2021.11.26
保育園の家庭訪問では何をする?質問の例やマナーについて
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「家庭訪問」と聞くと、小学校や中学校で行われる行事とイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし近年では、保育園でも家庭訪問を実施するケースが増えています。
保育園での家庭訪問とはどのようなものなのか、また保育士が家庭訪問を実施するにあたってどのような工夫が必要なのか、ご紹介していきましょう。
保育園で行われる家庭訪問とは?
保育園で行われる家庭訪問では、担当クラスを持つ保育士が子どもの自宅を訪問し、保護者と子どもの施設内での様子、家庭内での様子を中心に面談を行います。
保護者としっかり顔を合わせて話す機会というのは、案外限られるものです。
お見送りやお迎えのときに話す機会もありますが、腰をすえて話すのは難しいため、家庭訪問という場面ではじめて「実は……」と切り出される話もあるかもしれません。
保護者が施設に対して要望や不安を抱えているときには、しっかり耳を傾けてどのような思いを抱えているのか理解しましょう。
同時に、保育士にとっても「子どもたちが普段どのような環境で生活しているのか知れる」、「自分の目で確認できる」という特徴があります。
子どものことをより深く理解するためにも必要な行事と言えますので、生活環境をよく確認しましょう。
とは言えあまりに詮索するような態度は保護者に悪い印象を与えかねないので、じろじろ部屋を見ないように注意してください。
多くの場合、家庭訪問は年度はじめの4月から5月ほどのあいだに行われます。
この時期は、子どもも保護者も新しい担任の先生や施設の環境について知らないことも多いはずですから、改めて「今年一年よろしくお願いします」と挨拶をする目的もあります。
だいたい、一家庭あたり15分程度で終えるように調整し、長居しすぎないようにすることが重要です。
玄関先で済ませる場合や、通されるままリビングまであがる場合などケースによって違い、施設によっても決まりがあるので確認しておくとよいでしょう。
家庭訪問では保育士はどんなことを話す?
せっかく家庭訪問にうかがったのに、話すべきことが見つからず気まずい時間が流れる……というのは避けたいものですよね。
そこで保育士は、家庭訪問前にあらかじめ質問したい内容を考えておきましょう。
まず、外せないのが「ご家庭ではどんなご様子ですか?」というような、家庭内にまつわる質問です。
どんな遊びをしているのか、兄弟がいるならどんな様子なのか、最近の関心ごとはなにかなど、広く尋ねてみましょう。
施設と家庭では印象が異なる子どもも少なくありません。
「園ではこんな遊びを楽しんでいますが、ご家庭ではいかがですか?」といった聞き方をすると、保護者も新鮮な反応を見せるかもしれません。
あわせて「園で注意したほうがいいことはありますか?」といった質問も用意しておきましょう。
アレルギーの有無、体調にまつわる注意点といった話をあらかじめ聞いておけば、施設内での生活でも十分気に掛けることができます。
そのほかにも、保護者が不安に感じていることがないか聞いてみることで、施設内での生活がスムーズになるでしょう。
保育園の家庭訪問における服装やマナー
保育園ではジャージを着用しているという保育士は多いでしょう。
しかし家庭訪問をする際には、カジュアルすぎる格好は避けて、落ち着いた服を身に着けるのが一般的です。
施設によってスーツを着用すると決められていたり、私服でよいとされていたりルールが異なります。
私服でよいとされている場合も、清潔感のある服装を心がけましょう。
いわゆるオフィスカジュアルのような、シャツにジャケット、パンツやスカートといった服装が無難です。
派手すぎる格好や露出の多い格好は悪印象につながりかねないので、避けてください。
もちろん施設ごとにルールが違うため、心配ならば先輩保育士に確認しておくとよいでしょう。
保育士が覚えておきたい家庭訪問のマナー
家庭訪問のときには、保育士のマナーについて保護者からチェックされる可能性があります。
そのため、挨拶や靴・スリッパの揃え方など基本的なマナーはおさえておきましょう。
部屋に通されたときも、出入口から近い下座に座ることを意識しましょう。
保護者から「あちらへどうぞ」と上座へ案内されたなら移動して構いませんが、自ら上座を選ぶのは避けてください。
もし、先輩保育士と一緒にうかがうのであれば、先輩が上座に座るようにします。
お茶菓子やお茶は、出されたら少しでも口をつけるようにしましょう。
そのときは「いただきます」と一言添えてから口をつけてください。
近年では、コロナウイルスの影響などもあってあらかじめ「お茶は結構です」と断る場合もあるため、そのあたりのルールは施設で確認しておくとよいでしょう。
まとめ
保育園でも家庭訪問を行うことによって、子どものことをよく知れたり、保護者の話にきちんと耳を傾けることができたりといったメリットが期待できます。
保育士も、日ごろから子どものことをよく見ておき家庭訪問で聞きたいことや話したいことを考えておくとよいでしょう。
保護者の中には園での生活に不安を覚えている人もいますから、じっくり耳を傾けて信頼を得られるようにしたいものです。