やすこ先生

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2024.4.21

やすこ先生

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やすこ先生

派遣保育士歴:2年目
愛知県北名古屋市 保育園勤務

#五十代からの初挑戦
#ピアノ講師から保育士へ
#いくつになっても成長できる

今の働き方は?

愛知県の保育短期大学を卒業後、約二十年間のピアノ講師を経て、昨年から初めて保育士として働き始めました。現在、北名古屋市内にある小規模保育園で働かせてもらっています。

勤務時間は月曜〜金曜、15:00〜18:30の延長保育を担当。

五十代から初めて挑戦する保育現場で、最初はとっても不安でしたが、子どもたちの笑顔に癒されて充実感をもって毎日を過ごせています。

保育の道に進もうと思ったきっかけは?

私の母方が教師家系で、親戚含めてみんな小学校教諭や大学教授をしていてとても厳格な家庭で育ったんです。門限がしっかりあって、学校帰りの寄り道は禁止、帰ったら勉強とピアノ、のように色んな決め事がありました。

そんな家庭環境のなか、隣県に住む親戚のお姉ちゃんが保育士だったんです。幼心に他の親戚とのタイプの違いを感じていて、笑顔で優しく、話し方もフワッと柔らかいお姉ちゃんが憧れの存在だったんですよね。

それが、保育職に進みたいと思った一番初めのきっかけだったように思います。

恩師からの熱いオファーでピアノ講師の道へ

保育士になる夢をもって保育短期大学に進学したものの、実習中に炎天下で倒れてしまうなど、体力面で不安を感じることがありました。そんな時、五歳から習っていたピアノ教室の恩師から「ぜひピアノ講師になって欲しい!」と熱烈なオファーを受けたんです。

それ以来、子どもとも触れ合えるし、ピアノの経験も活かすこともできる、体力面も考えると、ピアノ講師のほうが合っているかもと気持ちが変化していきました。

長年お世話になった恩師の期待に応えたい気持ちから、学生の傍らピアノ講師になるために必死で勉強し、ピアノ講師認定試験を1年でクリア。卒業後はピアノ講師の道に進みました。

その後約20年頑張ってきたのですが、この期間で習い事に対する保護者さんや子どものお考えもだいぶ様変わりしました。

そんなときに友人から「保育士の資格、持ってるじゃない!?」と言われたことが保育士になる最初のきっかけとなりました。

保育士になるなんて想像もしていなかった

実は、短大を卒業して20年以上たっていたので、自分が保育士資格を持っているということもすっかり忘れていたんです。でも友人が、子どもに関わる仕事経験があって、資格もあるんだから全く別の仕事をするよりも「絶対に保育士をやったほうがいい!」と強く背中を押してくれて。

私は「今さら無理だよ~」と思っていたんですけどね(笑)。その友人は私と同じくピアノ講師で、これまでずっと切磋琢磨してきた戦友のような存在。

発表会の準備や教室運営を含め、私が子どもたちと関わる姿をずっと近くて見てくれていました。そんな友人が言ってくれるなら、「ダメもとで一回動いてみよう!」 と、思い切ってチャレンジすることに決めました。

「資格切り替え中OK」の一文が人生を変える

就職活動を始めたものの、当時の私は「こども園ってなに?」「保育士資格を活かせる職場って?」というほど無知でした。さらに、私が持っているのは保母資格。2003年に児童福祉法が改正する前だったので、保母資格から保育士資格に切り替える必要がありました。

その切り替えにも数か月かかると知って、半ば諦めかけていたところ、ネット上でみた「保母資格から切り替え中の方もご相談ください!」という文言がパッと目に止まったんです。

それがベルサンテさんとの最初の出会いでした。

派遣会社のなかでベルサンテに決めた理由

そして電話をして対応してくださったのが、今も担当していただいているoishiさんでした。他の派遣会社も登録をしていたので、今回もまずは相談だけと思ったのですが、対応も丁寧で求人も私が希望する条件にピッタリ!このチャンスは逃したらダメ!と思って話を進めていただきました。

特に、園との交渉事をすべてoishiさんがおこなってくれたのでとっても頼りになりました。私一人で面接を進めていくなんて絶対無理なので助かりましたね。派遣後も何かあったときはいつでも相談にのってくださいますし本当に心強い存在です。

初の保育園で感じたことは?

初めて勤務した時はお恥ずかしながら驚きの連続で!保育園に行くのは実習以来。身近に乳児の子どももいなかったので、「え!2歳でこんなに歩けるの!?」「お話もしっかりできるんだ!」と思ったほど。そこから少しずつ保育の仕事に慣れていきました。

子どもとの関わりに抵抗はなかったのですが、正直難しく感じたのは、他の先生方とのコミュニケーション。皆さんとっても優しい先生ばかりで人間関係は良好なのですが、話す内容についていくのに必死だったり、子どもたちがワーッとしている中での職員間の会話が聞き取れなかったり。

あの状況でしっかり会話を繰り広げられる先生方は本当にすごい!良い意味で“宇宙人!?”って思ってしまうくらい(笑)。この1年、ずっと耳をダンボのように大きく傾けることを意識することでだいぶ聞き分けれるようになってきましたね。

仕事内容&ピアノ講師との違いは?

毎日15:00に出勤をして、子どもたちがケガをしないように見守ったり、掃除をしたりと体力面でも無理なく働ける業務内容です。子どもたちと遊ぶ時は、レゴブロックやお歌を一緒に歌ったり、手遊びをしたり、絵本を読んであげたり。子どもたちのリクエストを聞きながらどんな遊びをしようか決めています。

ピアノ講師をしていた時は、上手に弾けた時の子どもの笑顔を見るのが好きでした。今は、純粋に遊びたいとか嬉しいといった感情から生まれる子どもたちのニコ~っとした笑顔に癒されています。

私、この1年で仕事に行くのが嫌だと思ったことが一度もないんです。「こんなに楽しい仕事があったんだ! 」「私保育士に向いているかも?」と思うくらい、毎日が充実しています。あの時、迷っていた私の背中を押してくれた友人には感謝ですね。

「保育っていい」と思う瞬間は?

保護者の方がお迎えに来た時に、子どもたちがみんな、すっごく笑顔になる瞬間が私は好きです。「あ~パパやママのこと大好きなんだな!」「愛情をたくさん受けて育っているんだな」と表情から感じることができて私まで嬉しい気持ちになります。

保育中に見せてくれる笑顔も、お迎えの時に見せる笑顔も、色んなシーンに溢れる子どもたちの笑顔を見るたびに「保育士っていいな」といつも思います。

仕事で大切にしていることは?

「保育で一番大事なことは、子どもたちを無事に帰すこと」。これは、最初に園長から言われた言葉です。

前職の経験から一対一に集中する習慣があって、子どもたちが一生懸命話しかけてくれると、話を聞いてあげよう!という気持ちが強まって、周りへの意識が逸れてしまうことが課題で。

ちょっと目を離した隙に子どもが転びかけたり、段差を登ろうとしていたりしてヒヤッとすることも。なので、子どもたちがケガをしないよう先回りすること、視野を広くもって行動できるように心がけています。

今までにはない感覚が少しずつ養われてきて、この年齢になっても成長を実感できることは嬉しいですね。あとは、子どもたちの気持ちに寄り添う気持ちも大切にしています。感情的に怒るのではなく、冷静に、愛情を持って叱ること。

そして、上手にできたら思いっきり褒める。周りの先生たちが常に子どもを第一に考えて行動する姿を見ながら、メリハリって大事なんだと学ばせてもらっています。

キャリア・年齢を理由に二の足を踏んでいる方にアドバイスをするなら?

“子どもが好き”、“資格を持っている”という方は「まずは是非やってみてください!」と伝えたいです。実体験を通じて、それほど保育士という仕事に魅力と価値を感じます。私も実際に働くまでは「体力が持つかな?」「先生たちとコミュニケーションとれるかな……」と不安がありました。

でも、今は挑戦してみて本当に良かったと思っています。ネットや周囲の声など色んな情報に惑わされることもあるけれど、だからこそ自分の肌身で感じて判断することがすごく大事。

もし挑戦した環境が合わなかったとしても、別で輝ける場所があるかもしれません。どちらにしても動かなかったら何も始まらないので、興味を持ったときは、是非一度飛び込んでみてほしいなって思います。

私は、今回いただいたご縁を大切に体が動く限り保育士として頑張っていきたいと思っています。

大切にしている言葉は?

「なせばなる」

これまでの人生で悩んだこともあったけれど、悩んでいても始まらないし、自分の心を切り替えるのが一番大事。笑顔があれば大抵のことは乗り越えられるという考え方も大切にしています。

【編集後記 fromやすこ先生担当の保育コンシェルジュより】

やすこ先生が、保育のお仕事に応募してくださり、はじめて電話でお話をしたときのことをとてもよく覚えています。1時間以上お話をしたことを覚えていますでしょうか?(笑)

はじめての保育なのでたくさん質問をしてくださいましたね。不安もあったかと思いますが、「保育に挑戦したい!」という先生の気持ちがとても伝わり絶対にいい園で働いてほしいという思いで今の保育園に紹介しました。

「はじめのうちは慣れないこともまだまだありますが、子どもたちがかわいくて楽しいです!」といつも前向きなやすこ先生の言葉が私もとても嬉しかったです。今では保育園にとっても、子どもたちにとっても必要な先生として活躍してくれていますね。

これからも経験、年齢関係なく「保育をしたい」という気持ちの先生をずっと応援していきたいです。

「いい人をいい園に」をスローガンに私も頑張ります。やすこ先生、同じ誕生日なのでお互い健康に過ごしましょう!(笑)

from 保育コンシェルジュoishi

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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : 堀池恵美
写真 : 石原結香

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