2021.12.20
児童票には何を書く?わかりやすい書き方のコツ
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保育施設によっては「保育士は児童票を書かなければいけない」と定められているものです。
しかし、いざ書き出してみるとペンが止まってしまい、どんな内容を書けばいいのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は保育士さんが確認しておきたい児童票の書き方について、あらためて確認していきましょう。
児童票とは?
児童票とは、保育施設で子どもたち一人ひとりと向き合うために使われる、子どもそれぞれの特徴や情報を記録し、共有するための書類のことです。
多くの場合、主に在籍記録やご家族にまつわる情報、保育記録というように、子どもに関する基本的な情報を記載していきます。
進級時の引き継ぎに使われることもあり、子どもにまつわる大切な情報を管理する上でなくてはならない大切な資料となります。
保育士同士で連携し、協力し合う上でも必要不可欠な書類と言えるでしょう。
しかし児童票とひとことで言っても形式にはさまざまな種類があり、保育施設によって異なります。
形式が違うと、児童票の書き方そのものが変わることもありますので注意が必要です。
そして保育士さんの中には「どうしても児童票を書くのが苦手」「なにを書けばいいかわからない」という人もいるでしょう。
そこで、児童票を書くときに意識したいポイントを解説していきます。
日頃から子どものちょっとしたシーンをメモしておく
いきなり児童票を書こうとしても、なにを書くべきかイメージがつかず、手が止まってしまいますよね。
そのため、内容をスムーズに書けるよう日頃からメモの癖をつけることをおすすめします。
何気ない業務の中でも、子どもの個性を実感できるシーンはあるものです。
ところが、子どもたちから離れていざ児童票を書こうとすると、具体的なエピソードはなかなか出てこなくなってしまいますよね。
些細な内容をメモしておけば、参考にしながら児童票を書くことができ子どもの性質や生活習慣も見えてきます。
あらかじめ児童票の様式をチェックしておけば、どんなときにメモをするといいか見当をつけやすくなるでしょう。
「子どもたちを指導しながら毎回メモをとるのは大変」というときには、こまめに写真を撮影するのもおすすめです。
児童票を書きながら撮影した写真を見直せば、その日の保育の内容や子どもたちの反応をクリアに思い出せますよ。
子どもの個性をしっかり伝えられる内容にする
保育士としてたくさんの子どもと接する中で「この子とこの子はまるっきり同じ」というようなことはないはずです。
タイプとして似ている子はいても、どこかに必ずその子の個性やらしさがありますよね。
児童票には、そうしたその子ならではの個性を積極的に記載しましょう。
その際には、具体的なエピソードを組み込むことでより伝わりやすくなりますよ。
例えば……
「一人で遊んでいるお友達に、一緒に遊ぼうよと積極的に声をかけていました」
「毎日登園してくると、お友達だけでなくお花や飼っている動物にもお友達にするように挨拶をしてくれます」
「下級生に『これで遊ぶ?』と声をかけ、おもちゃや遊具をゆずってくれる優しい一面があります」
客観的な視点の話はもちろんのこと、実際にどんな言葉を使っていたか、どんな表情だったかといったポイントもあわせて記録しましょう。
読んでいる人にとってもその子の雰囲気が伝わりやすく、成長の過程が印象づけられます。
成長の中で変化した部分を強く意識する
子どもと長い時間を過ごすうちに、「前はできなかったことができるようになった」など、成長を意識できる部分が増えていくでしょう。
児童票を書くときには、そうした一人ひとりの成長にフォーカスして、いつからどのように変わっていったのかわかるように記載することを意識してください。
例えば……
「泣かずに登園できるようになりました」
「苦手な野菜も食べられるようになりました」
「人見知りをしていたお友達ともよく遊ぶようになりました」
などのように「いつのまにかできるようになったこと」「昔よりも素直な反応を見せてくれること」を明記しておきましょう。
日付や時期もあわせて書いておけば、読み返したときにもその子の変化を意識しやすくなるでしょう。
ほかの保育士に相談しながらすすめる
児童票は施設によって内容が違うからこそ、書き方に悩んでしまったときにはほかの保育士に相談するとよいでしょう。
先輩保育士の意見を参考にすることによって、より具体的な書き方がイメージしやすくなります。
同時に、その施設で求められる児童票の在り方を確実に理解できますから、できれば実際に書きはじめるより前、早い段階で一度確認させてもらうとよいでしょう。
施設によって「この項目・目標には特に重点を置いている」という内容が違います。
児童票の確認は、その施設の特徴を確認することにもつながります。
書き終えたら必ず読み返す
児童票はどうにか「書く、項目を埋める」ことばかり意識してしまいやすいものです。
しかし、忙しい中でとにかく書くことばかり強く意識していると、誤字脱字が起こりやすくなるでしょう。
不備の多い文書を先輩保育士と共有することにならないよう、書き終えたら必ず読み返して誤字・脱字がないか確認してください。
まずはスマホのメモ帳などに打ち込んで、そのあと清書や手書きをする……など段階を踏みながら、何度も見直す中で誤字脱字を防ぐのもおすすめです。
また、声に出して読み返したり、施設内のほかの保育士に一度読んでもらったりするのもよいでしょう。
書き方によっては誤解を招いてしまったり、マイナスの印象になったりしかねないので、誤字脱字とともに表現方法も確認してよく見極めてください。
まとめ
子どもの個性や特徴を理解する上で、児童票は非常に重要な役割を果たします。
日頃から子どもの様子を気にかけ、メモや写真を残すなど工夫しながら書くべき内容を精査していくとよいでしょう。
書き方やフォーマットは施設によっても違いますので、その施設の書き方をあらかじめ確認してから取り組むように心がけることで、ミスを防ぎやすくなりますよ。