2023.2.6
保育施設の行事やイベントを嫌がる子はなにが原因?逆効果になる接し方してない?
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子どもによって特徴が違うからこそ、ときには子どものためにと思って提案した内容によって、子どもが嫌がってしまうこともあります。
特に、保育施設の行事は一般的には楽しいものとイメージすることも多いと思いますが、中には「行事やイベントが嫌!」と拒絶する子もいます。
そうした子のために保育士ができることや、意識したいことについて解説していきましょう。
保育施設の行事は「楽しい」だけじゃない?
保育施設では、通常の保育業務のほか季節に合わせたイベントを展開することも少なくないでしょう。
例えば発表会や運動会、遠足やお泊まり保育など……いつもと違ったイベントは、楽しみにしてくれる子も少なくありません。
しかし、すべての子にとってこうしたイベントが必ず楽しみになるかといえば、そんなことはありません。
それどころか泣いて嫌がったり、無理に参加させようとした結果パニックになってしまったりすることもあるでしょう。
嫌がる素振りだけを見ていると「運動が苦手だから運動会が嫌なのかな?」「みんなの前に出るのが恥ずかしいのかな?」と思ってしまうかもしれません。
しかし実際には、そうした簡単な理由に留まらないケースも多くあります。
子どもに発達障害の傾向があるときには、大人から見るとよくわからない理由でイベントごとを拒否しているように見えることもあるでしょう。
さらに、強い抵抗を示すだけでなく、反対に喜びすぎたりはしゃぎすぎたりするケースもあります。
この場合も、発達障害ならではの傾向と考えられるでしょう。
子どもが保育施設のイベントを嫌がる原因は?
発達障害の子どもの場合、毎日決められたスケジュールやルーティンをこなすことはできても、突然違うことをしなければいけない、新しいことをはじめなければいけないという環境に抵抗を表す子は少なくありません。
そのため、普段の生活とは違った各種イベントに抵抗を見せるのです。
「運動会が嫌だ」「お泊まり保育が嫌だ」ということではなく、「いつもと違うことをするのが嫌だ」という特徴は、典型的な特徴と言えるでしょう。
子どもによっては、こうしたイベントのほかにも、ちょっとしたシーンでこうした「嫌がる様子」の傾向が見えるかもしれません。
◇施設の外へいくお散歩の時間を嫌がる
◇いつもの教室に知らない人がやってくるのを嫌がる
◇「天気が悪くなってきたからお外遊びはやめよう」などの急なスケジュール変更を嫌がる
◇知らない場所に行くのを嫌がる
◇いつもと違う遊びをしたり、やったことのない遊びをしたりするのを嫌がる
◇普段着ない服や使わないアイテムを使うのを嫌がる
こうした特徴が見られる子の場合、いつもと違う状況に馴染むのが苦手なのかもしれません。
イベントを嫌がる子どもに提案したい改善方法
まず、第一に意識したいのは「子どもが嫌がる理由は、気分によるものやわがままではない」ということです。
この認識がずれていると、いくら改善しようとしてもうまくいかなくなってしまいます。
まずは施設の先生がきちんと理解した上で、お友達とも理解し合えるのが理想です。
行事の期間は準備や練習など忙しくなりますが、感情的に当たらず子どもに理解を示しましょう。
「そうだよね、いつもと違って嫌だよね」と理解を示すだけでも、子どもが落ち着きやすくなるかもしれません。
また、事前に「明日はこれをするよ」などきちんと情報を共有しておくことも大切です。
本人はもちろん、保護者とも情報を共有しておきその子が精神的に準備できるような環境を作りましょう。
「何もかも嫌だ!」状態に入ってしまった子どもと接するときは、その子の気持ちを尊重するようにしましょう。
また、あえてお友達と一緒に誘ってみるのもいいかもしれません。
大人にやらされることに抵抗がある子も、子ども同士でやりとりをすると受け入れやすくなるケースもあります。
嫌がる子どもにかえって逆効果になることとは?
反対に、子どものためを思ってやったつもりでも、「頑張って参加しようね!」など強制的に参加させるのは逆効果です。
強制的な参加は「頑張った」という成功体験にはならず、「信頼していた先生や友人によって嫌なことをさせられた」という苦い経験になってしまいます。
パニックになったり、お友達を巻き込んだ大きなトラブルになったりすることもあるかもしれません。
わがままで出たくないと言っているわけではない子にとって、こうした経験はますます行事が嫌になるきっかけとなるでしょう。
焦らず、ゆっくりと時間をかけて、慣れさせてあげてください。
まとめ
保育施設ではさまざまなイベントが行われますが、子どもの中にはそうした行事を嫌がる子もいます。
その理由はさまざまですが、障害によって適応できないケースでは「わがままを言ってるんだ」「無理にでも参加させた方がいい」と考えると逆効果になることもあります。
まずは理解を示すことによって、子どもの成功体験を積み重ねてあげましょう。