2025.6.30
【幼稚園の先生の給料】平均年収は?公立と私立の違いや収入アップの秘訣を解説
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な給与や待遇、制度の詳細は施設や自治体ごとに異なります。最新情報については、各自治体・施設の公式発表をご確認ください。
「子どもが好き」という気持ちを仕事にできる幼稚園の先生。やりがいが大きい一方で、「お給料は実際どのくらいなのだろう?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
毎日子どもたちの成長を間近で支える大切なお仕事だからこそ、ご自身のキャリアや生活設計についてもきちんと考えておきたいものですよね。
この記事では、幼稚園の先生の収入について最新の公的なデータを基に詳しく解説します。
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- 幼稚園教諭のリアルな平均年収・月収・ボーナス
- 「公立」と「私立」で異なる給与事情
- 給料アップにつながる手当の種類
- 今よりも収入を上げるための具体的な方法
この記事を読み終える頃には、ご自身の現状と照らし合わせて将来の働き方を考えるためのヒントが見つかると思います。「こんな働き方もあったのか」という新しい発見があるかもしれません。
目次
1. 幼稚園の先生の平均給料はどのくらい?
まずは幼稚園の先生の収入が全体としてどのくらいなのか、具体的な数字を見ていきましょう。
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、幼稚園教諭の平均的な給与は以下のようになっています。
- 平均年収:約402.9万円
- 月収(きまって支給する現金給与額):約28.1万円
- 年間賞与(ボーナス)その他特別給与額:約65.5万円
これはあくまで全体の平均値です。ここから税金や社会保険料が引かれるので、実際の手取り額は月収の8割程度、おおよそ22万円前後になることが多いでしょう。
もちろん、この金額は勤務先の地域や園の規模、そしてご自身の経験年数によって変わってきます。
年齢と共に給料は上がる?
多くの方が気になるのが、「長く続ければお給料は上がっていくのか?」という点ではないでしょうか。
同じ調査の年齢別の給与の変化を見てみると、経験を重ねるにつれて収入は着実に上がっていく傾向にあることがわかります。
経験の浅い20代前半から中堅となる30代、ベテランの域に入る40代、50代と、勤続年数に応じて役職に就くことなどもあって給与は上昇していきます。キャリアを長く続けることで、安定した収入を見込めるお仕事であると言えそうです。
2. 【公立VS私立】給料や待遇はこんなに違う!
幼稚園には、自治体が運営する「公立」と学校法人などが運営する「私立」の2種類があり、どちらで働くかによって給与体系や待遇が大きく違います。
それぞれの特徴を理解し、ご自身がどちらの働き方を望むのか考えてみるのも良いでしょう。
安定と信頼の「公立幼稚園」
公立幼稚園の先生は「地方公務員」という立場になります。給与は各自治体が定める給与表に基づいて決まります。
公立幼稚園のメリット
- 給与が安定している:景気に左右されにくく、毎年着実に昇給が見込めます。
- 福利厚生が手厚い:各種手当や休暇制度が整っている場合が多いです。
- 社会的信用が高い:公務員という身分のため、ローンなどを組む際に有利になることがあります。
公立幼稚園のデメリット
- 給与が大幅に上がることは少ない:良くも悪くも給与表に準ずるため、実力や成果がすぐに給与に反映されにくい面があります。
- 異動がある:数年ごとに管轄内の別の園へ異動する可能性があります。
安定した環境で、長期的な視点を持って働きたい方にとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
園によって特色豊かな「私立幼稚園」
私立幼稚園の給与はその園を運営する法人の経営状況や方針によって決まり、給与水準は園によってまさに様々です。
私立幼稚園のメリット
- 給与水準が高い園もある:独自の教育方針で人気があり、経営が安定している園では公立を上回る給与が支払われることもあります。
- 特色ある教育に携われる:英語教育やモンテッソーリ教育など、特定の分野に力を入れている園で専門性を発揮できます。
- 異動が少ない:基本的には同じ園で長く働くことができます。
私立幼稚園のデメリット
- 経営状況に左右される:園の経営が不安定な場合、昇給が見込めなかったり、ボーナスが少なかったりすることもあります。
- 園独自のルールがある:福利厚生や勤務体系は園ごとの規定によります。
ご自身のスキルや経験を活かして頑張りを正当に評価してもらいたいと考える方や、特定の教育方針に共感する方にとっては、やりがいと高収入を両立できる可能性があります。
比較項目 | 公立幼稚園 | 私立幼稚園 |
身分 | 地方公務員 | 会社員(学校法人の職員など) |
給与体系 | 自治体の給与表に基づく | 園の規定による(幅が広い) |
安定性 | 高い | 園の経営状況による |
昇給 | 年功序列で着実に昇給 | 園の業績や個人の評価による |
福利厚生 | 手厚い傾向 | 園によって様々 |
異動 | あり(自治体管轄内) | 原則なし |
3. 給料アップの鍵を握る「手当」を知ろう
毎月の給料は「基本給」だけで決まるわけではありません。様々な「手当」が加算されて最終的な支給額となります。どのような手当があるかを知っておくことも大切です。
- 役職手当:主任や学年リーダーなど役職に就くことで支給されます。
- 資格手当:幼稚園教諭免許の他に保育士資格や特別なスキルに関する資格を持っている場合に支給されることがあります。
- 通勤手当:自宅から勤務先までの交通費です。
- 住宅手当:家賃の一部を補助してくれる制度です。
- 処遇改善等加算:これは特に重要な手当です。
特に注目したい「処遇改善等加算」とは?
「処遇改善等加算」とは幼稚園の先生をはじめとする保育を担う方々の給与水準を上げるために国が設けた制度です。
簡単に言うと、国から施設へ補助金を出し、そのお金を職員の給料アップ(基本給の上乗せや一時金の支給など)に使う仕組みです。職員の経験年数やキャリアアップのための研修への参加などが評価されて支給額が決まります。
この制度のおかげで業界全体の給与水準は少しずつ改善されてきています。ご自身の園がどのような形でこの手当を給与に反映しているか、確認してみるのも良いでしょう。
4. 幼稚園の先生が収入をアップさせる4つの方法
「今の収入から、もう一歩先に進みたい」。そうお考えの方へ、収入を上げるための具体的な方法を4つご紹介します。
今の職場で収入を上げる
まずは、現在の勤務先でできることから考えてみましょう。
- 役職を目指す:主任や副園長、園長といった役職に就くことで役職手当がつき収入は大きく上がります。リーダーシップを発揮し、園全体の運営に貢献することが求められます。
- 勤続年数を重ねる:公立はもちろん、多くの私立幼稚園でも勤続年数は昇給の大きな要因です。着実に経験を積み重ねることが安定した収入につながります。
- スキルアップのための研修に参加する:処遇改善等加算の要件にもなっている、キャリアアップ研修などに積極的に参加しましょう。専門性を高めることは給与への評価として返ってくることがあります。
給与水準の高い園へ転職する
思い切って環境を変えることも大きな収入アップにつながる可能性があります。
- 条件の良い私立幼稚園を探す:求人情報を比較検討し、基本給や賞与、手当が充実している園へ転職します。特に都市部では好待遇の求人が見つかることがあります。
- 公立幼稚園の採用試験に挑戦する:安定性を求めるなら、地方公務員である公立幼稚園の先生を目指すのも一つの道です。ただし、採用には年齢制限がある場合が多く、試験対策も必要になります。
- 「認定こども園」で働く:幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持つ「認定こども園」も選択肢の一つです。幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持っているとより有利になる場合があります。
働き方を変えてみる「派遣」という選択
正規職員として働くことだけが幼稚園の先生の働き方ではありません。「派遣社員」として働くという選択肢も近年注目されています。
「派遣って不安定なのでは?」と思われるかもしれませんが、実は正規職員よりも時給が高く設定されているケースが少なくありません。
都市部では時給1,500円以上の求人も珍しくなく、ご自身の経験やスキルによってはさらに好条件で働くこともできます。
派遣で働くことのメリットとは?
派遣という働き方には収入面以外にも多くのメリットがあります。
- サービス残業や持ち帰り仕事がないことが多い:勤務時間が契約で定められているため、時間外の業務が発生しにくい傾向にあります。プライベートの時間をしっかり確保したい方には大きな魅力です。
- 人間関係の悩みを抱えにくい:雇用主は派遣会社なので、勤務先の園で何か困ったことがあっても派遣会社の担当者に相談できます。
- 様々な園を経験できる:契約期間ごとに勤務先を変えることもできるため、色々な教育方針の園で働いてご自身のスキルアップにつなげることができます。
もし、「今の働き方に少し疲れてしまった」「もっと自分の時間を大切にしながら、経験を活かしたい」とお考えでしたら、派遣という働き方は新しい可能性を開いてくれるかもしれません。
働き方について誰かに相談したいと感じた際には、保育業界を専門とする人材サービス会社を頼ってみるのも一つの方法です。私たちベルサンテスタッフは保育専門のコンシェルジュが一人ひとりの希望を丁寧にヒアリングし、園との条件交渉までサポートしてくれる会社です。ご自身では見つけられなかった、思わぬ好条件の職場に出会えるかもしれません。
5. まとめ:あなたの理想の働き方を見つけよう
今回は、幼稚園の先生の収入について様々な角度から解説しました。
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- 幼稚園教諭の平均年収は約402.9万円で、経験と共に上昇する傾向にある。
- 公立は安定型、私立は実力・特色型と、給与体系に違いがある。
- 収入アップには、現職での昇進やスキルアップ、転職、そして「派遣」という働き方の選択など、様々な道がある。
子どもたちの成長を支える素晴らしいお仕事だからこそ、先生自身が心身ともに満たされて安心して働き続けられる環境を選ぶことが何よりも大切です。
この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。
もし、多様な働き方にご興味をお持ちでしたら、専門のキャリアアドバイザーに相談してみるのも良いでしょう。ご自身の経験や希望を整理し、理想の働き方を見つけるための一歩をぜひ踏み出してみてください。