保育士は辞められんわ」って思いますね。
あとは子どもから学ぶこともたくさんあります。それは切り替えの速さ。
園児に注意したり、叱らなくちゃいけない場面もありますよね。それで子どもが泣いたり、言い返してきたりすることもあるんですけど、ちょっと時間が経ったらガラッと激変!「まき先生~手ぇつなごうよ~」とか「いっしょに寝ようよ~」とか言ってくるんですよ。さっきまでのギャン泣きな何だったの~!?ってびっくり(笑)。
大人だったらなかなか真似できないことで、子どもの素直さやピュアな心の大切さに気づかせてもらっています。
これからの私
今後は発達障害の知識を身につけていきたいので、時間を見つけて研修にも参加したいなって思っていて。そう考えるようになったのは、発達障害がある娘の存在が大きいです。
年長さんになる娘は、まだ発語がありません。もし娘が健常児だったら絶対に生まれなかった感情もあっただろうし、見方も今と変わっていたと思います。
もっともっと娘のことを知りたい。それだけではなく発達障害の知識を増やすことができれば保育にも保護者対応にもオールマイティに活かせるんじゃないかと思っているんです。
その一方で、大変なこともたくさんあるのを分かっているから悩んでしまうのも正直なところ。クラスの子どもたちの中には落ち着きがなかったり、つい手が出ちゃったりする子もいて、どうしても娘と重ねてしまって色々と考えさせられたり、悩んだり。
私と同じような立場にいる保護者の方は、抱えている悩みや、これまで通ってきた道が私と似ているはず。今後はそういった方々に寄り添う保育者になれたらいいなって思っています。
大切にしている言葉
「大丈夫」
不安になったり落ち込んだりしたときは「大丈夫、大丈夫」って、口癖のように言い聞かせます。夫がよく言ってくれるんですけど、信頼している人に言われると尚更安心するんです。
大丈夫ってすごい心強い言葉だと思っていて、言葉にしたり聞いたりするだけで「なんとかなるかも」っていう気になれるというか。
だから、友達や先輩が落ち込んでいたら、敢えて「大丈夫ですか?」って聞くようにしているんです。そう聞かれると「大丈夫」って答える方が多い気がするので、「大丈夫」って言葉に出してもらうことで気持ちが落ち着くこともあるだろうから.。私自身がたくさん助けられてきたので「大丈夫」という言葉には言霊が宿っているなって思っています。
【編集後記 fromまき先生担当の保育コンシェルジュより】
いつも笑顔の絶えないまき先生!その明るい性格は、関わるすべての方に元気を与えているのは間違いありません。私もパワーをもらっている一人ですが、頑張り屋さんが故にどうかご無理なさらずに!困ったことがあればいつでも相談してくださいね!
そんな中で、まき先生の一番の支えはご家族の存在。奥様・ご家族思いのご主人は、まき先生の一番の味方!そうですよね?ご主人?
『はい!いつも保育士としての妻を応援しています。妻の天職は保育士だと思っています。他の仕事をしていた時よりも、保育士として働く姿はイキイキしているんですよね。苦手なピアノをこっそり練習している姿を見て、実はいつも妻の努力と真面目さに感心しています。そのとことん真面目な性格こそが、妻としても保育士としても素敵なところだと思っています。これからも仕事で大変なことがあると思いますが、二人で、そして家族で一緒に乗り越えていきたいと思っています。』
ということで、まき先生には内緒でご主人からのサプライズメッセージをいただきました!これからも、素敵なご家族であり、素敵な保育士として応援させてください。
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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : 堀池恵美
写真 :石原結香