2023.6.15
保育士が知っておきたい社会保険の仕組み!国民健康保険とはどのように違う?
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就職活動や転職活動をしていて「社会保険」という項目を目にすることも多いのではないでしょうか?
名前を目にする機会は多くとも「改めて社会保険について説明してください」と言われたら、悩んでしまうこともあるかもしれません。
そこで改めて社会保険や、国民健康保健の詳細、またそれぞれの違いについて解説していきます。
社会保険(健康保険)とは?
社会保険(健康保険)とは、社会人として働く上で加入できる保険のことです。
「加入できる」といっても「加入するかどうか選べる」ということではなく、加入が義務付けられた強制保険制度です。
正社員はもちろん、派遣社員やパート、アルバイトであっても次のような条件を満たしていれば社会保険に加入することになります。
◆事業所の規模が常時500人を超えている
◆週の所定労働時間が20時間以上
◆勤務期間が1年以上
◆賃金の月額が88,000円以上
◆学生ではない
社会保険というのはあくまで総称であり、社会保険には「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」という5つの保険が当てはまります。
また実際、5つすべての保険を指して社会保険とされるとも限りません。
健康保険、介護保険、厚生年金保険までを社会保険、雇用保険と労災保険を労働保険と呼ぶケースもあります。
社会保険への加入やそのための手続きは、一人ひとりが個人で行うのではなく、職場を介して行われます。
社員本人だけでなく、配偶者や子ども、一部の親族も条件を満たしていれば加入できます。
国民健康保険とは?
社会保険が企業に属している人のための保険であるのに対し、国民健康保険は、会社に勤めていない人のための保険と言えるでしょう。
例えばフリーランスや自営業など企業に属していない人が国民健康保険の対象となります。
そのほかにも特定の職に就いていない人や定年退職後の人なども加入することになります。
「これまで勤務先の社会保険に加入していたけれど退職した」という人は、適宜、国民健康保険へ切り替えることになります。
また、国民健康保険は、住んでいる地域の各都道府県が主体となって運営しています。
そのため加入手続きなどは各市区町村単位の窓口で行うことになります。
さらに国民健康保険は社会保険と違い「扶養」という概念はありません。
社会保険と国民健康保険の違いとは?
社会保険と国民健康保険の違いとして、保険料や計算方法が挙げられます。
社会保険の保険料は、毎年4~6月の月収をもとにして算出されます。
残業代や手当なども含めてその人個人が毎月どれくらい受け取っているかを計算し、そこから保険料を割り当てていきます。
国民健康保険の場合、保険料は個人の収入ではなく世帯単位の収入を参照します。
国民健康保険ではその家庭で被保険者が何人いて、収入はどれくらいで、年齢はいくつなのかということを踏まえて保険料が計算されます。
最終的に保険料を決定するときには、住んでいる都道府県・市区町村の判断となります。
そのため同じような収入や家族構成の世帯であっても、自治体が変われば保険料も変わります。
具体的な国民健康保険の保険料を知りたいときには、自治体に問い合わせてください。
社会保険と国民健康保険を切り替えるときにはどうすればいい?
国民健康保険と社会保険は、そのときどきの働き方に応じて切り替える必要があります。
企業に勤めて働くことになったときには、企業の人事担当から案内を受けながら国民健康保険から社会保険へ切り替えましょう。
国民健康保険から抜けるためには、自治体の役所で手続きを行います。
社会保険の加入手続きについては会社側がやってくれますので、必要に応じて書類を作成したり、捺印をしたりと案内された通りに対応しましょう。
また、企業勤めを辞めて社会保険から国民健康保険に切り替えるときにも、自分で役所へ向かい国民健康保険や国民年金の加入手続きをしてください。
実際に国民健康保険の保険証が手元に届くのは、加入してから大体1週間ほど後になります。
突然の事故や病気の際に慌てないためにも、手続きは早めにしておきましょう。
ちなみに、企業の正社員でない場合でも保育施設でアルバイトなどをしている場合、前述の条件を踏まえていれば社会保険に入ることができます。
例えば派遣という働き方なら、派遣会社が間に入り社会保険の加入手続きを行なってくれるでしょう。
自分で手続きをして、国民健康保険の保険料を支払う必要がなくなりますので、安定した働き方を叶えたいときには相談してみましょう。
まとめ
社会保険は企業を通じ加入する保険であり、それに対し国民健康保険は個人で加入する保険です。
どちらも生活に必要不可欠な保険ではありますが、加入条件や保険料の計算方法が違います。
また、企業に勤めていない場合でも例えば派遣保育士であれば、派遣会社に社会保険の手続きを依頼できますので問い合わせてみると良いでしょう。